▲アッパーミドルサルーンの模範となる、メルセデス・ベンツの本流ともいうべきFRサルーンの中核モデルがモデルチェンジ。車の仕上がりはもちろん、レベル2と呼ばれる準自動運転機能も話題 ▲アッパーミドルサルーンの模範となる、メルセデス・ベンツの本流ともいうべきFRサルーンの中核モデルがモデルチェンジ。車の仕上がりはもちろん、レベル2と呼ばれる準自動運転機能も話題

時代の最先端に乗るか、反るか

「常に世界のアッパーミドルクラスの模範たるべし」

誰が言ったか知らないが、歴代Eクラスが自動車史を塗り替えてきたことに異論を唱える人はいないだろう。そしてこの新型「W213」に課された大きな使命の一つが自動運転だ。テスラに少し先を越された自動車線変更機能「アクティブレーンチェンジアシスト」など、いわゆるレベル2と呼ばれる準自動運転機能を搭載する。ACCやレーンキープアシストの進化版である「ドライブパイロット」を作動中にウインカーを2秒以上点滅させると、自動的に車線変更を行う。交通量の多くない高速道路で試したが使い勝手は悪くない、あっという間に慣れた。

試乗車はE200。一瞬Eクラスに200?と思ったが、乗ればそれも杞憂に終わる。圧倒的なボディの軽さを感じる。2L4気筒直噴ガソリンターボに9速ATを組み合わせるが、日本の法定速度内において9速は使い切れないほどだ。新型Eクラスの主たるグレードはすべて2L4気筒のガソリンとディーゼルになった。Eクラスが軽快でいいのか。オールドEクラスファンにとっては複雑な心境かもしれない。例えばどうしてもV6エンジンを望むなら、E400 4マチックエクスクルーシブという全部付きモデルを選ぶほかない。

いずれにせよダウンサイジング+自動運転の波は止まらないし、メルセデスは覇権を握るべくこれからも攻勢をかけ続けることは間違いない。“伸るか反るか”ではなく文字どおりこの波に“乗るか反るか”はとても悩ましい。ひとつ言えることは、いまならまだ選択の余地はある。
 

▲レーダーやステレオマルチパーパスカメラを用いた安全運転支援システム、インテリジェントドライブも進化。ドライブパイロットと組み合わせドライバーの負担を軽減する ▲レーダーやステレオマルチパーパスカメラを用いた安全運転支援システム、インテリジェントドライブも進化。ドライブパイロットと組み合わせドライバーの負担を軽減する
▲2つの12.3インチディスプレイを組み合わせたコックピット。ディスプレイデザインはクラシック/スポーツ/プログレッシブから選択可能 ▲2つの12.3インチディスプレイを組み合わせたコックピット。ディスプレイデザインはクラシック/スポーツ/プログレッシブから選択可能
▲最新の直噴技術、BlueDIRECTテクノロジーを採用。まずは2L直4ターボ、2L直4ディーゼルターボ、3.5LV6ターボをラインナップする ▲最新の直噴技術、BlueDIRECTテクノロジーを採用。まずは2L直4ターボ、2L直4ディーゼルターボ、3.5LV6ターボをラインナップする

【SPECIFICATIONS】
■グレード:E200 AVANTGARDE Sports ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1991cc
■最高出力:184/5500[ps/rpm]
■最大トルク:300/1200-4000[n・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:9AT
■全長x全幅x全高:4950x1850x1455(mm) ■ホイールベース:2940mm
■車両価格:727万円

text/藤野太一
photo/向後一宏