レクサス GS 【マイナーチェンジ】
カテゴリー: レクサスの試乗レポート
2007/12/06
■走りのレベルは欧州車と渡り合えるほどに進化
◆コンセプト
プレミアムブランドの本流であるGSを強化
成功しているプレミアムブランドにおいては、欧州における“Eセグメント相当”モデルが大いに売れるものだ。言い換えれば、このEセグメントが売れてこそ、のプレミアムブランドであり、結果的にそれが健全なビジネスにもつながるというわけである。ではこれをレクサスに当てはめてみるとどうだろうか。本来であれば、この“Eセグメント相当”であるGSが売れてナンボ、なはず。ところが、今のところその人気はLSとISに偏っているのが現実だ。そこで既存のユーザーを裏切らない程度にテコ入れが必要、という判断で今回マイナーチェンジが実施されたわけだ。
その中でまず注目したいのは排気量アップと新型ATを搭載した“GS460”の追加である。
◆室内&荷室空間
GSのもつデザインの雰囲気を乱さずに小改良
内外装ともに、小規模ではあるが効果的な変更を行ったと思う。フロントグリル回りやウインカー付きミラー、メタル華飾の施されたシートなど、元のデザインを壊さない程度に派手さを加えた。もともと内外装ともに、シンプルにまとめられた美しいデザインだった。雰囲気を乱さず少しだけ飾りつけることで、存在感を増すことに成功したと言っていい。
GS460にはLSと同じ4.6LのV8ユニットが積まれた。もちろん8ATが組み合わされている。
これでGSのフラッグシップは、V8とハイブリッドの両輪が務めることになった。絶対的なパフォーマンスでほぼ並ぶ2台。これまで以上に悩ましい選択となろう。もちろん全グレード=車そのものもブラッシュアップされた。
◆ドライブフィール
驚きのGS350。その足の完成度はかなり高い
最も驚かされたのがGS350だった。シャーシの動きははっきりとしなやかになり、ステアリングフィールも頼もしく、またエンジンとミッションの動きも上質である。最も中心的なグレードを進化させることは、ブランド物になればなるほどに重要だ。そういう意味ではレクサスは、自らの位置づけに対して真摯に対応していると思う。とにかく、GS350の完成度は素晴らしく、ようやくこのクラスでも世界に伍するモデルが出たと、胸を張って言えそうだ。比べてツメが甘かったのが注目のGS460である。確かにパワーユニットは素晴らしい。フラッグシップとしてのパワフルさも十分に感じさせる。けれども、低速域における乗り心地など、物足りない面もあった。今後に期待したい。
◆こんな人にオススメ
GS350は元Eクラス&5シリーズ4気筒ユーザーに、ステップアップモデルとして受け入れられてもいいと思う。それぐらいにバランスのいいモデルだ。460およびハイブリッドに関しては、レクサスというブランドに対して何らかの思い入れがある人がオススメの対象だろう。レクサスは今“国産以上ドイツプレミアム以下”の段階にある。主要諸元のグレード | GS460 |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 8AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4850×1820×1425 |
ホイールベース(mm) | 2850 |
車両重量(kg) | 1740 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V8DOHC |
総排気量(cc) | 4608 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 255kW(347ps)/6400rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 460N・m(46.9kg-m)/4100rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.3 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/71 |
車両本体価格 | GS460“バージョンL” 761万円 GS350“バージョンI” 579万円 |
レクサス GS 【マイナーチェンジ】/試乗レポート
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