同クラスの欧州車と肩を並べる走行性能

  • スバル インプレッサスポーツ/G4 走り|ニューモデル試乗
  • スバル インプレッサスポーツ/G4 マルチファンクションディスプレイ|ニューモデル試乗
1994年の初代発売から今回で4代目となる新型インプレッサ。ボディタイプは従来通り5ドアハッチバックとセダンの2種類。ただし車名は5ドアハッチバックが“SPORT”、2008年に追加された4ドアセダン(アネシス)が“G4”に変更された。

エンジンはスバル独自の水平対向4気筒。2Lはフォレスターなどに搭載済みの新世代型、また旧型の1.5Lからスケールアップした1.6Lエンジンは完全新設計となる。トランスミッションは高効率のリニアトロニック(CVT)で、1.6Lの一部グレードには5MTも設定される。

上位グレードの2.0i-Sの4WD車に試乗した。走り始めて最初に感じるのは素直な操舵感。さらにスペック的に突出したものはないのにどの速度域からも過不足ない加速感が得られる点にも気づかされる。エンジンの吹け上がり感の良さもあるが、エクシーガやレガシィでもその実力が実証されているリニアトロニックによるところが大きい。
  • スバル インプレッサスポーツ/G4 EyeSight|ニューモデル試乗
  • スバル インプレッサスポーツ/G4 リアシート|ニューモデル試乗
発進時の駆動力を高める設定により、まるで数百ccプラスされたような滑らかかつゆとりある走りを楽しむことができる。高速走行時の乗り心地の良さはもちろんだが、車線変更時のボディの収まりの良さ、静粛性はこのクラスでは傑出している。欧州の同クラス車と比較してもかなりいい線に近づいている。

1.6Lの最廉価モデルも基本的な出来の良さは他のグレードと変わらないが、パワステが油圧式(他は電動式)のため初期操舵時の重さは一世代前のテイストだ。新採用のアイドリングストップ機構は違和感なく作動する。燃費に関するさまざまな情報を表示しエコドライブをサポートするマルチファンクションディスプレイも搭載。このクラスでは贅沢な装備とも言えるだろう。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード G4 2.0i-S
駆動方式 4WD
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4580×1740×1465
ホイールベース(mm) 2645
車両重量(kg) 1350
乗車定員 5人
エンジン種類 水平対向4DOHC
総排気量(cc) 1995
最高出力[ps/rpm] 110kW(150ps)/6200rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 196N・m(20.0kg-m)/4200rpm
新車価格帯 155万4000~233万1000円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価18/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
最廉価グレードの1.6i以外は6スピーカーを標準装備。2Lモデルにはクルーズコントロールとパドルシフトが標準装備。さらに2.0i-Sには運転席8ウェイパワーシートとアルミペダルがプラスされる。
SAFETY(安全性)4/ 5
VSA(車両安定デバイス)のほか、全席ヘッドレスト&3点式シートベルトを標準装備。2.0i-SにはEyeSight搭載車も設定。プリクラッシュブレーキや車線逸脱警報など最先端の安全装備を備える。
ECO(環境性能)5/ 5
新エンジン&新トランスミッションなどの採用により全グレードで平成17年排出ガス基準75%低減レベルで4つ星に適合。平成22年度燃費基準は2L車全グレードと1.6L車の一部グレードが+25%達成。
MILEAGE(燃費)3/ 5
試乗車は4WD車で10・15モード燃費が17.0km/L、より実走に近いJC08モードでは15.8km/L。FF車だとそれぞれ18.0km/L、17.2km/Lとなる。全グレードレギュラーガソリン仕様でおサイフにも優しい。
VALUE(バリュー)4/ 5
旧型より向上した燃費・環境・安全性能。ミニバンからのダウンサイジングにも対応する取り回しのしやすいボディサイズなど、このクラスでは傑出した出来。旧型にあったXVの追加にも期待したい。
写真:篠原晃一 文:高山正寛