アウディ Q5ハイブリッドクワトロ|ニューモデル試乗

オプションを入れたら800万円コースである。その金額を出すのなら、ハイブリッドでなければもう1つ2つ上級のモデルも購入できる。高価だが控えめな外観のQ5ハイブリッドは、環境への意識が高い人が選ぶ車だろう

ハイクオリティなミディアムSUVならこのモデル!

アウディハイブリッドで唯一のクワトロ

Q5はアウディハイブリッドのラインナップで唯一クワトロを装着する。クワトロシステム搭載モデルは、モーター特有のあり余るトルクを実に上手に4輪に分配することができ、すこぶるマッチングが良い。

アウディのハイブリッドモデルのエンジンは2Lターボユニットである。フラットなトルクを売りにしているターボモデルであるが、ターボによって盛り上がったトルクをクワトロの恩恵により分配しながら素早くシフトアップする。シフトアップすれば路面に伝えるトルクは減少する。すなわち滑らかに乗りこなすことができるのである。

モーターをエンジンとATの間に入れて、モーターを動力にしてATに伝えるのだが、配分を前後に都合よく振り分けるので車の動きがとてもスムーズである。

どんな動力もクワトロで万全

またQ5はSUVなので重心が高いのだが、ロールを抑えたセッティングが施され、バッテリーによって重さが増しても発進や加速時のハンドリングや車体の挙動にいたずらはしない。

エンジン+モーターのシステムトルクは500N・mに届くほどで、モーターのみを使った静々と変速しながらの走り方もドイツ流で新鮮であるが(パナメーラHVも同様)、加速のアシストとしてモーターを使うとこれはこれでスポーティだ。

クオリティのコンテンダーとしてトップを持続するアウディは、どのモデルに乗っても作りが良い。Q5は後発で質感のコストダウンをしているにもかかわらず、ミディアムクラスSUVとしては依然としていちばん良い。

そして走りに関してもクワトロはどんな動力でも万全なのである。

標準より25mm低いサスペンションを装着。ラゲージ床下に1.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する

標準より25mm低いサスペンションを装着。ラゲージ床下に1.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する

タコメーターの代わりにシステムパワーを表示するパワーメーターを装着。モニターにも燃費や回収エネルギー量が表示される

タコメーターの代わりにシステムパワーを表示するパワーメーターを装着。モニターにも燃費や回収エネルギー量が表示される

モーターのみのEV、スポーティなS、効率走行のDという3つの走行モードが選択可能。システム合計は245ps/480N・m

モーターのみのEV、スポーティなS、効率走行のDという3つの走行モードが選択可能。システム合計は245ps/480N・m

SPECIFICATIONS

グレード Q5 hybrid quattro
駆動方式 4WD
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4630×1900×1630
ホイールベース(mm) 2810
車両重量(kg) 2000
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ+モーター
総排気量(cc) 1984
最高出力[ps/rpm] 211/4300-6000+54
最大トルク[N・m/rpm] 350/1500-4200+210
車両本体価格(万円) 715
Tester/松本英雄 Photo/向後一宏