積載性に高い関心が向けられる今、「荷室要領」の優れた車がトレンドに
2018/04/21
単なる広い空間ではなく使いこなせる工夫をプラス
記事のタイトルを読んで、おやっと思った読者も多いことだろう。でも心配ご無用。「荷室要領」は変換ミスではない。
荷室に積める量を示す「荷室容量」と読みが同じで紛らわしいが、この造語が意味しているのはあくまで要領、つまり荷室を上手に使いこなせるような工夫のことだ。
下のグラフをご覧いただきたい。
3年連続でアンケート対象者の半数以上が、荷物のたくさん載せられる車に興味・関心を持っていることがわかる。
グラフ②が示すとおり、この結果をけん引しているのは40代以下の世代だ。さらに同データを子供の有無別に集計してみると、小学生以下の子供と同居している子育て世代はもちろん、子供のいない単身者やプレファミリーでも半数近くが高い興味・関心を示していた。
以上を踏まえると、荷室の積載性は、燃費や安全性と並んで、車選びを左右する重要な性能(ポイント)と考えていいだろう。
たくさんの荷物を積むには、室内空間は広い方がよい。したがってボディサイズは大きければ大きいほど有利だ。
例えば後席に簡易シートを備えた5人乗りのトヨタ ハイエース スーパーロング(ワイドボディ、ハイルーフ仕様)の場合、2人乗車時の荷室寸法は内寸長3540mm×幅1730mm×高1635mm。床面積はおよそ2畳。押し入れ2つ分の広さに匹敵する。
普通免許証で運転できる車で荷室容量を追求するなら、これに勝る選択肢はそれほど多くない。
一方で、軽自動車やコンパクトカーのように、いたずらにボディサイズを大きくせず、荷室要領を追求したパッケージングによって積載性を高めたモデルもある。例えば現行型の新車販売も絶好調なホンダ N-BOXはその代表モデルだ。
N-BOXは軽規格の極限まで室内空間を広げたスーパーハイトワゴンだが、後席をスライドしたり、跳ね上げたり、折りたたむことで、様々なサイズや数の荷物に要領よく対応する機能を加えたのがポイント。
人気の理由は他にもあるが、初代から一貫して高い積載性を実現してきたN-BOXは、荷室要領の価値とそのポテンシャルを世に広く証明したモデルだとも言えるだろう。
コンパクトカーでも、多彩なシートアレンジによる優れた積載性が売りのスズキ ソリオや、そんなソリオを追撃する形で登場したトヨタ ルーミー/タンク、ダイハツ トールの3兄弟が売れている。
この荷室要領を重視する流れは、人気カテゴリーのSUVに波及することも十分考えられる。さらにその先、ステーションワゴンとは別の選択肢として、積載性を高めたスポーツカー(シューティングブレーク)が次々登場するなんてことになったら、車選びがもっと楽しくなることは間違いない。
予算100万円で狙える「荷室要領」に優れたモデル3選
1:ホンダ N-BOX+(初代)
2:ホンダ モビリオスパイク(初代)
3:ルノー カングー(初代)
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