結論はポルシェ。高級車リサーチから見いだした最良の選択肢|Carsensor IN MY LIFE


世の中にはいろいろな職業がある。西川淳さんは外資系のマーケティングリサーチ会社に勤めるエージェント。敏腕リサーチャーであり、消費者の文化や生活、そして心理を解き明かすのが彼のミッションだ。そんな彼が高級車マーケットに“潜入”した。その実情を調べるうち、彼にも高級車購入の機運が迫る。これはピンチか、それともチャンスか。

この物語は実話にもとづいた、クルマにまつわる人間ドラマだ。

高級車の調査で感化され、自らもポルシェを購入

フォード マスタング

着信音が鳴る。電話は会社の上司から。次の仕事の指示だ。

勤めているのはパラマウント・リサーチ社(仮名)。豪州ウーロンゴン大学に留学していたとき、インターンとしてお世話になった現地のマーケティング&リサーチ会社だ。その縁があって、同社の日本法人で働いている。

世界中の高級ブランドが、日本の消費者に注目している。何を考え、何を欲しているのか。クライアントは、その情報が製品開発を成功させるのに不可欠だと考えている。

次の調査は「高級車」がテーマ。オーナーたちは、どういう基準や価値観でクルマを選んだのか。さっそく調査へ向かった。

メルセデス・ベンツ

定性調査を重ねるうち、高級車は3つのタイプに分けられることに気づいた。まずは「ブランド」型だ。有力ブランドは高品質と信じるに値する。ブランド信仰というと、ネガティブなイメージもあるが、本物のブランドというのはユーザーを裏切らない。

例えば、メルセデス・ベンツなどだ。クルマに詳しくなくても、一見して高級車と分かる記号性がある。

BMW

次が「パフォーマンス」型だ。そのクルマの加速性能は? ハンドリング性能は? クルマに高い次元の性能を求める。もちろん、身だしなみとしてパフォーマンスにふさわしいスタイリングも、重視する。

BMWなどが該当する。調べてみると、たしかに走りのキレ味が良いクルマが揃っている。

メルセデス・ベンツ Gクラス

そして「ライフスタイル」型。クルマそのものがオーナーのライフスタイルを表現、もしくはライフスタイルの一部であることが求められる。オーナーは人生を俯瞰しながらクルマを選ぶ。

これは、例えばSUVなど。代表的なのはメルセデス・ベンツ Gクラスだろうか。西海岸のビーチパーキングに颯爽と現れる姿を、克明にイメージできる。

ポルシェ カイエン

調査結果を報告書にまとめようとするが、はかどらない。調査したクルマをネットで調べていると、ついつい脱線してスペックなどをじっくり見てしまうからだ。

今までクルマにさほど興味はなかった。しかし、この仕事を通じてクルマ選びの面白さに支配されてしまったようだ。

ミイラ取りがミイラに? 望むところだ。

ここからは個人的な調査を遂行するとしよう。さて私が求めるのは、どのタイプのクルマだろうか?

ポルシェ カイエン

求めるのは、すべてのタイプに当てはまるクルマ。ブランド力があって、パフォーマンスに優れ、しかもライフスタイルを彩る。

持ち前の調査力を生かせば、具体的なモデルを挙げるのにたいした時間はかからなかった。

答えは、ずばり「ポルシェ カイエン」だった。

ポルシェ カイエン

実は、高級車の調査では、年代別の傾向でもカテゴライズできた。40代や50代のオーナーは、3つのタイプのいずれかに根ざし、比較的ちゅうちょなく消費行動につなげる。ストレートな感性をもっている。

対して、20代や30代は「とはいえ……」という言葉を使う傾向にある。ブランドも嫌いじゃないし、パフォーマンスも歓迎する。ライフスタイルは40代や50代以上に重んじる。しかし、合理的な理由もないまま、高額商品を手に取ることはまれだ。

そう、私は2017年現在、33歳。この世代に当たる。

ファイナルアンサーはポルシェだ。とはいえ……。

ポルシェ カイエン

報告書をまとめ、送信。帰宅途中にカフェに寄った。カイエンの価格をネットで調べながら、妻であり、人生の良きアドバイザーでもある善子に、初のマイカーに選んだポルシェの話をした。

すると彼女は、ユニークなポルシェオーナーの情報を持ち出した。

なんでも、そのオーナーは個人間でクルマをカーシェアリングできるサービスを活用。憧れの高級車を手に入れただけで満足せず、そのサービスを利用して実利も追求しているというのだ。

おもしろい。すぐさま、カイエンを成約。カーシェアリングサービスにも加入した。オンでもオフでも、「とはいえ……」につまずかないスピード感は大切だ。

かくして、憧れの高級車を購入。ミッションコンプリートだ。

結論はポルシェ。高級車リサーチから見いだした最良の選択肢

ポルシェはライフスタイルに合わせて選べる


ポルシェはブランド力とパフォーマンスだけでなく、実は信頼性も高い。そしてクーペ、オープン、SUVなどバリエーションが充実しているから、ライフスタイルに合わせて選べる。もはや死角が見当たらない。満足度の高さを、オーナーになって実感しているところだ。

文/ブンタ 写真/杉田裕一[BGHE] スタイリング/与那嶺龍士 ヘアメイク/KABUKIRYOUTA、モデル/西川淳、西川善子 撮影場所/CAR BOX横浜

CREDIT

MAN:すべてスタイリスト私物
WOMAN:ジャケット15万5000円、パンツ8万5000円/パオロ トナリ(ステラ TEL03-5408-5171)カットソー6300円/マシュカシュ(GSIクレオス TEL06-4977-6097) ※他、スタイリスト私物