気づけば100万円台半ばで選び放題の旧型メルセデス・ベンツ Eクラス。ズバリ狙い目のグレードはどれ?
2019/08/31
オーナーに所有する喜びを与えてくれるEクラス
いつの時代も、プレミアムブランドの代名詞的存在であり、常に時代の最先端をいく自動車メーカーのメルセデス・ベンツ。
その主力モデルでもあり、セダンのグローバルスタンダートと言って良いのがEクラスだろう。
同社のフラッグシップモデルであるSクラスに比べると、当然だが快適性やスペック、そして見た目の迫力というか存在感のようなものは劣る。
ただ、プレミアムモデルらしい存在感、高速走行時の安定性、そして一目でメルセデス・ベンツとわかるデザインをもっているため、オーナーには所有する喜びを十分に与えてくれるモデルと言えよう。
そんな魅力的なEクラスだが、現行型は2016年7月に登場。新車時価格は、675万~1074万円と、高級車の部類に入ることは間違いない。
ハイヤーなどの法人ユースはもちろん、ドライバーズカーとしての人気も高いモデルだ。
旧型・前期モデルのEクラスが100万円台半ばで狙える状態に!
そんなEクラスだが、現在、旧型モデルの中古車平均価格が200万円ほどまで下がってきている。
さらに、「旧型の前期」に絞ると、なんと100万円台半ばでも様々な条件から選ぶことができる状態なのだ。
旧型・前期のEクラスについて簡単におさらいしよう。
旧型Eクラスは、2009年5月~2016年6月まで販売されたモデルで、2013年5月に大きなマイナーチェンジを受けエクステリアデザインが大きく変更された。
前期モデルはそのマイナーチェンジを受ける前、つまり2009年5月~2013年4月のモデルを指す。
ボディは先代モデルに比べ、全長+20mm、全幅+35mm、ホイールベース+20mmと拡充され、ゆとりある居住空間が確保された。
もちろん走りの方も抜かりない。ダイレクトコントロール・サスペンションやダイレクトステアリングなど当時の最新デバイスが装着され、優れた走行性能を実現。現在の車と比較しても高い安定性能を発揮してくれるはずだ。
そして、内外装には伝統と革新を融合させた新デザインが採用され、エレガントさとダイナミックさの両立が目指されていた。
特に外装デザインは、先代の丸目4灯から四角型のものに変更、全体的に角ばったものとなった。
最新型モデルと並べて見てしまうと、当然古さのようなものを感じざるを得ないが、今の丸みを帯びたデザインのモデルと比べると、力強さを感じさせると思うがいかがだろうか。
そして何よりのポイントは、ボンネット上に配されたスリーポインテッドスターのマスコットだろう。
昔のメルセデス・ベンツのほとんどのモデルに付いていたこのマスコット。安全上の理由から、徐々にその姿を消していき、このEクラスについても後期型モデルには付いていない。
以上を踏まえて、下記の写真をご覧になっていただきたい。……いかがだろう? 古さを感じるとはいえ(車に精通している人を除いて)これが100万円台半ばで買える車には到底見えないはずだ。
大きく5系統のグレードに分かれる
物件を選ぶ際に大きなポイントとなるのが、搭載されるエンジンの違いだろう。旧型・前期に搭載されるエンジンとそれぞれの流通台数は、大きく分けて以下の5通り。
1.8L 直4ターボエンジンを搭載するエントリーグレード。「ブルーエフィシェンシー」と銘打たれ、環境対策基準を達成。通常のガソリンエンジン搭載モデルとしては輸入車初となるエコカー減税対象車だった。車格の割にエンジンが小さいようにも見えるが、204ps/31.6kg・mを発生し必要十分なパワーをもっている。
流通台数:約60台
価格帯:120万~290万円
2009年5月~2011年10月生産された初期モデルは、231ps/30.6kg・mを発生する3L V6 NAエンジンを搭載。2011年11月のマイナーチェンジのタイミングでエンジンが3.5Lに変更されブルーエフィシェンシーの名が付いた。252ps/34.7kg・mと大きく出力が向上したにも関わらず、燃費は9.6km/L→12.8km/Lへと改善された。
流通台数:約30台
価格帯:100万~220万円
3.5L V6 NAエンジンを搭載。E300と同じく、2011年11月のマイナーチェンジのタイミングでエンジンが大きく改良されブルーエフィシェンシーの名が付けられた。改良前の初期型は272ps/35.7kg・mを発生し、燃費は9.5km/Lだったが、改良後は306ps/37.7kg・mを発生、さらに燃費も12.4km/Lへ改善された。
流通台数:約55台
価格帯:90万~260万円
5.5L V8 NAエンジンを搭載する、Eクラスの最上級モデル。こちらも2011年のマイナーチェンジのタイミングでエンジンが改良され、ブルーエフィシェンシーの名が付けられた。改良前でも387ps/54kg・mと大きなパワーを発生していたが、改良後は408ps/61.2kg・mまで出力が高められた。もちろん燃費も7.8km/L→10km/Lへとアップしている。
流通台数:約10台
価格帯:150万~200万円
シリーズ唯一のディーゼルモデル。3L V6ディーゼルターボエンジンを搭載。排出ガスに尿素水溶液「アドブルー」を噴射することにより化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を大幅に削減している。最高出力こそ211psと控えめだだが、5Lクラスのガソリンエンジンに匹敵する55.1kg・mという圧倒的なトルクを発生する。
流通台数:約15台
価格帯:120万~230万円
※流通台数、価格帯は2019年8月27日現在の情報
では、100万円台半ばで旧型・前期のEクラスを狙うならどんな物件が狙い目になるのだろうか。
オススメ①
ディーゼルのE350ブルーテックに狙いを絞る
ディーゼルエンジン搭載のE350ブルーテックは、2010年2月にラインナップに加わったが、2010~2011年式の登場初期のモデルを中心に車両本体価格150万円前後の物件が見つかる。
走行距離もおおむね6万~7万kmのものが多く、決して過走行のものばかりといった状況ではない。台数はごくわずかだが、5万km以下という物件もタイミングによっては見つかる。
しかもこのE350ブルーテックには、スポーティな装いのアバンギャルドのみしか設定されていない。ガソリンモデルのE300では、ノーマルとアバンギャルドの価格差が50万円であることを考えれば、お得感は高い。
ディーゼルならではの低回転からのトルクの太さも大変魅力的だが、高速走行時でも余裕ある走りを見せてくれ、さらに、昨今の燃料価格の高騰などを考慮しても、ディーゼルモデルのバリューは高いはずだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラス(4代目)×2009年5月~2013年4月生産モデル×E350ブルーテック系×車両価格160万円以下×全国オススメ②
レーダーセーフティパッケージ装着車を狙う
2011年11月以降のモデルには、オプションまたは一部のグレードに標準でレーダーセーフティパッケージが装着される。
これは「BAS(ブレーキ・アシスト・システム)プラス」および「PRE-SAFEブレーキ」といった安全支援システムや、「ディストロニック・プラス」という前車追従型のクルーズコントロールシステムが装備されるものだ。
100万円台半ばでこのレーダーセーフティパッケージ装着モデルを狙うとなると、エントリーグレードのE250系がターゲットになってくる。
E250系はエントリーグレードといっても、2011年11月以降のモデルはすべて7速AT化されており、よりスムーズなドライビングが可能になっている。さらには、燃費性能も若干だが向上している。
前述したように、小排気量ながらも決して非力ということはなく(むしろパワフルさすら感じる)、高速走行時にも余裕ある走りを見せてくれるはずだ。
過剰なパワーは必要ないけれども、渋滞時に快適に移動できることを考えればバリューは高いと言えよう。
台数は減るが、上位グレードのE300系でもタイミングによってはレーダーセーフティパッケージ装着車が見つかる。
プレミアムセダンらしい大排気量エンジンにこだわりがあるなら、こまめにチェックしてみてほしい。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラス(4代目)×2009年5月~2013年4月生産モデル×レーダーセフティパッケージ×車両価格160万円以下×全国▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラス(4代目)×2009年5月~2013年4月生産モデル×車両価格160万円以下×全国カーセンサー編集部
神崎洋平
小さい頃から車が好きで、中学生のころからカーセンサーを愛読。若者の車離れに一矢報いたいという動機で、2017年にカーセンサー編集部にやってきた。好きな車はセダンとスポーツカーで、現在の愛車はE90型BMW 3シリーズ。趣味はダム観賞で、休日には全国各地のダムへ足を運んでいる。
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