※この記事はカーセンサー関東版20号2000年6月1日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

V12エンジンのスムーズさと、先進機構による安定感で究極の走りに

↑アクティブボディコントロールにより、ロールやピッチングがほとんど感じられない(左)個性的なCピラー回りの造形がよくわかる。強い存在感があるスタイリングだ(右)
メルセデス・ベンツ製2ドアクーペのトップモデル、CLがフルモデルチェンジされ、日本市場への正規輸入が開始された。日本仕様のCLは306psのV型8気筒を搭載するCL500と、今回発売される、待望の新世代V型12気筒を367psの最高出力で搭載するCL600の2モデルだ。ちなみにこの2タイプのエンジンは、いずれも環境&燃費重視型の1気筒3バルブのSOHCだ。

今回試乗したのは、トップモデルのCL600。実際にこの新型CL600を目前にしてみると、まずはそのスタイリングがセダンボディのSクラスと同様に、旧型よりさらにスタイリッシュな印象を強めているのがわかる。特徴的なのはやはりCピラー回りの処理だ。CLのホイールベースはSクラスの標準ボディよりも60mm短く、それも新型CLのスタイルをよりスポーティなものに演出する大きな要因となっている。

シートを含め、CLのためのスペシャルなインテリアはゴージャスの一語

  • メルセデス・ベンツ CL600 インパネ|ニューモデル試乗
  • メルセデス・ベンツ CL600 エンジン|ニューモデル試乗
↑メーターパネルはセダンのSクラスと共通のデザイン処理が施されている(左)メルセデス・ベンツの新世代V12エンジンは、CL600にSクラスより早く搭載された(右)
インテリアはまさにゴージャスの一語に尽きる。計器類やコントロールスイッチはSクラスのそれと共通のデザインだが、それ以外の部分はシートも含めて、CLのためのスペシャルとなっている。

注目のV型12気筒エンジンは、まさに究極的なスムーズさを披露する。機構面で最大の特徴となっている片側バンク(つまり6気筒分)を適時休ませるシリンダーカットオフ機構の制御も実に自然だ。そして、もう一つ見逃してはならない機構が、アクティブボディコントロール。コーナリング時や加減速時にロールやピッチングがほとんど感じられないのも、この先進機構の恩恵によるもの。 その仕上がりには、まさに一点の曇りもない。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード CL600
駆動方式 2WD(FR)
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 5000×1855×1400
ホイールベース(mm) 2885
車両重量(kg) 1910
乗車定員(人) 4
エンジン種類 V12 SOHC
総排気量(cc) 5785
最高出力[ps/rpm] 367ps/5500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 54.1kg-m/4250rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/88
車両本体価格 1720.0万円

山崎元裕の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 2点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 89/100
(Tester/山崎 元裕 Photo/奥隅 圭之)