“チョイ硬め”の足回りとCVTでハンドリングは軽快
(Tester/松下宏 Photo/尾形和美)

トヨタ プレミオ 走り|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ フロントスタイル|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ リアスタイル|ニューモデル試乗
テスト車両:プレミオ1.5F“Lパッケージ”186万9000円
アリオンA18“Sパッケージ”213万1500円
■主要諸元:アリオンA18“Sパッケージ”
●駆動方式:FF
●トランスミッション:CVT
●全長4565×全幅1695×全高1475㎜
●ホイールベース:2700㎜
●車両重量:1220㎏
●乗車定員:5人
●エンジン種類:直4DOHC
●総排気量:1797㏄
●最高出力:100kW(136ps)/6000rpm
●最大トルク:175N・m(17.8kg-m)/4400rpm
●使用燃料:無鉛レギュラー
●燃料タンク容量:60L
●10・15モード燃費:17.0㎞/L
●タイヤサイズ:195/55R16


コンセプト
5ナンバーセダンの完成形を目指した国内専用モデル

トヨタ プレミオ/アリオン|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ エンブレム|ニューモデル試乗 トヨタ アリオン フロント|ニューモデル試乗
5ナンバーセダンの完成形を目指して作られたのが2代目になったプレミオ/アリオン。小型セダンで5ナンバー枠を守るかどうかは現在の自動車メーカーにとって悩ましいテーマだが、車種ラインナップも豊富なトヨタでは、国内市場向けの専用モデルとして割り切った車作りをしてきた。プレミオとアリオンでそれぞれ月間3000台程度の販売が見込めるトヨタならではの設定といえる。

基本プラットフォームは従来のモデルからキャリーオーバーされたものだが、搭載エンジンは1.8Lが新世代エンジンに変わり、組み合わされるミッションもスーパーCVT-iとなった。外観デザインはこれまで以上にプレミオとアリオンの違いが強調され、それぞれの個性を際立たせる形になった。

室内&荷室空間
外形寸法は変わらないのに室内空間は大きく拡大した

トヨタ プレミオ インパネ||ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ フロントシート|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ リアシート|ニューモデル試乗
5ナンバーセダンの枠内で作られたモデルだけに、外形寸法は基本的に変わらない。にもかかわらず、室内長が+80mm、室内幅が+ 55mmと大きく拡大している。これにはカタログデータのマジックもあるのだが、パッケージング技術の進化が大きな室内空間を作ることにつながっている。

後席に座ると頭上にも足元にも十分な余裕があり、しかも背もたれが左右分割でリクライニングするので、ゆったりした姿勢でドライブを楽しむことができる。トランクルームの容量もFF車らしい大きなスペースとなっている。

HDDナビはオプションだが、快適装備の充実度は高い。安全装備はSRSサイド&カーテンエアバッグがオプションだが、VSCはなぜかまるで設定すらないのは疑問。

ドライブフィール
1.5L車でも十分な動力性能。足回りは硬めで安定感十分

トヨタ プレミオ エンジン|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ アルミホイール|ニューモデル試乗 トヨタ プレミオ メーターパネル|ニューモデル試乗
1.5Lと1.8LエンジンにスーパーCVT-iを組み合わせる設定は昨年発売されたカローラと同じ。年内にはバルブマチック機構を採用した2Lエンジンも追加されるとのことだ。でも1.5L車に試乗するとこれで十分という印象。このクラスでは比較的軽めに作られたボディ(1.2t強)ということもあって、アクセルワークに素直に反応する軽快な走り、2Lエンジンまで積む必要があるのかというくらいの印象だ。1.8L車になると動力性能にはさらに余裕があり、力強い走りが得られる。CVTの変速フィールにも不満はない。

足回りはこれまでのモデルに比べると相当に硬めになった。路面の荒れたところではゴツゴツ感を感じるが、コーナーでの安定した走りは好感のもてるものだ。

こんな人にオススメ

比較的年齢の高い人を中心に適度なサイズでオーソドックスなセダンが欲しいというユーザーは確実に存在する。立体駐車場にも入れやすいサイズや独立したトランクのもつ使い勝手は小型セダンならではの特徴だ。安全装備のVSCがオプション設定さえされていないのは納得しがたいが、よくまとまった車であるのは確かだ。