オールアルミボディを量産モデルで初採用

  • M・ベンツSLクラス 走り|ニューモデル試乗
  • M・ベンツSLクラス リアスタイル|ニューモデル試乗
走行状況などに応じてサスペンションを制御するABC(アクティブ・ボディ・コントロール)を装着。ロールを60%以上低減させるという
SLクラスが第6世代に進化した。テクニカル面でのハイライトは、ほぼオールアルミニウムボディの採用、に尽きる。 SLSのような凝ったスペースフレーム構造ではないにせよ、メルセデスのフラッグシップスポーツがアルミボディ構造を採用した意味は大きい。軽量化は、パフォーマンスとエココンシャスの両立に利くからだ。もちろん、パッシブセーフティ性能も上げることができる。

ボディの9割をアルミとした。マグネシウムや樹脂も使っている。AMGになればカーボン樹脂も加わる。いわゆる、ハイブリッドボディだ。ボディ単体で、スチール設計より110㎏軽い。

パワートレインは、CSLやSクラスでお馴染みの、V6自然吸気&V8ツインターボ(いずれも直噴ユニット付き)に7速ATを組み合わせたもの。もちろん、AMGモデルには63(最新のターボとなったが)と65(12気筒! )が準備されている。

パワートレインの息吹が伝わる

  •  M・ベンツSLクラス インパネ|ニューモデル試乗
  • M・ベンツSLクラス シート|ニューモデル試乗
低音スピーカーを前席足元に配置することでルーフ開閉に関わらず良好な音響を実現させる、FrontBassシステムを採用
日本での発表直前にマラガで試乗したのは、SL500(日本名SL550)だった。

最初は70㎞ほど、街中から山間部まで、助手席で過ごしたのだが、これがもう身体が蕩けそうになるくらい具合がよかった。乗り心地がいい、という以上に、気分がいい。オープンにして、音楽を控えめにならして、素晴らしい景色を楽しみながら走る。要素が揃えば、かくも極上な気持ちになれるものか…。

もちろん、ハンドルを握れば、もっと気分がいい。派手すぎず、けれども助手席ほど無関心すぎず、パワートレインの息吹がドライバーに伝わる。心地よいサウンドを棚引かせて、風の巻き込みも最小限にワインディングをリズミカルに抜けていく。アルミ特有のドライな走り質感はなく、どこかしっとり。攻め込めば、電子制御が上手に手助けしてくれて…。SLクラスはやはり世界を代表するスポーツだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード SL500
全長×全幅×全高(mm) 4612×1877×1315
車両重量(kg) 1785
エンジン種類 V8DOHCターボ
総排気量(cc) 4663
最高出力[ps/rpm] 435/5250
最大トルク[Nm/rpm] 700/1800-3500
Tester/西川淳  Photo/メルセデス・ベンツ日本