フォード クーガ|ニューモデル試乗

一人で峠に行ったら間違いなく飛ばしてしまうけど、本当は家族思いで、普段は安全運転に徹している真面目なオトーさんにぴったり。きっと家族への思いやりで選ぶ1台でしょう

さらに「深化」した走り重視のコンパクトSUV

「いい機械を作る」ことにかけては超真面目

人にいろいろな性格があるのと同じように、自動車メーカーにも様々なキャラクターや立ち位置がある。いわゆるヨーロッパ・フォードは、やや地味な存在ながらも「いい機械を作る」ことにかけては超真面目で、特に走りに関係する部分は手間暇惜しまず作り込む傾向が強い。

そんなフォードにもグローバル化の波が押し寄せ、現在は「One Ford」という名のもとにヨーロッパ生まれやアメリカ生まれという区別は消え去っているそうだが、その名残は今もしっかりと見いだすことができる。

例えばクーガはヨーロッパ・フォードの血筋を脈々と受け継ぐコンパクトSUV。2010年に導入された初代は200psを発生する2.5L 5気筒ターボを積んでいて、フォーカスでいえばスポーティモデルの“ST”に相当するくらい元気な走りで人気を博してきた。

DNAを引き継ぎつつ格段に洗練

2代目クーガはそのスタイリングに表れているとおり、初代のDNAをしっかりと引き継ぎつつも、格段に洗練の度合いを深めた。

現行型では「元気な走りの代償」として乗り心地に荒削りな部分がわずかに残っていたけれど、新型はそれもすっかり影を潜めてマイルドになり、実に快適。ロードノイズも格段に小さくなっていた。

エンジンは大幅にダウンサイジングされて1.6L 4気筒ターボのエコブーストを搭載するが、その2L版がエクスプローラーを楽々と走らせることからも想像できるとおり、走りは実に軽快。6速ATとのマッチングも良好だった。

今年後半と予想される日本導入がいまから待ち遠しい1台である。

危険を感知すると自動ブレーキを作動させるアクティブシティストップやレーンキープアシストなどの安全装備も充実

危険を感知すると自動ブレーキを作動させるアクティブシティストップやレーンキープアシストなどの安全装備も充実

タイタニアムにはレザーシート、トレンドにはファブリックシートを標準化。SONY製9スピーカーサウンドシステムも備わる

タイタニアムにはレザーシート、トレンドにはファブリックシートを標準化。SONY製9スピーカーサウンドシステムも備わる

直噴、ターボ、可変バルブタイミング機構を用いたダウンサイジングエンジンのエコブーストを搭載

直噴、ターボ、可変バルブタイミング機構を用いたダウンサイジングエンジンのエコブーストを搭載

SPECIFICATIONS

グレード Titanium
駆動方式 4WD
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4540×1840×1710
ホイールベース(mm) 2690
車両重量(kg) 1720
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1600
最高出力[ps/rpm] 182/5700
最大トルク[N・m/rpm] 240/1600-5000
Tester/大谷達也 Photo/フォード・ジャパン・リミテッド