スズキ ハスラー|ニューモデル試乗

ボディカラーは全11種類。2トーンルーフは、ホワイトとブラックから選べる(Aグレードを除く)。様々なパターンが楽しめる設定だ

軽自動車の域を超えた乗り心地と走行性能

専用セッティングの足回りでリフトアップの不安を解消

2013年東京モーターショーに出展され、話題を呼んだトールワゴンタイプのSUV。エンジンはノンターボとターボの2タイプ。どちらもFFとフルタイム4WDを用意する。トランスミッションは、ノンターボにMTとCVTが設定されているが、ターボモデルはCVTのみとなっている。試乗したのはノンターボのFF/CVT、ターボのフルタイム4WD/CVTの2タイプ。

車内に乗り込んで感じるのは、見切りがすこぶる良いこと。フロントガラスを挟むAピラーを立てると視界が良くなるという好例と言える。ノンターボモデル(FF)のパワーユニットはワゴンRと同じもの。3気筒エンジンは燃費に重点を置いた仕様であるが、優秀なCVTの性能の恩恵でトルク不足を十分に補っていおり軽やかだ。

ワゴンRより全高/地上高が高くなっているが、コーナリングでも不安は全く感じられない。専用にセットアップしたスプリングとショックアブソーバーが、微振動から大きなうねりまで寛容に受け止めている。タイヤは軽自動車としては大きい15インチサイズだが、これによる乗り心地への恩恵は大きい。特に走り出しが落ち着いた雰囲気になり、この車にマッチしている。フロントスタビライザーの効果により、安心感の高いハンドリングを実現している。一般道や80km/h以下の状況では全く不満は無い。

ターボモデル(4WD)は軽自動車の域を超えたクラスレス感

ターボモデル(4WD)には、軽自動車の域を超えたドライバビリティが備わっている。このクラスレス感はノンターボ以上だ。ターボエンジンとCVTの組み合わによりトルクの谷が減り、軽快で快適な走りを生んでいる。FFに比べリアが50kgほど重くなるリジットアクスルを搭載するため、リアにしっかりした接地感としなやかさが感じられる。

遊び心がいっぱい詰まったモデルであるが、走行性能や乗り心地はクラスを超えた本格派だ。


エンジンはNAとターボの2種類。Aを除くCVT車は減速時に13km/h以下でエンジンを停止するアイドリングストップシステムを標準化

エンジンはNAとターボの2種類。Aを除くCVT車は減速時に13km/h以下でエンジンを停止するアイドリングストップシステムを標準化

ホワイト2トーンルーフのパッションオレンジ色のみインパネのカラーパネルもボディ同色となる。その他のボディーカラーの場合はホワイトとなる

ホワイト2トーンルーフのパッションオレンジ色のみインパネのカラーパネルもボディ同色となる。その他のボディーカラーの場合はホワイトとなる

ラゲージフロアは汚れを拭き取りやすい素材を採用する。外遊びを十分楽しんだ後でも気にせず乗り込むことができる

ラゲージフロアは汚れを拭き取りやすい素材を採用する。外遊びを十分楽しんだ後でも気にせず乗り込むことができる

SPECIFICATIONS

グレード A G Gターボ Xターボ
駆動方式 FF 4WD FF 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1665
ホイールベース(mm) 2425
車両重量(kg) 750 840 810 870
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直3DOHC 直3DOHC+ターボ
総排気量(cc) 658
最高出力[kW(ps)rpm] 38(52)/6000 47(64)/6000
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 63(6.4)/4000 95(9.7)/3000
JC08モード燃費(km/L) 26.0 28.0 26.8 25.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/27
車両本体価格(万円) 116.655 133.455 129.57 157.605
Tester/松本英雄 Photo/尾形和美