「うまい話」は希にある! 総額100万円台から狙える最高の輸入車。それは今、2016年モデル以降のシトロエン DS3なのかも
2018/02/12
「安いのに良いモノ」というのは存在しづらいはずだが?
内外装ともに小じゃれていて、いろいろな意味でかなり「いい車」で、周囲から「おっ、イイの買ったね!」なんてちょっとホメられそうで、運転が楽しいのに燃費はまずまずで、けっこう頑丈で、それでいてお手頃プライスな輸入車。
……なんて車がもしもあれば話は早いのだが、現実は厳しい。
前記の条件を確実に満たす車は高額なため手が出ず、かといって手が出せる車は、前記条件を満たさないことが多い。そしてじっと手を見る……というのが、基本的には現代資本主義社会の実像だ。要するに「うまい話」はないのである。
しかし、世の中にはごくごく希に「うまい話」も存在する。
この場合で言えば「内外装ともにおしゃれで、いわゆるいい車で、周囲からもホメられそうで、運転が楽しいのに燃費良好で、さほど壊れず、それでいて結構お手頃プライスな輸入車」というのが、中古車市場にはごくごく希に出現するのだ。
例えばそれは今、2016年モデル以降のシトロエン DS3(初代)のユーズドカーだと断言したい。
ステキな車だが前期型と中期型には少々の問題点も?
シトロエン DS3というのはフランスのプジョー・シトロエン社がシトロエンブランドにて2010年から販売しているプレミアムコンパクト、要するに「けっこう上等な小型輸入車」である。
ちなみに2016年6月1日にシトロエンの上級ライン「DS」は新ブランドとして独立したのだが、話がややこしくなるので、その点は無視してこのまま「シトロエン」として進めさせていただく。
で、このシトロエン DS3。いい車だ。見てのとおりデザインは内外装ともシュッとしており、走らせてみても小型車ながら重厚な感じで、しかしそれでいてやっぱり小型車らしい軽快感もある。とにかく、選んで間違いなしのステキな車だ。
だが2014年1月までの前期型AT仕様は、パワートレインにちょっとだけ問題もあった。いや決して悪くはなく、むしろ筆者は割と好きなのだが、ごく普通の1.6L 4気筒+4速ATという組み合わせは燃費の面でも「楽しみ」という面でも決して最良ではなかった……ということだ。
しかし2014年2月のマイナーチェンジでそのパワートレインは丸ごと刷新された。エンジンは自然吸気の1.2L 3気筒となり、トランスミッションも「ETG5」という名称の5速セミATに。
これによりベースグレードの燃費は約49%改善して18.6km/L(JC08モード)を実現。めでたしめでたし……と思ったわけだが、しかし「ETG5」には若干の難もあった。や、決して悪い変速器ではないのだが、変速時にどうしても「息継ぎ感」のようなものが発生してしまうのだ。そしてそれを解消するには若干のコツが必要だった。
しかし2015年11月以降のパワートレインは本当に素晴らしい!
それらの問題点(?)を丸ごと一気に解決したのが2015年11月のマイナーチェンジ、すなわち2016年モデルの登場だ。
1.2Lの3気筒エンジンは最新設計の直噴ターボ版となって最高出力が34%、最大トルクは実に74%も向上。これによりベースグレードのシックはめっぽうトルクフルな車へと生まれ変わった。
そしてトランスミッションは5速セミATのETG5を廃し、日本のアイシンAWが製造する「EAT6」という最新式の多段ステップATに完全変更。これがまたレスポンスにおいてもスムーズさにおいてもかなり素晴らしいATなのだ。前期型シックに使われていたAL4という4速ATと比べれば、故障も明らかに少ないはず。
つまり2015年11月をもってシトロエン DS3(のシック)は、冒頭のとおりの「内外装ともに小じゃれていて、いろいろな意味でかなり『いい車』で、周囲から『おっ、イイの買ったね!』なんてちょっとホメられそうで、運転が楽しいのに燃費はまずまずで、けっこう頑丈な車」として完成したのだ。
残る問題は「それでいてお手頃プライス」なのかどうか……ということだが、結論として2015年11月以降のシトロエン DS3はかなりの「お手頃プライス」である。
DS3シックの新車本体価格は259万円で、諸々のオプションや諸費用もコミの支払総額は320万~330万円ぐらいといったところ。
だが2015年11月以降中古車であれば、支払総額は「180万円ぐらいから200万円ちょいぐらい」だ。それもただの中古車ではなく、走行1万km以下のバリ物系中古車が、である。
これを「お買い得」あるいは「うまい話」と言わずに何をそう言うのか? 筆者には、ちょっとわからない。
▼検索条件
シトロエン DS3 2016年モデル以降(初代)×総額240万円以下×総経距離1万km以下×総額表示あり×修復歴なしあわせて読みたい
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