広さはそのまま、立体駐車場にも対応

  • M・ベンツ Bクラス 走り|ニューモデル試乗
  • M・ベンツ Bクラス リアスタイル|ニューモデル試乗
低くなった全高、大型フロントグリルやホイールアーチなどによりワイド&ローなスタイルを強調。細部にわたる最適化によりCD値0.26を達成した
ライバルをはるかに凌ぐ室内空間が人気を呼んだBクラスの2世代目は、特徴だったサンドイッチフロアを廃したのがトピックだ。おかげで全高は65㎜低い1540㎜となり、立体駐車場に対応する利便性を獲得。しかしながら室内空間は依然として上級セダンをも凌ぐ余裕を確保し、荷室も486〜1545Lという圧倒的な容量を獲得している。

パワートレインは、1.6L直噴ターボエンジンと7速デュアルクラッチギアボックスの組み合わせに刷新された。アイドリングストップ機構も備わり、JC08モード燃費は16.0㎞/Lを誇る。

コンパクトカー世界初のレーダー型衝突警告システム「CPA」を標準搭載したことも注目だ。これは前走車との衝突の危険性が高まると警告を発し、ブレーキ操作のアシストを行うもの。他にも、従来は上級車種にのみ採用されていた先進安全装備を、新型Bクラスは多数搭載している。

ハンドリングは先代よりシャキッとした

  •  M・ベンツ Bクラス インパネ|ニューモデル試乗
  • M・ベンツ Bクラス ラゲージ|ニューモデル試乗
フロアは将来の電気自動車などに備えたモジュラー構造を採用。メインフロアパネルを交換すれば、バッテリーや水素タンクが搭載できる
実は昨秋にドイツで試乗した時には、パワートレインもシャシーもいかにも熟成不足で良い印象のなかったBクラス。しかし半年を経て完成度は飛躍的に向上した。進境著しいのが乗り心地で、ストローク感には乏しい中で,メルセデスらしい当たりのしなやかさをうまく演出。重心の低さもあって先代よりシャキッとしたハンドリングと相まって、走りっぷりは嫌いじゃないなと感じた。

動力性能は必要十分。人や荷物を沢山載せることを考えると、もっと余裕が欲しいが、7G-DCTと呼ばれるギアボックスがもう少し意に沿う変速をしてくれるだけでも随分違うはずだ。現状ではその辺りの巧さも滑らかさもDSGには敵わないが、今後きっと急速に進化していくに違いない。

質の高い内装、広い室内は依然としてBクラスの大きなアドバンテージ。気分も広さも、余裕がなくてはという人には響くのではないだろうか。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード B180 BlueEFFICIENCY Sports
全長×全幅×全高(mm) 4365×1785×1540
車両重量(kg) 1450
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1595
最高出力[ps/rpm] 122/5000
最大トルク[Nm/rpm] 200/1250-4000
車両本体価格 348万円
Tester/島下泰久  Photo/向後一宏