社会的に高齢化が進み福祉へのニーズが高まる中、各メーカーも様々な福祉車両を開発するなど、“車のバリアフリー化”が進んでいる。そんな中、ホンダは全国のディーラー「Honda Cars」で展開している福祉車両販売網「オレンジディーラー制度」をより強化していくと発表した。

「オレンジディーラー制度」は2002年4月より「Honda Cars」で展開している認定制度だ。バリアフリーの店づくりに取り組んでおり福祉車両の試乗車または展示車を常設しているベスト店と、3拠点に1台以上の割合で展示・試乗車を用意しているグッド店があったが、新たに福祉の核となるマスター店を新設した。マスター店は、福祉車両の試乗車を各タイプ揃え、介助専門士およびサービス介助士2級の資格を取得したスタッフが2名以上いることが条件となる。

一目でオレンジディーラー認定店だとわかるようロゴマークのデザインも変更。これまで以上にユーザーの満足度向上を目指すという。

ホンダはディーラーだけでなく福祉車両の開発にも力を入れている。2012年7月に発売し、累計受注台数が8月29日時点で約9500台となったホンダ「N BOX+」の車いす仕様車を8月30日リリース。8月末時点で、ホンダへの事前受注は約800台もあったという。

「N BOX + 車いす仕様車」は、ダイブダウン機構によりリアシートを床に沈み込むように収納できるため、車いすの方の足元や顔まわりに開放感のある空間を実現。車いすの乗り降りを補助する電動ウインチや、車いすのハンドルグリップを持ちながらでも操作しやすいリモコンが装備されており、車いすでの乗り降りがしやすくなった。

また、「N BOX + カスタム」にも車いす仕様車が登場。4WDを全タイプに設定し、幅広いバリエーションから選ぶことができる。気になる価格は、FFの「N BOX +車いす仕様車」Gリアシート無しタイプの143万円(税抜き)から、4WDの「N BOX +カスタム 車いす仕様車」Gの185万5000円(税抜き)まで。さらに「N BOX +」標準タイプを車いす仕様車に変更できる装備キットも年内の発売が予定されている。

ホンダ オレンジディーラー認定ロゴ

オレンジディーラーの新しいロゴマーク。マスター店では専門のスタッフが親切に購入アドバイスをしてくれる

ホンダ N BOX + 車いす仕様車

ホンダ「N BOX + 車いす仕様車」。「N BOX +」は開発時から車いす仕様を前提としていた

ホンダ N BOX + 車いす仕様車の車内

車内はゆったりしていて車いすの方にもストレスを感じさせない