「熟成」という言葉がふさわしい、洗練されたハンドリング

(Tester/島崎七生人 Photo/篠原晃一)

コンセプト
注目は2000台限定のアウトバック2.5Lターボ車「XT」!

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集大成なのだという。現行型レガシィが、おそらく最後の改良を受け「F型」に進化した。主な改良点は、リアサブフレームのボディ側マウントのブッシュ硬度の変更など、例により地道な内容が多数。またツーリングワゴンとB4の2L DOHC(NA)が廃止され、2.5L NA搭載車「2.5i」が新設定されるなどした。シンプルなステレオカメラと3D画像処理エンジンでプリクラッシュセーフティを実現する先進運転支援システム「EyeSight」の搭載も見逃せない。

さらに2000台限定でアウトバックに設定された「2.5XT」にも注目。北米市場向けには従来もあった仕様だったが、国内では初登場。搭載するEJ25型2.5L水平対向4気筒DOHCターボは265ps/35.7kg-mの性能を有する。

室内&荷室空間
長距離を走るユーザーに便利な装備が充実

スバル レガシィ EyeSight|ニューモデル試乗スバル レガシィ SI DRIVE|ニューモデル試乗
洗練されたスポーティモダンなインテリア…カタログにもそう表記のある室内は、瀟洒でセンスが良く、安心感がある。ただし新採用の黒木目調(オフブラック内装)の加飾パネルは見慣れぬせいか、この車に似合うかどうか判断しかねる。

とはいえ、オプションの本革シート(オフブラックとアイボリーの2色を設定)のサラリとした風合いはいい。さらに装備が充実するのも評価したい。前席は左右とも8ウェイパワーシート(運転席はメモリー機能付き)、キーレスアクセス&プッシュスタート機能、クルーズコントロール(EyeSightは全車速追従機能付き)などが標準。いずれも、長距離を快適にこなしたいアウトバックには願ってもないアイテムだ。

ドライブフィール
乗り心地の良さを残しながら足回りのしっかり感が向上

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アウトバック2.5XTでは、標準車に対し車高が25mm落とされている。さらにダンパーの減衰力、バネ定数を専用にチューンしたサスペンションも採用。タイヤはヨコハマコンチネンタル社製のサマータイヤだ。以上の差により乗り味は、標準車より引き締まったものに。乗り心地の良さは保たれたまま、ロール、ボディの揺れが抑えられているのが実感できる。

“大人のターボ”が狙いというエンジンは余裕が魅力。走りは、おおらかで頼もしい印象だった。排気量のゆとりから低速域でもスムーズだし、アクセルを踏み込むとフォーン!! と耳に心地いいサウンドが立つ。SI-DRIVEを切り替えれば、気分や場面に合わせ、ゆったり走ることも俊敏さを堪能することも可能だ。

こんな人にオススメ

日本市場で当初はランカスターとも呼ばれたアウトバック。ベースのレガシィ ツーリングワゴンはスポーティ方向の走りを打ち出したが、コチラはもともとジェントルで余裕の走りが魅力だった。そんな“キャラ”に2.5XTの走りはまさにドンピシャ。エンジニアによれば「排気量は2.5Lだが余裕があるため、実質的な燃費は2L並み」とのことだ。
主要諸元のグレード アウトバック2.5XT EyeSight
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4730×1770×1520
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1530
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4DOHCターボ
総排気量(cc) 2457
最高出力[kW(ps)rpm] 195kW(265ps)/5600rpm
最大トルク[N・m/rpm] 350N・m(35.7kg-m)/2400rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/64
車両本体価格 368.025