※この記事はカーセンサー関東版45号(2000年11月30日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

GT-R上回る爆発的な加速感とレースカー並みのコーナリング

  • スバル インプレサSTi 走り|ニューモデル試乗
  • スバル インプレサSTi インパネ|ニューモデル試乗
↑6MT搭載の進化したSTiファン待望の2代目のインプレッサセダンの WRX STiモデル(左)STiのロゴ入り専用バケットシートやアルミ製スポーツペダルなどを標準装備(右)
欲を言うと最強のSTiだけに、一発でわかる外観の違いが欲しかった。例えばリアスポイラーとかね。すでに発表された次期ラリー仕様は、旧型と同様に両端でマウントするタイプ。翼端板がない新型リアスポはイマイチ迫力に欠ける。とはいえ、大径ディスクローターやゴールドに輝くブレンボの大型キャリパーに専用ホイールなど、足元の強化はただ者でないことを示している。正直言うとWRXはタイトコーナーで若干アンダー傾向だった。それがSTiでどう変わるか興味津々。

サス、タイヤ、LSD すべてが走りのために煮詰められたSTiは、パワーとトルクを含めWRXとは次元が違う。タイトでも高速コーナーでも、ともかくオンザレール。意のままにコーナーのインめがけてズバッと切り込める。リアの接地安定性が高いのは新型の特徴で、特にSTiは曲がる性能が高いため、コーナーを抜ける速さは競技車並みだ。

ダッシュ力がハンパない新設された6速MT

  • スバル インプレサSTi タイプRA フロントスタイル|ニューモデル試乗
  • スバル インプレサ スポーツワゴンSTi リアスタイル|ニューモデル試乗
↑写真のタイプRAは軽量化のためにエアコン、オーディオなどが簡略化されている(左)WRX STi、タイプRA、スポーツワゴンSTiというラインナップ。写真はワゴン(右)
エンジンも4000rpmを境に爆発的な加速感を見せる。これは感覚的には完璧にスカイラインGT-Rを上回る。新設された6速MTはクイックな操作性に、各ギア比が接近した加速重視の設定だ。2速ですでに100km/hに達する弾かれたようなダッシュ力はハンパじゃない。 ブレーキは世界のスポーツカーを止めてきたブレンボらしい、のめり込むような制動Gと、変化しない利き味が頼もしい。

40kg軽量な“RA”はクイックなステアリングとよりハードなサスで、現在、峠の最強マシンといえる仕上がり。乗り心地も意外にいい。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード WRX STi
駆動方式 4WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4405×1730×1435
ホイールベース(mm) 2525
車両重量(kg) 1270
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4DOHC ターボ
総排気量(cc) 1994
最高出力[ps/rpm] 206ps/6400rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 38.0kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.4
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/60
車両本体価格 320.0万円

桂伸一の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 5点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 3点
後席居住性 4点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 87/100
(Tester/桂伸一 Photo/奥隅圭之)