ニュルブルクリンク24時間耐久レースで、スバル WRX STIがクラス2位、日本車として最上位となる総合26位でフィニッシュした。世界一過酷なコースといわれ、国内外各社が車両開発のために走り込むことでも知られるニュルブルクリンクでの耐久レースで好成績を納めたことで、そのポテンシャルの高さを証明してみせた。

41回目を迎える今年のニュルブルクリンク24時間レースは、5月19日~20日に開催された。1周約25kmに及ぶ過酷なコースで行われる耐久レースに、175台ものレーシングマシンが参加。日本車勢はトヨタのGAZOOレーシングからレクサス LFA(影山正彦/石浦宏明/大嶋和也/モリゾウ組)とトヨタ 86(木下隆之/佐藤久実/矢吹久/平田泰男組、飯田章/井口卓人/蒲生尚弥/モリゾウ組)、日産 GT-R GT3(山内一典/ミハエル・シュルツ/トビアス・シュルツ/ミハエル・クルム組)、そしてこの大会でクラス連覇を狙うスバル WRX STI(吉田寿博/佐々木孝太/マルセル・ラッセー/カルロ・バンダム組)などがエントリーした。

決勝レースは21万人ものファンに見守られ、現地時間午後5時にスタート。しかし、スタートから4時間が経過したあたりから雨が降り始め、路面コンディションの悪化と霧による視界不良で午後10時44分にレースは赤旗中断。その後も雨は降り続け、レースは翌朝午前8時に再開された。

連覇への期待がかかるスバル WRX STIは、クラス2位のポジションから首位を走るアウディ TTを懸命に追いかける。終盤になっても果敢に攻め続け、残り3時間の時点で7分あった差を54秒差まで追いつめた。しかし、逆転はならずクラス2位でフィニッシュ。クラス連覇こそ逃したものの準優勝を決めたことで、今年もその実力の高さを世界に証明してみせた。

その他の主な日本車勢は、「モリゾウ」こと豊田章男トヨタ自動車社長がドライバーとして参加したレクサス LFAがSP8クラス2位(総合37位)、またトヨタ 86はSP3クラス2位(総合64位)という結果となった。今大会総合優勝を決めたのは、メルセデスベンツ SLS AMG GT3(ベルント・シュナイダー/ジェローム・ブリークモレン/シーン・エドワーズ/ニッキー・ティーム組)だった。

Text/石川茂幸

ニュルブルクリンクのコースを果敢に攻めるスバル WRX STI。25kmに及ぶコースには170ものコーナーや激しい起伏がある

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クラス連覇こそ逃したものの2位でフィニッシュを決めたスバル WRX STI。最後の最後までレースを諦めず攻めきった

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優勝を決めたのはブラックファルコンのメルセデスベンツ SLS AMG GT3。メルセデスベンツチームにとって同レースでの総合優勝は初

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