室内ゆったり、走りもスムーズ。これがニッポンのニッチカー

  • スズキ エブリイランディ 走り|ニューモデル試乗
  • スズキ エブリイランディ リアスタイル|ニューモデル試乗
コンセプト

ランディに名称変更し、クラスのシェア拡大を図る

いわゆる軽自動車をベースにボディを拡大したキャブオーバーワゴンというカテゴリーの車は昔ほど元気がない。理由としてはファンカーゴやデミオのようにボディスタイルやジャンルというものに縛られない車が幅を利かせて(?)おり1BOXスタイルはやや時代遅れの感もあるからだ。

とはいえ多人数乗車が可能なこのニッチマーケットのニーズもあいかわらず根強いものがあり、このクラスではダイハツアトレー7とこのエブリイが2強としてシェアを争っている。

そこでいかにも軽を拡大しました、というエブリイプラスでは販売を担当するアリーナ店としてもイメージ的に弱すぎる。てなことで大幅なマイナーチェンジを行いその名もエブリイランディとして市場デビューとなるわけである。
室内&荷室空間

無駄なシートアレンジがなく座り心地のよい後席に好感

まずはクラス初となるインパネシフトに注目だ。この手の車はどうも運転している感じが希薄なのも事実。バックに入れるときもそうだがもっとシフトレバーの節度感というものが欲しかった。その点このインパネシフトはステアリングから左手をスッと下ろした絶妙な位置にレバーがある。4速のオーバードライブのカットスイッチも使いやすく「お金がかかった」いい装置である。

2&3列目のシートにも注目したい。ライバルのアトレー7はかなり多彩なアレンジが可能だがランディは割とフツーのアレンジしかできない。しかし余計?なアレンジよりそれぞれが座り心地のよいしっかりとしたシートの作りになっているほうがユーザーは喜ぶはず、実用重視の設計といえる。
  • スズキ エブリイランディ インパネ|ニューモデル試乗
  • スズキ エブリイランディ リアシート|ニューモデル試乗
ドライブフィール

法定速度内なら十分な実力。気になるボディからの微振動

スイフト以降スズキのエンジンは振動やノイズがよく抑えられており「がさつ」な感じがなくなった。ランディも同様で搭載される1.3Lエンジンは1tを超えるボディをスムーズに走らせる。フル乗車ではさすがにキツイだろうが高速道路も法定速度内なら十分こなせる力はあるし、ATの変速ショックも少なく通常使用にはなんの問題もない。ただ別の試乗車のフロア下から微振動が出ていたのが少々気になった。車種ごとの個体差であると考えたい。

ランディには+40kg車輌重量があるフルタイム4WD車の設定があるが通常の使用では前輪へのトルクスプリットはあまり行われないそうだ。降雪地方に住んでいなければ車重も軽くフットワークの良い2WD車がベストだろう。
こんな人にオススメ
平日は奥様が運転して友達や子供たちを乗せて走る足として大活躍、休日は家族4人プラス祖父母と全員でファミレスにお食事に出かける。1週間フルタイムに車を使いたい。維持費も安くしたい人にオススメの1台。グレードは上級グレードのXCが絶対に買い。
SPECIFICATIONS
グレード 1.3 XC
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3710 x 1505 x 1915
ホイールベース(mm) 2350
車両重量(kg) 1040
乗車定員 7人
エンジン種類 直4SOHC
総排気量(cc) 1298
最高出力 63kW(86ps)/6000rpm
最大トルク 115N・m(11.7kg-m)/3000rpm
車両本体価格 147.8万円
写真:渡邉英昭 文:高山正寛