▲クラシックな1BOXでアウトドアを楽しむオシャレキャンパーはキャンプ場で目立ちます。Boseさんオススメのスタイル! ▲クラシックな1BOXでアウトドアを楽しむオシャレキャンパーはキャンプ場で目立ちます。Boseさんオススメのスタイル!

大切なのは流行のキャンプグッズとの統一感

日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseが中古車情報誌『カーセンサー』にてお届けする人気連載「Bosensor」。カーセンサー本誌で収録しきれなかったDEEPでUNDERGROUNDな話をお届けっ!!

今回はフレックスオートレビューにお邪魔した記事(関連リンク参照)の後編です。

編集部ゆきだるま(以下、ゆきだるま):今回、本誌では日産のキャラバンコーチをピックアップしました。Boseさんには1BOXカーのイメージってあまりないんですよね。なんでこれを選んだのですか?

Bose:実は最近、ポップアップルーフが付いたキャンピング仕様の車を買ったんだ。もともとアウトドアが好きだったし、キャンプ場についてポップアップルーフを広げれば設営完了! という手軽さがいいなと思ってね。

ゆきだるま:素敵! 屋根の上のテントって秘密基地みたいだからお子さんも喜びそうですね。それに雨の日でも濡れながらテントを張らなくていいので楽ですよね。

Bose:実際にその車でキャンプに行っているんだけど、たまに「負けた・・・・・・」と感じることがあるんだよね。それは古いハイエースをいい感じにいじっている人たち。彼らはキャンプ道具もビンテージなものを使っているからキャンプサイトに統一感があってバッチリハマっているんだ。

▲写真は1970年代に人気のあったテントをベースに開発されたコールマンのクラシックテント。こういうギアにネオクラシックな車が似合うんです ▲写真は1970年代に人気のあったテントをベースに開発されたコールマンのクラシックテント。こういうギアにネオクラシックな車が似合うんです


横田部長:そういうふうにワンボックスを楽しんでいる人、うちのお客様にもいらっしゃいますよ。その方は海沿いでお店をやっていて、ビンテージのワンボックスに乗って波乗りを楽しんでいます。オーガニックな雰囲気ですごくカッコいい方ですね。

Bose:わかるなあ。やっぱり統一感ってすごく大事だよね。キャンプシーンは本当のビンテージギアがブームになっているのはもちろん、各ブランドがコットンテントやランタン、クーラーボックスなんかを復刻版として出していたりするの。そういうものを選んでも車が今どきのカタチだとチグハグになっちゃうんだ。

ゆきだるま:車の場合、過去のモデルに影響を受けたモデルはあっても完全な復刻版が登場することはありませんからね。

Bose:後は色。流行りがあるから同じ種類の色でも今と昔じゃ全然違うじゃん。今じゃ車の色として採用されないものもあるし。このキャラバンコーチ、そして前回取り上げたマスターエースサーフの色は今の新車でまず見ることがないもんね。

▲インパネも今の車にない雰囲気。フラットなダッシュボードは小物を置くのにも便利です ▲インパネも今の車にない雰囲気。フラットなダッシュボードは小物を置くのにも便利です


横田部長:今の車じゃ満足できないからネオクラシックと考えたとき、ワンボックスはデビューの車としておもしろいと思いますよ。スポーツカーのようにチューニングしているものが少ないから気軽に乗れるんです。状態もいいものが多いのが特徴ですね。

Bose:だってこのキャラバンコーチ、30年以上前の車なのにワンオーナー車でフルノーマルだよ。30歳くらいで買った人が60歳を過ぎるまで乗り続けた。新車当時にコアなマニアがいたわけではないから、たぶん強いこだわりがあるというよりも天然で長く乗り続けたパターンだよね。

横田部長:そうでしょうね。

Bose:街でもたまにごくごく普通のおじいさんが、驚くような車に乗っていたりするでしょう。今の僕らが見るととんでもないお宝なんだけれど、本人にとっては昔から乗っている身体に馴染んだ車っていう感じで。

横田部長:このキャラバンなんか、まさにそういう感じでしょうね。

Bose:これなんか日本でまだミニバンという言葉が使われていない頃の車だよね。つまり今ミニバンを選ぶ人たちが当時乗っていたのがこれ。上級グレードだと装備がかなりいいんだよね。僕は2列目の回転シートが気に入った! 回転シートってミニバンが出始めた初期にはあったけれど今じゃあんまり見なくなったもんね。

横田部長:他にもパワステ、クーラー、サンルーフと快適な装備が付いています。

Bose:サンルーフは電動なんだ! 無理するなー(笑)。1列目が3人掛けっていうのも子供が喜びそうだね。これ、絶対にキャンプ場に似合うよ。車を買ったばかりじゃなければ僕が欲しいくらい。雑誌『GO OUT』とかが社用車として買えばいいんじゃないかな(笑)。

▲2列目シートがくるっと回転するのが便利!「アウトドアでこれをやるとメチャメチャアガるんだよね」(Boseさん) ▲2列目シートがくるっと回転するのが便利!「アウトドアでこれをやるとメチャメチャアガるんだよね」(Boseさん)

若い世代はネオクラなセダンに注目!

ゆきだるま:Bosensorの取材でいろいろなお店を回っていると、今は私と同じ20代の人が80年代や90年代の車に注目しているという話をよく聞くんです。こちらのお店でも若いお客さんは多いですか?

横田部長:多いですね。ただうちはいろいろな旧車を扱っているので、モデルごとに世代が分かれている感じです。

Bose:それはあるだろうね。例えばフレックスオートレビューが得意としているフェアレディZだと僕より上、50代の人が多いイメージかな。

横田部長:そのとおりです。あとハコスカなども同じくらいの年代の方が多いです。トヨタ スポーツ800やホンダ S800とかになるともっと上の世代の人たちになります。

▲フェアレディZにも興味津々なBoseさん。アクセルを吹かさせてもらうと「Z、最高! こっちにハマる人の気持ちがわかるよ」 ▲フェアレディZにも興味津々なBoseさん。アクセルを吹かさせてもらうと「Z、最高! こっちにハマる人の気持ちがわかるよ」


Bose:相場を考えると歯医者さんとかかな。いろいろなお店で「あの車はお医者さんが買っていきました」という話を聞くもの。逆に若い子たちはどんな車に乗っているんですか?

横田部長:例えば日産 サニートラックなんかは年代関係なく人気があります。あと最近の傾向で若い子たちは古いセダンに注目していますね。今どきの車にない四角い感じが新鮮だって話しています。今年の6月に『アメトーーク!』で「旧車芸人」が放送されたでしょう。千原ジュニアさんが330型セドリック、ケンドーコバヤシさんがクジラクラウン(70系)を紹介していました。うちでも車両協力をしたのですが、番組放送翌日からセダン系の問い合わせが殺到しました。

▲お店にあったクジラクラウン2ドアハードトップ。運転席に座ると「ステアリングの細さや大きな時計がいいね」 ▲お店にあったクジラクラウン2ドアハードトップ。運転席に座ると「ステアリングの細さや大きな時計がいいね」


Bose:もともと感度の高い人が注目していたところをメディアが取り上げて一気にトレンド化する。そういう流れもありそうだね。それに何がいいって、セダン系の旧車はまだ手が届きそうな価格だってこと。こちらのお店を見るとクジラクラウンが209.6万円(注:取材時のものでその後売約済みになりました)でしょう。新車のプリウスより全然安い!

ゆきだるま:今後人気がますます高まれば相場が上がっちゃうかもしれないですね。

Bose:本当だよね。キャラバンコーチもまだ2桁万円だけれどキャンパーたちの注目が高まれば100万円を超えるような相場になるかもしれない。

横田部長:そうですね。定番のサニートラックも数年前までは2桁万円で買えましたが、現在は100万円を超えるものが多くなっています。

Bose:今ならまだおもしろい車が手の届く範囲にある。楽しむなら早い者勝ちだね!

▲ネオクラシックなセダンは今後の注目車。まだ相場が上がりきっていない今のうちに狙うのが正解! ▲ネオクラシックなセダンは今後の注目車。まだ相場が上がりきっていない今のうちに狙うのが正解!
text/高橋 満(BRIDGEMAN)
photo/篠原晃一