alt=アウディA3スポーツバック

正直なところハードウェアの仕上がりはゴルフとほぼ横並び。遮音材の量など細部の仕上げは違うとのことだが、違いはわずかだ。そんななか、あえてエキストラコストを支払ってアウディを選ぶところにオーナーのワガママ度が垣間見られる1台。初めて買うアウディに最適

コンパクトカーのプレミアム化競争ここに極まれり

さらなるプレミアムの追求

アウディA3といえば、Cセグメントにプレミアムという概念を初めて持ち込んだモデル。ゴルフをはじめとするライバルたちが猛追してきているなか、3代目となる新型はどんな車に仕上がっているのか? そんな問いに対する答えとしてアウディが用意したのは「さらなるプレミアムの追求」だ。

エクステリアはキープコンセプトだが、よくよく眺めていくと、塗装品質やプレス精度は高まり、複雑な面が織り成す繊細な表情と相まって、スキのない美しさがよりいっそう高められていることに気付く。モダンにしてラグジュアリーなインテリアもアウディらしい仕上がりだ。

小型で上質な車を求めている人に

試乗したのは1.4Lターボ(122ps)を積むFFと、1.8Lターボ(180ps)を積むクワトロ(4WD)の2台。いずれも、FR車を凌ぐ滑らかなステアリングフィール、強靱な高いボディ剛性、絶妙な味付けのサスペンションなど、仕上がりは上々だ。

しかし、せっかくアウディに乗るなら、ちょっと贅沢をしてゴルフにはないエンジンと駆動方式をもつクワトロを選びたい。

1.8L直4ターボはパワフルであることはもちろん、上質な回転フィールと気持ちのいいサウンドによって1クラス上のドライブフィールを味わわせてくれる。

4WDは電子制御式油圧多板クラッチを使ったタイプで、通常はフロントのみを駆動するが、必要が生じた場合は100分の数秒で後輪に最適な駆動力を配分。雪道だけでなく雨や強風下でも絶大な安心感をもたらしてくれる。

A3スポーツバックは、小型で上質な車を求めている人にとって見逃せない1台だ。

旧型よりボディは35mm長くなったにも関わらず、アルミハイブリッド構造などにより旧型と比べて最大60kgの軽量化を実現している

旧型よりボディは35mm長くなったにも関わらず、アルミハイブリッド構造などにより旧型と比べて最大60kgの軽量化を実現している

なめらかな3D形状のダッシュボードやジェットエンジンをモチーフとしたエア吹き出し口などにより、上級感が演出されている

なめらかな3D形状のダッシュボードやジェットエンジンをモチーフとしたエア吹き出し口などにより、上級感が演出されている

インターネットに接続でき、Googleマップなどが使えるアウディコネクトをオプションとして用意。WiFi接続できる無線LAN機能も備える

インターネットに接続でき、Googleマップなどが使えるアウディコネクトをオプションとして用意。WiFi接続できる無線LAN機能も備える

SPECIFICATIONS

グレード 1.8TFSI quattro
駆動方式 4WD
トランスミッション 6DCT
全長×全幅×全高(mm) 4325×1785×1435
ホイールベース(mm) 2635
車両重量(kg) 1460
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1798
最高出力[ps/rpm] 180/4500-6200
最大トルク[N・m/rpm] 280/1350-4500
車両本体価格(万円) 393
Tester/岡崎五朗 Photo/河野敦樹