トヨタ イスト 【フルモデルチェンジ】
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
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2007/09/13
■日常使いならメインの1.5Lモデルで十分、とにかく目立つ!
(Tester/島崎七生人 Photo/尾形和美)
◆コンセプト
大胆なデザイン実現。意外とアバンギャルド
デザインはあくまでも主観だが、新型イストは悪くないと思う。尻尾が生えてたら“ぶんぶく茶釜”だった先代より凛々しく、自動車としての“骨格”がしっかりして見えるからだ。ライトをはじめ相当に立体的で大胆なフロント回り、やや幅広なCピラーなどディテールも、かなりコダワリまくり。しかしハズしていず、へなちょこグルマには見えないし、bBより安心感もある。
なので大人が乗っても、息子&娘の車を借りました的な気恥ずかしさはなく、案外イケそう。その意味で受け皿の大きな車ではある。 バンパーのマスキング(塗り分け)部分、黒いほうに何mmかボディ色をハミ出させた処置もむしろ輸入車っぽい!? とにかくチマチマしていない車である。
◆室内&荷室空間
斬新な1眼式メーターなど室内にも新提案あり
インパネ表面の“シボ”は、通気性のいいスポーツウェアのようなパターン。文字通りサッパリした印象だ。メーターは1眼式の同軸風。スピード/タコメーターの針が逆方向に振れるのは「イストとアストンマーティンくらい」と担当者はおっしゃるが、文字色、配列に配慮はあるがエンジン回転を真剣に読むには少々エネルギーを使う。空調スイッチは一見すると奮ったデザインだが、主要な温度設定、風量調節がやりやすかった。
居住性は前後席ともに、包まれ感のある印象。決して広々…ではないが窮屈さは感じない。後席用のドア開口部が大きくていい。ラゲージスペースは自在な使い方が可能。後席を倒した際、シート背面と床面をつなぐ“渡し板”が備わる丁重さはサスガだ。
◆ドライブフィール
1.5L車でも十分な動力性能。直進安定性の高さもポイント
運転席はわずかに視線が高い自然なポジション。1.5Lでもエンジンを始動させた瞬間の振動の伝わり方の小ささは、現行ヴィッツ系プラットフォームの美点だ。
乗り味は低速でやや硬さを感じる。聞けば北米仕様はもっとハード(スポーティ)だそうだが、路面の凹凸が発進から完璧にいなされるとなおいい。195/60R16サイズのタイヤの自重の影響もありそうだ。軽快でなめらかに思えたのは1.5Lの4WDだった。とはいえ走り出せばFFでも心地よく、とくに小型車ながら直進をピタッと保ってくれるところがいい。
エンジンは、日常使いであれば1.5Lでも十分。CVTのマナーも自然な部類だ。1.8Lは4速ATとの組み合わせで、遠出&多人数乗車でのストレスが軽減されそう。
◆こんな人にオススメ
40歳代に足の小指でしがみついているリポーターでも、イストの試乗中、恥ずかしいとは思わなかった(bBは5分でつらかった)。当たり前だがミニバンほど大袈裟ではなく、軽より余裕はある。若向けのTVCMがやや紛らわしいが、日常的に車を使う生活をしているユーザーにとって、性別、年齢を問わず“合わせやすい”車だ。
主要諸元のグレード | 150G |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 3930×1725×1525 |
ホイールベース(mm) | 2460 |
車両重量(kg) | 1150 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1496 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 80kW(109ps)/6000rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 138N・m(14.1kg-m)/4400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 18.0 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/42 |
車両本体価格(万円) | 178.5 |
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