実用性はそのままで、走りをさらに磨いた新グレード

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コンセプト

若い層をターゲットに新たなグレード群を追加

必要十分な実用動力性能を備えたベーシックコンパクトカーのキューブに、特に走行性能を高めた一連のグレード「α(アルファ)シリーズ」が追加された。

αシリーズは軽快で余裕のある走りを求める若いユーザーがターゲット。ノーマルに対しパワーアップを行い、トランスミッションにハイパーCVT-M6を組み合わせて魅力ある商品に仕上げた。

併せて、専用革巻きステアリングを与えたのをはじめとして内外装の質感アップも行った。さらに今回の車種追加に伴いグレード体系を見直し、よりわかりやすいラインナップに。マツダデミオなどとともに月4000台以上を販売する人気車種だけに魅力を保つ努力は常に必要。αシリーズのグレード追加はその回答といえる。
室内&荷室空間

使い勝手の良さに加えて若々しい雰囲気もプラス

室内に入ってまず印象的なのは、黒とシルバーを基調とした硬派な雰囲気の内装。ハイパーCVT-M6のステアリングスイッチも同じようにシルバー処理がされ、以前よりもスポーティな雰囲気が特徴だ。

そのほか室内で目立った変更点はないが、特徴である車高の高さによってゆとりのある頭上空間が確保できており、身長の高い人でも余裕をもって座ることができる。

荷室も以前と変わらないが、1255mmの余裕のある室内高によって、かさばるものも楽に飲み込んでくれる。さらにリアシートは分割可倒式となっており、様々なシートアレンジで荷物を収納することが可能だ。

つまり、αシリーズはこれまで通りの使い勝手の良さは確保しつつ、より若々しい雰囲気をプラスしたと考えるといいだろう。
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ドライブフィール

格段に元気になったがハイオク指定は疑問

いままでの85psから101psになったことで、走りは格段に元気が良くなった。圧倒的なパワフルさを感じるというほどではないが、登坂路などで我慢を強いられることはもうないだろう。

思った通りの力が得られるこの感覚は、ハイパーCVT-M6が組み合わされたことも大きく影響しているだろう。マニュアル操作で即座に任意のギアが選べることが効いている。

ただ、残念なのはパワーアップに伴い使用燃料がハイオク指定になったこと。若いユーザーがターゲットなのにこの点は疑問だ。

ハンドリングは相変わらずキビキビした楽しさを感じるものだが、その分落ち着きには欠ける。サスにもう少ししなやかさがあるほうが万人受けはするだろう。
こんな人にオススメ
たとえコンパクトカーでも頻繁に多人数乗車をする人や高速道路での使用が多い人にαシリーズの性能アップは魅力的だ。メーカー自ら若いユーザーをターゲットにしたというくらいだから、親子で共有する場合にもいいかもしれない。ライダーは個性派志向の人にオススメ。
SPECIFICATIONS
グレード ライダーα
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3750 x 1610 x 1625
ホイールベース(mm) 2360
車両重量(kg) 1020
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1348
最高出力 74kW(101ps)/6400rpm
最大トルク 123N・m(12.5kg-m)/4400rpm
車両本体価格 144.8万円
写真:桜井健雄 文:河口まなぶ