スズキ ワゴンRスマイル▲2021年9 月に発売となった新型ワゴンRスマイル。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗の様子をお届けする

今までにない新しいワゴンR

新たな発想によって一世を風靡したスズキ ワゴンRのラインナップに、かわいらしいモデルが加わった。その名も“ワゴンRスマイル”である。

これまでワゴンRシリーズには、かわいらしいモデルはなかった。どちらかというと流行を取り入れた実用的なデザインと精悍な雰囲気が印象的なモデルだった。

そんなワゴンRに、今までなかったエッセンスが加えられたのが新型のスマイルだが、キッチュな感じを盛り込んだデザインではない。

スズキ ワゴンRスマイル ▲丸形のヘッドライトは愛嬌たっぷり!

全高は1695mmと、ワゴンRに比べて45mm高い。だが、イギリスパンのようなスーパートールワゴンにはせずに、あくまでワゴンRの流れを継承した山型の食パンの高さでとどめているところに、このパッケージングの狙いはある。

乗降性の良さをアピールしながら、キャビン内での乗用車感を残しつつ、タイトな印象にしない。そういったスズキが考える、黄金比を使ったディメンションのレシピである。

そして、ワゴンRスマイルが目玉とうたっているがスライドドアの追加だ。多くの競合モデルでも導入されているのであえて触れないが、高さも組み合わされることでもたらされる圧倒的な利便性は言うまでもない。

スズキ ワゴンRスマイル ▲ワゴンRとしては初めてスライドドアが採用された

愛嬌ある丸目とスクエアな形状の組み合わせ

デザインは、往年の2代目 スズライトキャリイのかわいらしさが見え隠れするスズキらしいものだ。

愛嬌のある顔つきと、ボディを全体的にラウンドさせることによって、小さなトールワゴンであっても骨格が強そうに見え、“豆タンク”的で愛嬌がある。

インテリアでは、アルトラパンの天井に採用したキルティング状にモチーフを使って、ソフトな一面が漂い細かい部分にも気を使った。

スズキ ワゴンRスマイル ▲キルティング状の加工が施されている天井部

リア開口部は、広さよりも性能に徹した骨格の強さを感じられる形状だ。これは、キャビン内の剛性感を向上させて快適性高めているものだと思われる。

660㏄の3気筒ユニットから49馬力を発揮して5.9kg・mのトルクと、スズキの真骨頂であるモーターによるマイルドハイブリッドで4.1kg・mのトルクを発揮して立ち上がりのアシストを行う。

スズキ ワゴンRスマイル ▲収納スペースの作り方は、軽自動車の製造に長けているスズキならでは

扱いやすいトールワゴン

試乗会場は富士の裾野周辺だ。

エンジンを始動すると、思ったよりも静粛性は高い。また、フラットな状況からの走り出しに不足はない。

撮影ポイントまでは結構急な坂とカーブが連続する。お世辞に不足ないとは言えない。しかし、3気筒は以前よりもノイズを低減した感じで、全負荷でも嫌なバイブレーションはない。

このような道のりで、ノイズをどうのこうのいうのは愚の骨頂である。全開で走らせているにもかかわらず、音振は相当抑えられている。

当日は雨が降っていて後部席タイヤハウス周辺からの雨が巻き込む音が少々気になったが、全般的に静粛性とボディ剛性は申し分ない。

フラットな路面では乗り心地がソフトで、ワゴンRスマイルというキャラクターに合っているに違いない。

スズキ ワゴンRスマイル ▲上り坂の加速時でも静粛性は損なわれない

カーブでのステアリング操作はゆったりとした動きをさせるセッティングで、トールワゴンを知り尽くしたスタビリティ重視のセッティングは好感が持てる。

丸みをもった飽きのこないノスタルジーを感じさせたスマイルのデザインは、乗る人の人柄まで想像させる癒しのトールワゴンである。

スズキ ワゴンRスマイル ▲温かみのあるニューモデルの誕生
文/松本英雄、写真/尾形和美

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スズキ ワゴンRスマイル(現行型) × 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●スズキ ワゴンRスマイル 660ハイブリッドX

型式 5AA-MX91S 最小回転半径 4.4m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.4m×1.48m×1.7m
ドア数 5 ホイールベース 2.46m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.3m/1.3m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.19m×1.35m×1.33m
4WS - 車両重量 870kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.15m
マニュアルモード -
標準色

オフブルーメタリック、インディゴブルーメタリック2、ブルーイッシュブラックパール3

オプション色

フェニックスレッドPブラック2トーンルーフ、インディゴブルーM2 ホワイト2トーンルーフ、アーバンブラウンP Wブラウン2トーンルーフ、コーラルオレンジM Aブラウン2トーンルーフ、オフブルーM ホワイト2トーンルーフ、シフォンアイボリーMホワイト2トーンルーフ、ピュアホワイトP ブラック2トーンルーフ、ブルーイッシュブラックP3 ホワイト2トーン、ピュアホワイトパール

掲載コメント

※2030(R12)年度燃費基準85%達成車

型式 5AA-MX91S
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オフブルーメタリック、インディゴブルーメタリック2、ブルーイッシュブラックパール3
オプション色 フェニックスレッドPブラック2トーンルーフ、インディゴブルーM2 ホワイト2トーンルーフ、アーバンブラウンP Wブラウン2トーンルーフ、コーラルオレンジM Aブラウン2トーンルーフ、オフブルーM ホワイト2トーンルーフ、シフォンアイボリーMホワイト2トーンルーフ、ピュアホワイトP ブラック2トーンルーフ、ブルーイッシュブラックP3 ホワイト2トーン、ピュアホワイトパール
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.4m
全長×全幅×
全高
3.4m×1.48m×1.7m
ホイール
ベース
2.46m
前トレッド/
後トレッド
1.3m/1.3m
室内(全長×全幅×全高) 2.19m×1.35m×1.33m
車両重量 870kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.15m
掲載用コメント ※2030(R12)年度燃費基準85%達成車
エンジン型式 R06D 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 27リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 29.2km/L
総排気量 657cc 燃費(WLTCモード) 25.1km/L
└市街地:22.6km/L
└郊外:26.2km/L
└高速:25.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 49ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
58(5.9)/5000
エンジン型式 R06D
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 657cc
最高出力 49ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
58(5.9)/5000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 27リットル
燃費(JC08モード) 29.2km/L
燃費(WLTCモード) 25.1km/L
└市街地:22.6km/L
└郊外: 26.2km/L
└高速: 25.7km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。