オペル ザフィーラ 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: オペルの試乗レポート
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2008/09/01
※この記事はカーセンサー関東版18号2000年5月18日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
アストラワゴン並みのコンパクトなボディに機能と実用性を凝縮
↑1.4tのボディに115psでは非力に思うかもしれないが、トルクが太くて頼もしい(左)アストラワゴンとほぼ同じサイズ。全長は高いがCd値は0.328と優秀だ(右)
アメリカのミニバンをヨーロッパで仕立て直すとどうなるか。ザフィーラはオペルが出したその一つの答えだ。
コンセプトとしては今や特に斬新ではないが、ザフィーラの魅力はアストラワゴンとほぼ同サイズ、トヨタ イプサムより20cmも短いコンパクトなボディの中に、フレックス7シートシステムと呼ばれる多彩なアレンジの可能な3列7人乗りシートをはじめとした、機能と実用性を見事なまでに凝縮していることだ。まず際立つのはシートシステムだ。シートを取り外すことなく様々なシートアレンジを可能にしているのだが、特にフロアにすっきりと収まるサードシートは実に巧み。しかも畳み込むときの感触はよくできたスーツケースのようにしっかりとしていて無理な力を必要としない。いかにもドイツ製品といった印象だ。
RVに特有なネガティブな要素がほとんど表面化していない
↑基本的にはアストラを踏襲するインパネは新鮮ではないが、わかりやすい(左)115ps/17.3kg-mを発生する1.8Lエコテック、トルクが太く頼もしい(右)
こうしたユーティリティもさることながら走行性能も悪くない。1.8Lの115psで、1.4tのボディでは非力に思うかもしれないが、このエンジンは実にトルクが太くて頼もしく、ザフィーラの正確を考えると大きな不満はない。むしろ驚かされるのは軽快なハンドリングだ。もちろん基本はスタビリティ重視だが、ロールはよく抑えられているし、不快なアンダーステアを感じることはない。セダンに近いフィーリングで粘り強く曲がっていく、とでも言おうか。要するにこの手のRVに特有なネガティブな要素がほとんど表面化していないのだ。このところのオペルは、品質向上とともに走行性能へのこだわりに並々ならぬものがあるが、それがザフィーラにも十分に生かされているのである。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | CDX |
駆動方式 | 2WD(FF) |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4315×1740×1675 |
ホイールベース(mm) | 2695 |
車両重量(kg) | 1420 |
乗車定員(人) | 7 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1795 |
最高出力[ps/rpm] | 115ps/5400rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 17.3kg-m/3400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 10.6 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/58 |
車両本体価格 | 288.3万円 |
中川和昌の責任採点
コンセプト | 2点 | 取り回し | 5点 | 加速性能 | 3点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 4点 | 操作系の使い勝手 | 4点 | 乗り心地 | 2点 | 環境対策 | 5点 |
前席居住性 | 3点 | ラゲージルーム | 4点 | 操縦安定性 | 4点 | 燃費 | 3点 |
後席居住性 | 3点 | パワー感 | 2点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 2点 |
内装の質感 | 3点 | トルク感 | 3点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 2点 |
得点合計 | 66/100 |
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