※この記事はカーセンサー関東版2001年14号(4月5日) に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

上位モデルと遜色ない走り、誰にでもオススメできる入門モデル

  • ボルボ V70 走り|ニューモデル試乗
  • ボルボ V70 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑輸入車のステーションワゴンのトップモデルとして長期にわたって人気を集めているのV70(左) ルーフスポイラーは装着されないが、シ ンプルな素のカタチも悪くない(右)
仕事も余暇も両方こなす……そんな意味を込め“デュエット”と呼ばれたのが、'53 年に登場した、ボルボエステートの元祖、PV44 だった。

「ウーム、人生そうありたいものだ」と感心していると行数が足りなくなるが、そのボルボの最新にして入門車であるのが、このV70 だ。何しろ昨年登場したばかりのV70 シリーズの中で、プライスタグは身近な400万円。しかもエステートとしての機能、ボルボとしてのブランド力はどのグレードとも変わりなし。実に気になるモデルである。

街中の瞬発力も、高速走行時の余裕も不満なし!

  • ボルボ V70 エンジン|ニューモデル試乗
  • ボルボ V70 インパネ|ニューモデル試乗
140psながら、2.4Lの排気量の余裕で、実用性能は十分。低振動、低騒音だ(左) スウェディッシュ・デザインのインパネは、見た目も気持ちよく機能的な仕上げ(右)
乗ってみると、よかった。“140ps”がこのクルマの特徴だが、走りはまったく上位モデルに比べて遜色なし。

2.4(170ps)は余裕、2.4T(ライトプレッシャーターボ)はキレが持ち味だとすれば、この標準車のV70 は“普通にちゃんと走れるスペック”が魅力だ。手持ちのストップウオッチで確認してみると、0 → 60km/h 加速で2.4 と比べ0.9 秒、80 → 100km/h 加速で2.4Tと2.3 秒ほど差が出たのは事実。ところが体感上は、そんなデータ差は気にならないレベルで、街中の瞬発力、高速走行時の余裕とも不満はない。

乗り心地も十分にしなやかだし、ハンドルが重たすぎたり……と、運転しにくいこともない。普段使うクルマとして、誰にでもお勧めできる。新エンジンが搭載される最新のボルボは、低振動で低ノイズな快適な乗り味も魅力的だ。

天気の良い日、ポカポカと明るい日差しを室内に浴びながらのドライブは、なかなか快適である。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード V70 レザーパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4710 x 1815 x 1470
ホイールベース(mm) 2755
車両重量(kg) 1560
乗車定員(人) 5-7名
エンジン種類 直5DOHC
総排気量(cc) 2434
最高出力[ps/rpm] 140ps/4500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 22.4kg-m/3750rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.6
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 420.0万円

島崎七生人の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 5点 環境対策 5点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 4点 燃費 5点
後席居住性 5点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 5点
内装の質感 5点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 95/100
(Tester/島崎七生人 Photo/奥隅圭之)