国際福祉機器展に行ったら、福祉車両がより選びやすく、より便利になったことがよくわかった
カテゴリー: レース&イベント
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2015/10/27
回転&昇降シートが回転&チルトに進化!
ぴえいる(以下、ぴ):福祉車両を見に行く? いや確かに私は初老だけれど、まだ足腰は丈夫だし、Aくんの気持ちはうれし――
編集部員A(以下、A):別にぴえいるさんのために見に行くんじゃ――
ぴ:あー、わかった! 最近Aくん家を建てたけど、ガレージにもう1台置けるようにしてあるのは、独居老人の私のためなのか! なんだ、そうならそうと早く言ってくれれ――
A:な・ん・で! ボクや嫁が、ポンコツのぴえいるさんを介護しなきゃならないんですか!
Aくんは意外と冷たいやつだと知ったこの日、2人で向かったのは10月7日~9日の3日間、東京ビッグサイトで開かれた「第42回 国際福祉機器展 H.C.R.2015」だ。その名が示すように福祉関連の機器やグッズが展示されるのだが、年に1回のこのイベントには自動車メーカー各社が最新の福祉車両を展示する。福祉車両の購入を考えている人には、たくさんの福祉車両を見比べる絶好の機会なのだ。
A:今回の注目はやっぱりトヨタの回転&チルトシートですね。従来の回転&昇降シートは確かに便利だけれど作動に時間がかかるし、使う時はある程度のスペースが必要でした。でも、これなら時間とスペース問題を一気に解決できますから。
ぴ:回転&昇降シートはシート座面を車外に出すことで足腰の弱い人が両足をついたままお尻から座れるんだけれど、シート座面をちょっと出すだけだと車のフロアに干渉するから、丸ごと外に出さないといけなかったんだ。その分スペースが必要だったし、昇降作業にモーターを使うから時間もかかったんだけれどね。
A:それを車外側へ回転させて、シートを前傾させることで解決したわけです。これなら車外にシートがほとんど出ないからスペースも不要だし、人力でできるから時間もかからないと。
ぴ:トヨタの説明によれば、回転&昇降シートで110cm必要だった車外スペースが回転&チルトなら45cmで済むらしい。
A:現在はポルテ/スペイドとシエンタに採用されていますよ。
「介助もできるマイカー」が選びやすくなってきた
ぴ:そういえば、こうした便利な福祉車両がコンパクトな車にも増えてきているよね。
A:軽自動車だと、ダイハツ ムーヴや日産 デイズルークスのターボ車にも回転&昇降シート車が設定されましたしね。
ぴ:スズキ スペーシアの車いす仕様車にS-エネチャージを搭載したり、各社「ぶつからない技術」をアピールしたりするなど、装備も充実してきた。
A:福祉施設が利用する場合は経費を抑えたいからターボのない車や先進安全装備のない車を選びがちですが、個人使用を考えるとパワーや燃費、安全技術などは重要。ユーザーにとっては普通の愛車選びと変わらないですからね。そのあたりのニーズが反映され始めたということでしょうか。
ぴ:将来、介護の必要がなくなっても使えるし、普段は買い物にも使える介助兼用車が増えてきたというわけだ。だからAくん、今のうちに私のために買ってくれるのはやぶさかではないのだよ。普段はAくんファミリーのために使ってくれて構わないから、たまに私を介助す――
A:あ、タカラトミーが話相手をしてくれるロボットを展示してましたから、それ、買ったらどうですか? 寂しい独居老人にはぴったりですよwww
ぴ:ロボット相手に話をしている自分の姿を想像すると……。うっ、泣けてきた(涙)。