トヨタ アクア G's (松本英雄)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2014/01/24
意のままに操る楽しさを教えてくれるトヨタのG SPORTS、通称G's。その第6弾として登場したのがアクア G'sだ
車の動きを楽しみながらドライブできるセッティング
スタイリングに準じた高いシャシー性能
トヨタ自動車のスポーツコンバージョン車両、G SPORTS(通称G's)の第6弾として2013年末に「アクアG's」が登場した。コンセプトカーとして発表してからおよそ1年、市販バージョンが販売されるにあたり試乗する機会に恵まれた。
“G's”と聞いてデカールやエアロパーツを纏ったデコラティブなアクアだと思う人もいるだろう。しかし、このアクアG'sはカッコだけではない。スタイリングに準じたシャシー性能を持ち合わせているのだ。
通常のアクアのシャシー性能はハッチバックのエントリーモデルとしては剛性は高く、ノーマルでも十分な性能を示しているので評価も高い。しかし更にG'sとしての楽しむハンドリングを求め、サスペンションのスプリングをハードにし、それに合うショックアブソーバーを組み合わせている。
サスペンションの変更に伴い25ミリ程ローダウンされ重心が低くなっているが、最適化されたセッティングが施され乗り心地に不快感はない。これはハードになったスプリングでもシャシーがしっかりと受け止めているからである。
ロッカーパネルのスポット増しは最も効果的で、直進時でサスペンションがボトム、リバウンドした時でもミシリともしない。コーナリング進入時も前後で姿勢が乱れることなく安心感が増した。ステアリングを最小限に留めコーナーを駆け抜ける時もねじれ剛性が向上した恩恵は大きい。フロント、センター、リアに強化バーを追加して剛性を上げているのだ。
但し、登り坂のコーナーで加速するとフロントのエンジンマウント下部の剛性低下によるバイブレーションが気になる。が、これは全体的に剛性が向上しているために僅かな部分が気になってしまうからだろう。全く問題はない。
質の高い車だけにお値打ち感満載な1台
専用のシートもホールド性が良く、ハードな仕様の為に起こる身体のダンピングを上手く吸収し疲れにくい仕様になっている。
パワフルなモデルというより車の動きを楽しみながらドライブするセッティングで、基本を押さえた仕様がG`sモデルなのである。
デザイン面でも、独特なフロントマスクが作り上げられている。聞くところによるとG'sを 企画している部署は極めて少数のスタッフで話し合いながらデザインや仕様を検討しているのだという。もちろん、レースに携わったスタッフがいるのは言うまでもない。でなければ、ここまで基本を重点的に煮詰めたモデルを作り出すことはできないだろう。
ここまで仕上げて価格がトップグレードのアクアより27万円高い222万円はお値打ちだと思った。とても質が高い車なのだ。
SPECIFICATIONS
グレード | G“G’s” |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4055×1695×1420 |
ホイールベース(mm) | 2550 |
車両重量(kg) | 1110 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1496 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 54(74)/4800+45(61) |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 111(11.3)/4500+169(17.2) |
JC08モード燃費(km/L) | - |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/36 |
車両本体価格(万円) | 222 |
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