今年3月11日で発生から丸3年が経過した東日本大震災。東北地方を中心に甚大な被害が発生したこの災害に対し、ドイツのダイムラーAGが復興支援のためオフロードトラック「メルセデス・ベンツ ゼトロス」を8台と、多目的作業車ウニモグを4台、 Gクラス8台、三菱ふそうの「キャンター」を30台、震災発生の翌月に素早く提供してくれた。

それらの作業車やオフロード車はその後2年にわたり復興の現場で活躍してくれたわけだが、退役後はどうなったか? じつは、今でも別の形で東北地方の復興に協力し続けている。

ゼトロスとウニモグ、Gクラスはそれぞれ1台ずつが石川県の「日本自動車博物館」に展示され、震災の記憶を人々に伝え続ける役割を担っている。また、4台のGクラスと2台のウニモグはドイツ国内でチャリティオークションにかけられ、その収益金280万円が寄付される予定だ。

そのほか、2012年4月に設立された「ダイムラー・日本財団イノベーティブリーダー基金」では、被災地の創造と変革を担うリーダーを育成するかたわら、新規事業15件~20件に対し資金助成を行い、被災地の雇用創出に貢献している。

この活動以外にも、実は2011年に、ダイムラーAGの経営陣および共同労使協議会が共同で募金キャンペーンを行っている。1万人以上の従業員から50万ユーロ(当時のレートで約5500万円)以上の募金が集まり、ドイツ赤十字社を通じて日本赤十字社に送られた。メルセデス・ベンツ日本からも2013年4月、2台の「スマート電気自動車」が宮城県東松島市と岩手県釜石市に、それぞれ1年間無償で貸与されている。

ダイムラーAG取締役会長のディーター・ツェッチェは、「未曾有の震災から3年が経ちますが、被災地では復興における課題は山積みであると考えます。震災の記憶を風化させることなく、我々ダイムラー・グループは被災地の復興再建に向けこれからもサポートして参ります」と述べている。

まだまだ復興は遠いといえる被災地の現実。ダイムラーAGだけでなくわたしたち自身も、「小さくてもいいから、何かできること」を探していきたい。

被災地に寄付されたものと同型ではないが、メルセデスの多目的作業車ウニモグ。こうして三種類が並ぶとより一層「頼りになる感じ」だ!

被災地に寄付されたものと同型ではないが、メルセデスの多目的作業車ウニモグ。こうして三種類が並ぶとより一層「頼りになる感じ」だ!

過酷な環境下で使用することを前提に作られたメルセデスのオフロードトラック、ゼトロス。紛争地帯や大規模自然災害の際にも大活躍している

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