▲三菱 eKワゴン ▲日産との共同開発モデル。eKワゴンはシンプルな中に軽トールワゴンならではの使いやすさが凝縮されている
 

スズキ ワゴンR、ダイハツ ムーヴという軽自動車の定番モデル。

三菱は2001年に軽トールワゴン、初代eKワゴンを発売しました。

初代はワゴンRなどの軽トールワゴンより全高が少し低めで、セミトールワゴンと呼ばれることに。派生モデルはeKスポーツ、eKアクティブ、eKクラッシィが用意されました。

2代目は、助手席側の後部ドアをスライドドアにしたグレードを用意。この全高でスライドドアというのは画期的なアイデアだったのです。

2011年に日産と三菱は、折半出資でNMKVという会社を設立し、共同で軽自動車を開発。そして2013年に日産 デイズ/三菱 eKワゴンを発表しました。

デイズ/eKワゴンは2019年3月にフルモデルチェンジ。4代目となる新型eKワゴンがデビューしました。

ちなみに車名のeKは「いい軽」を表しています。
 

 

【グレード】エントリーグレードと標準グレードの2展開

新型eKワゴンは、シンプルな2グレード展開。

エントリーグレードのMはビジネスユースなどで求められる価格にこだわったグレードで、エアコンはダイヤル式のマニュアルタイプ、キーはキーレスオペレーションではなく一般的なキーレスエントリーになります。

標準グレードのGはエアコンがタッチパネル式のオートエアコンになり、キーレスオペレーション+スタートボタンを設定。また、フロントドアのガラスがIR(赤外線)カット+99%UV(紫外線)カットタイプになります。

どちらもステアリングはウレタンタイプで、ホイールも鉄ホイール+ホイールキャップになります。

▼三菱 eKワゴンの価格・グレード表(消費税8%税込)

▲三菱 eKワゴン

※2019年10月1日以降、消費税率(10%)に基づき、価格が修正されます。詳しくは販売店へご確認ください。
 

 

【エクステリア】シンプルかつ上品な雰囲気を追求

新型eKワゴンと兄弟車である日産 デイズの外観上の違いはグリルデザインのみ。しかしグリルは車の表情を決める重要要素だけに、印象はずいぶん異なります。

デイズが高級感を高めた雰囲気なのに対し、eKワゴンはシンプルで上品な印象。派手さを好まない年配の方でも安心して乗れそうです。
 

▲三菱 eKワゴン 外観 フロント▲デイズとの違いはグリルだけ。Aピラーから前の部分が短く設計されているので、運転中の車幅感覚がつかみやすい
▲三菱 eKワゴン 外観リア▲ボディカラーはシンプルな7色。落ち着いたデザインが好きな人にオススメ

ボディサイドにはエッジの効いたキャラクターラインを入れることでシャープな雰囲気に。

ボディカラーは全7色で、定番のホワイトパール、ブラックやビジネス需要のある白とシルバーがメイン。他は薄い青や茶色、コーラルピングなど落ち着いたカラーリングになります。
 

▲三菱 eKワゴン 外観 正面▲eKクロスに比べるとコンサバティブな雰囲気

今や多くのモデルに採用されている、ツートーンカラーの設定はありません。

その意味でもeKワゴンは、堅実な雰囲気を好む人にピッタリな軽自動車と言えるでしょう。
 

 

【インテリア】明るい雰囲気で広がり感を演出

淡いベージュを採用した新型eKワゴンのインテリアは、直線的で水平基調のデザインと相まって、圧迫感が少なく広々とした印象です。
 

▲三菱 eKワゴン 内装▲明るい色を使うことで広がり感を演出したインテリア

シートもベージュがベースで茶がアクセントに入ったシックな雰囲気。老若男女、気負わずに運転できる雰囲気に溢れています。

インテリアで目を引くのが大きなカーナビ設置スペース。ディーラーオプションで9インチナビゲーションシステムを選ぶことができるので、軽でもナビの性能や画面サイズで妥協したくない人も満足できるでしょう。

新型eKワゴンは、デイズ同様に新開発のプラットフォームを採用。

Aピラーを運転席に近づける設計にしたことで、運転席からの見開き角度を広く設定すると同時に、ボンネットの見切り部分からバンパー前までの距離が短くなったことで、運転中の車両感覚がつかみやすくなりました。
 

▲三菱 eKワゴン 内装▲シートカラーはシンプルで落ち着いた雰囲気に

さらに室内空間、とくに後部座席を広く設計できたことで、軽自動車とは思えない空間を感じながらドライブを楽しめます。

荷室はフロアボードを立てると大きなアンダーボックスが出現。ここを利用すれば、大人4人が乗った状態でA型ベビーカーを積載できます。もちろん後席にはスライド機能が付いているので、荷物量に応じて荷室の大きさを変えることが可能です。
 

 

【運転支援システム】デイズと同じ先進安全装備が全グレード標準に

デイズに軽初搭載された、高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット」をeKワゴンにも搭載。名称は「MI-PILOT(マイパイロット)」となります。

ポイントはデイズの場合、プロパイロットはハイウェイスター系にしか設定がないのに対し(プロパイロットエディション)、三菱はeKワゴンのGとeKクロスのGとTにパッケージオプション設定されていること。
 

▲三菱 eKワゴン 安全▲周囲を俯瞰映像で確認できる「マルチアラウンドモニター」をGにオプション設定

デザインはシンプルに、でも安全装備は充実させたいという人は、eKワゴンがオススメです。

また、三菱e-Assist(イーアシスト)と名付けられた先進安全装備パッケージが全グレード標準装備に。搭載機能は以下のとおりです。

フロントカメラで前方を監視し、前方車両や歩行者との衝突の危険があると判断した際にブレーキを制御して、衝突回避または衝突被害の軽減をアシストする「衝突被害軽減ブレーキシステム」。

駐車場などでのペダルの操作ミスをフォローする「踏み間違い衝突防止アシスト」。

高速道路などで車線からはみ出さないようにアシストする「車線逸脱警報システム」と「車線逸脱防止支援機能」。

ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」。
 

▲三菱 eKワゴン 安全▲ルームミラーが見えにくいときにボディ後方についたカメラが捉える映像をミラー内に映し出す「デジタルルームミラー」をGにオプション設定
 

【価格】デイズよりやや高めの設定に

新型eKワゴンと先代eKワゴンの2018年5月以降の最終型を比較すると、Mの2WDは先代が122万円だったのに対し、新型は129万6000円。

先進安全装備が標準搭載されたとはいえ、やや高くなったと感じる人がいるかもしれないですね。

デイスと比較すると、デイスのエントリーグレードであるSの2WDが127万3320円なので、少し高めの価格設定となっています。
 

 

【エンジン・燃費】長く使うほどに良さが分かる設計に

新型eKワゴンのWLTCモード燃費は、2WDが21.2km/LでGが21.0km/L、4WDが18.2km/Lになります。
 

搭載されるエンジンとCVTは新開発されたもの。eKクロスはここにモーターのアシストが加わりますが、eKワゴンはエンジンのみになります。

でもパワー不足に対する心配は無用。新開発されたエンジンとCVTにより低速域での加速感が先代よりも向上。とくに街中では停車状態からのスタートやバイパスでの合流など、アクセルを踏み込むシーンでストレスを感じることは少ないでしょう。

新型eKワゴン/デイズは、運転時のステアリングやシフトレバーの操作性、アクセルペダルの踏み込み角度が先代よりも徹底的に見直されています。

例えば電動パワーステアリングには、日産の上級モデルが採用するのと同じモーターを使うことで自然な感覚で操作ができるように。

シフトレバーは、ドライブ中に自然な角度で操作できるよう先代よりもレバーが立った感じになっています。

これらの改善はパッと乗っただけでは何が良くなったか分からないと思います。でも日常使い、そしてちょっと遠出を楽しもうというときの疲労度が変わってくる部分。

つまり使えば使うほど、「なんかいいな」と思えるような工夫がされていると言えるでしょう。
 

▲三菱 eKワゴン 走り▲eKワゴンは雪道やぬかるんだ道で片方の駆動輪が空転したときに、スリップした駆動輪にブレーキをかけることで路面をグリップしている駆動輪の駆動力を高める「グリップコントロール」を搭載

また、デイズシリーズやeKクロス同様に、新開発のプラットフォームのバランスが秀逸なので、高速道路を走るときもふらつきが少なくリラックスして運転しやすくなっています。

いまや軽自動車は普通車からのダウンサイジングを含め、家族のファーストカーとして多くの人が選ぶ時代。

買い物などの他、高速道路を使ってレジャーを楽しむ機会も多いでしょう。

価格帯や用途を考えるとMI-PILOTを選択するケースは少ないかもしれないですが、ロングドライブも楽しむ機会が多い人は、パッケージオプションを選ぶことを考えてもよいと思いますよ。
 

 

【中古車】エントリーグレードの未使用車が多い

2019年9月現在、新型eKワゴンの中古車が約60台カーセンサーnetに掲載されています。

そのほとんどはベースグレードのM(2WD)の届出済み未使用車で、価格は新車より15万~20万円ほど安くなっていました。

ナビなどのオプションも付いていないものが多いので、今中古車を選ぶならビジネスユースやとことん価格にこだわりたい人になるでしょう。

三菱のディーラーのWEBを見てみると、展示車はM、試乗車はGを用意しているところが多い印象です。

年末から来年3月にかけて、これらが中古車として市場に出てくる可能性は大。そうなれば低走行のGを探しやすくなりそうです。
 

文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/篠原晃一、三菱
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット500C by DIESEL