▲人気の4代目ジムニーは新車の納期が長くて、しかも中古車はプレミアム化。ならば3代目ジムニーに白羽の矢を当ててみてはいかが? ▲人気の4代目ジムニーは新車の納期が長くて、しかも中古車はプレミアム化。ならば3代目ジムニーに白羽の矢を立ててみてはいかが?


4代目となる現行スズキ ジムニーが人気です。ディーラーで新車をオーダーしたところ「1年待ち」を宣告される人が続出。デビューから1年が経ち、納車待ちは徐々に解消されてきていますが、依然として待たされています。

現在の納車待ちについてメーカー広報に聞くと、答えは「最寄りの販売店で確認ください」。仕様やオプションで納期は変わるし、まれにキャンセルが出て即納される場合もあるから……だそう。つまり「あったらラッキー」なのが現状です。

そんな4代目ジムニーに、すぐに乗りたいなら「中古車」が候補に挙がります。ただし、その人気と長い納車待ちが影響して中古車価格はプレミアム化。今乗っている車の車検時期が迫っているなど、買い替えのタイミングが近づいている方には悩ましい状況でしょう。

そこで検討したいのが、旧型となる3代目ジムニーという選択肢。3代目は中古車が豊富ですし、価格帯には予算に応じて選べます。では、3代目と4代目ジムニーはどこがどう違うのか、それぞれの特徴を比較してみましょう。
 

 

【概要】実のところ両車の基本構成に違いはない

最初に、新旧ジムニーの概要をおさらいしましょう。ここからは3代目、4代目ではなく、その型式から3代目を「JB23」、4代目を「JB64」と呼んで説明します。

JB23がデビューしたのは1998年。なんと20年以上も前! 超ロングセラーモデルであることがわかります。環境問題などから燃費や安全性が重視されるようになった時代です。そのニーズに応えるべく衝撃吸収構造フレームを採用し、ボディも丸みを帯びたデザインとなりました。当時はそういったデザインが、モダンで洗練されていると思われる傾向にあったからです。

また、スプリングが従来のリーフ(板状)からコイルに変更されたため、変化を嫌う一部のコアなオフローダーから「ジムニーは終わった……」という声があったほど。しかし、左右輪を1本棒でつないだような「リジッドアクスル式サスペンション」は踏襲し、本格的四駆としての足腰はキープ。コイルスプリングによって乗り心地がよくなったこともあり、なんだかんだ人気を集めました。
 

▲JB23。3ドアでボディは全車クローズドボディになっています。4代目と同じくオープンモデルはありません ▲JB23。3ドアでボディは全車クローズドボディになっています。4代目と同じくオープンモデルはありません

次にJB64。登場は2018年と最近ですが、20年以上前に設計されたJB23と同じくラダーフレーム構造で、サスペンションも3リンクリジッドアクスル式を採用しています。ただし、細かいところを見るとフレームは前後2本のクロスメンバーとミッシッョン部分にエックスメンバーが追加されています。結果、ねじり剛性がJB23に比べて1.5倍に。さらにラダーフレームとボディをつなぐボディマウントゴムも新設計。JB23よりサイズが大きくなり、乗り心地と走行安定性の向上に貢献しています。

ここで重要なのは、両車のアウトラインを見る限り、車体の構造や骨格の基本構成は変わっていないこと。JB23は20年以上も支持され続けたロングセラーですので、大きくは変えられないというのが実情でしょう。前述のとおり、ジムニーの信奉者ほど変化を嫌うという背景もあります。
 

▲JB64。JB23に比べて構造や骨格に変化はありませんが、ルックスから受けるイメージは四角くてより「レトロ」。新しいのに懐かしいのが魅力でしょう ▲JB64。JB23に比べて構造や骨格に変化はありませんが、ルックスから受けるイメージは四角くてより「レトロ」。新しいのに懐かしいのが魅力でしょう
JB64のラダーフレーム。メンバーの追加やボディマウントが大型化されています。ただ、JB23もJB64もラダーフレームの上にボディを載せているといった基本的な車体構成は同じです JB64のラダーフレーム。メンバーの追加やボディマウントが大型化されています。ただ、JB23もJB64もラダーフレームの上にボディを載せているといった基本的な車体構成は同じです

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【バリエーション】JB23は豊富な特別仕様車が狙い目

JB23のグレード構成はデビュー時がベーシックグレードの「XA」、量販グレードの「XL」、最上級グレードの「XC」の3種類。それぞれに5速MTと4速ATが設定されていました。そして1999年に2回目のマイナーチェンジを受けたとき(ちなみにJB23のマイナーチェンジの回数は9回)、「XA」と「XL」がなくなり、新たな量販グレードの「XG」が登場します。これ以降、グレード展開は「XG」と「XC」の2モデルとなっています。

デザインも1999年10月の1回目と1999年に2回目でグリルまわりを中心に変更されていますが、JB23の中古車を選ぶときに注目すべきは特別仕様車の存在。「ワイルドウインド」、「ランドベンチャー」、「X-Adventure」(クロスアドベンチャー)などが年に1回のペースで特別仕様車として発売されていました。なぜ、この特別仕様車に着目すべきかというと、専用ボディカラーが採用されていたり、専用デザインのフロントグリルやアルミホイール、ルーフレール追加など、特別な仕様と装備によってオトク感があるからです。

例えば、上記の2回目のマイナーチェンジ時に「KANSAI」(あの山本寛斎さんが携わっている)が発売されています。そのボディカラーはウィローグリーンとサターンブラックメタリック。これはカタログモデルにない設定です。もっとも「絶対に特別仕様車にしよう」と前のめりになるより、お気に入りのボディカラーを見つけたときなど「ピンときたら買い」くらいが正解です。

JB23に搭載されるエンジンは、直列3気筒DOHC「K6A型」の1種類。インタークーラーターボ搭載により、最高出力64ps、最大トルク105N・mを発揮します。これは当時のスズキの中核だったエンジンで、他のスズキ車種にも搭載されています。ただし、ジムニーに最適化して、出力特性はオフロード走行を考慮。低中速域での走りやすさを追求したセッティングになっています。2008年6月にエンジンが小変更を受けたときも、中低速域のトルク特性が改善されました。
 

▲JB23の特別仕様車「ワイルドウインド」。フロントグリルが専用デザインになっているほか、キャリアを固定できるルーフレールが付いています ▲JB23の特別仕様車「ワイルドウインド」。フロントグリルが専用デザインになっている他、キャリアを固定できるルーフレールが付いています

JJB64のグレードは3つ。上位から「XC」「XL」「XG」です。エンジンやサスペンションなど基本性能の部分は共通で、価格差のほとんどは標準装備の違いによるものです。

また、リアゲートなどにグレードを示すプレートやステッカーが貼られていません。しかも、ボディカラーはXCで受注生産となっている「キネティックイエローブラックトップ2トーン」を除けば、どのグレードもカラーラインナップは共通。下位グレードを選んでも、見た目の差はさほどありません。ちなみに、今のところ特別仕様車発売の情報はありません(2019年6月28日現在)。

エンジンはR06A型です。最高出力64ps、最大トルク96N・mを発揮します。JB23よりもパワーアップしているどころか、トルクの数値についてはわずかですが低くなっています。ただし、燃費はWLTCモードで13.2~16.2km/Lとなっています。JB23はJC08モードで13.6~14.8km/Lなので、数字だけ見ると拮抗しているように思えますが、WLTCモードはより実燃費に近い測定法ので、燃費はJB64に軍配が上がります。

軽自動車のパワーは自主規制でもありますので、技術の進化によるエンジンの性能アップは燃費や環境性能に振り分けられていると考えるのが妥当でしょう。
 

▲JB64では、XCグレードのみアルミホイールが標準装備。XCにしか設定されていないキネティックイエローブラックトップ2トーンと併せて、上位グレードだと一見して分かるポイントです ▲JB64では、XCグレードのみアルミホイールが標準装備。XCにしか設定されていないキネティックイエローブラックトップ2トーンと併せて、上位グレードだと一見して分かるポイントです
 

【外装】JB23はむしろ新しい

JB23か、それともJB64か。この選択に結論を求める部分があるとしたら、それはエクステリアでしょう。ジムニーに限らず、スタイリングで車を選ぶのは当たり前のこと。言うに及ばずの感すらあります。しかしジムニーの場合、一般的な車とはちょっとした逆転現象があります。そのキーワードは「JB23はむしろ新しく、JB64はあえて古い」です。

JB23は20年前の車とはいえ本格的な悪路走破性能をもった4WDとして、新鮮なデザインが随所に取り入れています。具体的には、丸みを帯びたフォルムになっていたり、空気抵抗を減らすためにフロントウインドウの傾斜を寝かせていたり、造形の凸凹が少ないフラッシュサーフェイス化を行なっていたり、ヘッドランプユニットが異形でデザインに凝っていたり……。こういったエクステリアの方向性は、最新の4WDにも通じるものがあります。

対して、JB64は作業車を想わせるようなスクエアなフォルムです。フロントウインドウの角度も立ち気味。ヘッドライトなどは伝統的な丸目です。さらには空気抵抗が増えるのを承知で、利便性を重視してルーフドリップが復活しています(ここにルーフキャリアを固定できます)。これらはJB23よりも古い世代のジムニーに通じるデザイン。一般的な車がモデルチェンジで「正常進化」を目指すとすれば、JB64は「正常退化」を実践しているかのようなエクステリアとなっています。

まとめると、今風の洗練されたデザインが好みであればJB23、懐かしさを伴う無骨なデザインが好みであればJB64がオススメ。ただ、JB64のエクステリアにも新しいところがあります。それは左ドアミラーに備わったサイドアンダーミラーです。JB23のサイドアンダーミラーは左フェンダー先端にキノコのように生えています。これがない分、JB64はスマートになっています。
 

▲JB64のサイドアンダーミラーはフェンダーの先端ではなく、ドアミラー下部に備わっています ▲JB64のサイドアンダーミラーはフェンダーの先端ではなく、ドアミラー下部に備わっています
 

【内装】質感は両車変わらず

一般的に「新型になって質感が増した」という変化はインテリアでは珍しくありません。ただし、JB23とJB64を比較した場合、質感の高低差はかなり控えめ。理由は、軽自動車ゆえにモデルチェンジに際してもコストアップがなかなか難しいこと。インテリアはコストの多寡が如実に反映されてしまう部分なのです。

そのため、両車のインテリアは良くいえばシンプル、悪く言えば質素です。ただ、ジムニーのような道具感の強い車の場合、それは個性として受け入れられています。

質感は同程度ですが、直線基調のデザインになっている分、JB64は道具感は強め。JB23は外装と同じく柔らかい造形で、一般的な乗用タイプの車の雰囲気に近いものとなっています。

そんなJB23について、20年の変遷の中で変更を受けたポイントがあります。1999年10月には下位グレード「XA」にもパワーウインドウが備わるようになりました。2000年4月にはキーレスエントリーが赤外線から電波式に変更。感度が高いのは後者です。2004年10月にはセンターコンソールを中心にインパネのデザインも変更されています。ここで重要なのはデザインよりも、使い勝手に関する変更です。それまで2WDと4WDと切り替えはサイドブレーキ横にあるトランスファーレバーで行う形式でしたが、スイッチ式になり、インパネに配置されました。同時にATのシフトレバーは直線式からゲート式に変更。これは慣れの問題ですが、ゲート式は「シフトミスが少ない」ともいわれます。
 

 

【走り】快適性と静粛性はJB64が勝る

先に言っておきたいのは、「ジムニーは軽自動車として加速が鈍くて、燃費もそれほど良くない」ということ。そのため、あくまで「ジムニーとして」の走行性能として違いをお伝えします。

JB64とJB23のボディサイズ、車両重量、エンジンの最高出力&最大トルク、サスペンション形式はほとんど同じです。しかしながら両車には基本設計に20年もの差があります。比較した場合に強く感じるのは、乗り心地と快適性、静粛性に大きな差があること。JB64の方が断然優れています。

路面のつなぎ目を乗り越えた際の衝撃吸収、コーナリング時のロール、高速道路での車線変更など、オンロードではすべての面でJB64がスムーズに感じます。乗用車から乗り替えた人でも大きな違和感はないと思います。

またギア比、特にファイナルギアが変更されたことでJB64は4速と5速が高速化。100km/hの巡航時におけるエンジン回転はJB23が約4300回転、JB64が約3600回転と700回転の差があります。この差による静粛性は大きいでしょう。特にJB23に搭載されているK6A型エンジンは4000回転からエンジン音が高まり、また燃費も悪くなります。ロングドライブすると乗員の疲労度、そして燃費に大きな差が生じるのです。

気になるのはアクセルペダルを踏み込んだときのレスポンス。JB23はワイヤー式、JB64は電子制御式を採用しています。アクセルレスポンスに関してはJB23の方が上。JB64はワンテンポ遅れてから加速するのが気になるポイントとなります。
 

▲JB23は電子デバイスの介入がないので、自分の運転技術を試せます。それが掛け替えのない魅力と言えましょう ▲JB23は電子デバイスの介入がないので、自分の運転技術を試せます。それがかけがえのない魅力といえましょう

オフロード走行に関して、ビギナーならJB64の方が優れたパフォーマンスを発揮します。対角線スタックになったら「ブレーキLSDトラクションコントロール」が介入して前進を続けます。急斜面の下りも「ヒルディセントコントロール」がスピードを抑えて安全性を確保。ドライバーはステアリング操作に専念できます。

しかしオフロード走行になれた人が過酷な地形や競技を楽しむとなると話は別。電子デバイスが思うような操作や走りの妨げとなるのです。また、JB23はサスペンションやLSD、デフロック、ローギアなどオフロード性能を高めるアイテムが、アフターマーケットにたっぷりと用意されています。オフロード走行を楽しみたい人は、JB23を選ぶ方が満足感が高いでしょう。

ただし注意したいのはすべてのJB23に当てはまらないこと。初期の1型から2004年10月まで発売された4型はギア比が高くて全体的にトルク不足。オフロード走行を左右する低速域の走りが苦手なのです。オフロードを楽しみたいのであれば5型以降を選びましょう。

また2008年6月にマイナーチェンジされた7型はシリンダーヘッドの改良により中・低速機のトルクがさらに改善。それまで不可能だった2H-4L間の直接シフトが行えるようになり操作性も向上。最終モデルは10型ですが、マイナーチェンジの度に確実に進化してきました。初期の1型と10型を乗り比べたら同じ車とは思えないほど違いがあります。
 

 

【居住性】室内はJB64の方が広々と感じる

JB23とJB64を比較すると、室内はJB64に軍配が上がります。どちらも軽自動車のボディサイズ内で作られているのに、なぜ差があるのか。その答えはボディ形状にあります。JB64はフォルムがスクエアで、ボディのサイドパネルもほとんど垂直。このためJB64の室内幅は1300mmで、JB23よりも80mmほど拡大。もともとコンパクトな軽自動車で80mmの差は大きく、JB23からJB64に乗り替えると「ボディの幅が広くなったのでは」と錯覚するほどです。

一方、室内高はJB23はJB64よりも10mm高くなっています。ところが、JB64は左右方向のヘッドクリアランスが室内幅と同じ理由で広がっているため、JB23よりも開放感が高く感じられます。軽自動車とはいえ室内の開放感を重視するのであれば、JB64を選びたいところです。
 

▲JB64はスクエアなボディデザインによって、室内空間もスクエアとなっています。結果、室内が広く感じられます
▲JB64はスクエアなボディデザインによって、室内空間もスクエアとなっています。結果、室内が広く感じられます
 

【積載性】JB64は荷室の床がフラットになる

JB23はリアシートを倒すと拡大された荷室の床はフラットになりますが、倒したシート背面のところに段差ができてしまいます。さらにリアタイヤのホイールハウスが荷室に出っ張っていて、フルフラットにはなりません。

一方、JB64はホイールハウスの出っ張りもなく荷室がフルフラットになります。クオーターウインドウ下のラゲージルーム側面もほぼ垂直なので、荷物が積みやすくなっています。また、そのラゲージルーム側面にはボルト穴(M6)が設けられています。ここにフックやアイボルトなどを取り付ければ荷物を固定できるだけでなく、棚を備え付けることも可能です。

つまり、JB23はたくさん荷物を積むときに荷室の凸凹に合わせて荷物の置き方を考慮したりと工夫が必要。一方でJB64は積むのがイージーです。
 

▲JB64のラゲージスペース。(荷室幅1300mm、荷室高850mm) JB64の室内寸法は長さ1795mm×幅1300mm×高さ1200mmです。ちなみにJB23は長さ1660mm×幅1220mm×高さ1210mm(一部グレードでは異なる) ▲JB64のラゲージスペース。(荷室幅1300mm、荷室高850mm) JB64の室内寸法は長さ1795mm×幅1300mm×高さ1200mmです。ちなみにJB23は長さ1660mm×幅1220mm×高さ1210mm(一部グレードでは異なる)
 

【先進装備】悪路を走破するための電子制御が備わるJB64

JB23もJB64も本格派オフロード4WDとして高い悪路走破性を備えています。長いサスペンションストロークをもつ前後リジッドアクスル式のサスペンションや、より低いギア比でジリジリと低速で走れる副変速器などは両車に共通です。

ただしJB64は、電子制御によって悪路走破性がさらに高められています。具体的にはブレーキLSDトラクションコントロール、ヒルホールドコントロール、ヒルディセントコントロールが走行をサポートします。ブレーキLSDトラクションコントロールとヒルディセントコントロールは、熟達したオフロード走行のスペシャリストが駆使していたような一種の「技」を自動的に再現。うっかりスタックしたり、滑りやすい下り坂でコントロールを失うことを防いでくれます。

また、ヒルホールドコントロールは悪路だけでなく、日常の坂道発進でもイージードライブを支えてくれます(5MT)。このような先進装備に魅力を感じる人にはJB64をオススメします。
 

 

【安全性能】JB64はスズキセーフティサポートを設定

JB23とJB64の違いが顕著に現れるのが安全装備。運転を支援してくれる機能などはJB23に望めませんが、マイナーチェンジの節目に安全性を高めてきたのも事実でしょう。具体的には、1999年10月にエアバッグとABSを全車に標準装備(それ以前はセットオプション扱い)。デビューからわずか1年後の変更ということもあり、中古車のほとんどはエアバッグとABSが付いています。2012年5月からは後席シートにISO FIX対応のチャイルドシートアンカーも装備。後部座席にチャイルドシートを置く予定があれば、この年式以降のモデルを選びましょう。

一方、JB64は「スズキセーフティサポート」を備えています。これは「サポカーSワイド」に分類される先進安全技術で、自動(衝突被害軽減)ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトなどが含まれます。もちろんABSに加えて、現在では装着が義務づけされているESP(横滑り防止装置)も付いていますし、エアバッグに至っては6個も装備しています。

安全性を重視するのであれば、JB64の一択と言っていいでしょう。ちなみに、スズキセーフティーサポートは上位グレードのXCに標準装備。それ以外はメーカーオプションとなっています。
 

 

【中古車価格】今後JB23が高騰するかも?

JB64はデビューから半年が経ち、中古車市場にも出回ってきましたが、価格は新車とさほど変わりません。場合によってはプレミアが付いていることも。しかし注文しても1年待ちの状態ですから、どうしてもすぐに欲しくて予算がある人は、好みのグレードやボディカラーを見つけたら検討してみるのがよいでしょう。

一方で、JB23は歴史が長い分だけ中古車市場でもタマ数が豊富。修復歴ありも含めると、カーセンサーには2100台以上も掲載されています(2019年6月28日現在)。ジムニー専門店が独自にカスタム&チューニングしたオトクなコンプリートカーや、好みのブランドアイテムを装着した中古車などが見つけられるかもしれません。

カーセンサー掲載車両の平均車両価格は81.8万円とお手頃ですが、価格帯は10万円以下から300万円近くと幅が広く、選びやすくなっています。ただ、JB64の人気が続いて新車の納期が縮まらない場合、JB23の人気も高まる可能性があります。そうなるとJB23の価格が高騰することもあるでしょう。JB23の購入を考えている人はその見極めも大切になってきます。中古車市場の動向を細かくチェックして買い時を判断しましょう。

なお、購入時にもチェックしたいポイントがあります。それはエンジン。ジムニーは軽自動車としては車重が重いため、アクセルを踏み込む人が多いのです。ターボに負担がかかるのですが、エンジンオイル交換がずぼらだとタービンのオイル流路にスラッジが付着してブローします。エンジンをかけて白煙を排出したらタービンが不調の証しですので避けましょう。

また、ボディがキレイでも下まわりがオフロード走行でキズ付いている車両があることも注意。雪国で乗っていた車両はサビにも気をつけたいですね。
 

text/グラブ
photo/スズキ
 

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