手軽な大きさのボディに、さらに磨きのかかった実用性

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コンセプト

リバティならではの良い点をさらに伸ばした

日産が、リバティを含むミニバンユーザーを対象に行ったインタビューによると……。リバティは左右スライドドアやバックドアガラスハッチ、乗降部に段差がなくフラットで乗降性に優れている点に好感がもたれているということだ。

一方で、セカンドシートが分割スライドできないせいで、チャイルドシートを装着した場合にサードシートへのアクセスがしづらい点が改善を求められたのだという。こういった要望を取り入れ商品力を向上させるのが、今回のマイナーチェンジのコンセプトである。
室内&荷室空間

誰の目にも明らかな質感と快適性の向上

今回、左側のスライドドアは電動スライド式になり、リモコンキーでの開閉も可能になった。またセカンドシートは新設計され、2分割可倒式に。リバティは他モデルと比べてセカンドシートのスライド量が330mmと大きく、目一杯スライドさせればシーマ並みのスペースを作り出すことができる。セカンドシートの見直しでサードシートにアクセスしやすくなったのはもちろん、シートアレンジのパターンも豊富になり、居住スペースやラゲージスペースの実用性も大いに向上している。

従来から支持が高いナビゲーション付きモデルには、新たにワイド画面の7インチモニターを採用(従来の5.8インチも設定あり)。より質感を高めるために内外装の変更も行われ、実用性と快適性の向上ぶりは誰の目にも明らかで素直に好感がもてるものである。
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ドライブフィール

今一歩の熟成が望まれるハイパーCVT

走行面については今回からターボエンジンを廃止し、新型プリメーラにも搭載されているQRエンジンを全車に採用。ボディサイズに見合った適度なトルクを発揮し十分な速さをみせる。エンジン自体の動力性能としては合格点がつけられる。ハンドリングはしなやか系で、乗り心地も良い。

ただし、2WDモデルに採用されているトランスミッションのハイパーCVTについて、少しだけ欲を言えば、加速時にギアが滑るような感じがあり、それによって加速フィールと速度感の間に若干の違和感が生じる点が惜しい。また、エンジン音が少々大きい点についても改善を期待したい。

全体的にみて、一般的なマイナーチェンジと比べ異例に力の入った内容といえるだろう。お金のかかる新装備を多数採用しながらも価格の上昇を抑え、お買い得感もかなり強い。「実力派ミニバン」としてのリバティの魅力が、一段と向上したのは間違いないだろう。
こんな人にオススメ
5ナンバーサイズにこだわる人にとって、この居住スペースと実用性は魅力的。活動的で小さなお子さんをもつファミリィが、時にはオジイチャン&オバアチャンとお出かけするのにも無理なし。またオーテックバージョンが意外にも?カッコよくスタイリッシュ。ワゴン派も一考の価値あり。
SPECIFICATIONS
グレード Gナビパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4575 x 1695 x 1630
ホイールベース(mm) 2690
車両重量(kg) 1500
乗車定員 7人
エンジン種類 直4DOHC16バルブ
総排気量(cc) 1998
最高出力 108kW(147ps)/6000rpm
最大トルク 198N・m(20.2kg-m)/4000rpm
車両本体価格 210.0万円
写真:桜井健雄 文:飯田裕子