▲内燃機関ではなく電気でモーターを動かして走行する電気自動車を中古車で選ぶことは、街乗り中心の人にとってベストな選択となるかもしれませんよ! ▲内燃機関ではなく電気でモーターを動かして走行する電気自動車を中古車で選ぶことは、街乗り中心の人にとってベストな選択となるかもしれませんよ!

新型の登場で初代の流通量が増える可能性大

航続距離が400km(※JC08モードでのカタログ値。実際の航続距離は250㎞前後になるようだ)まで伸び、様々な先進装備が搭載された電気自動車、新型リーフ。デザインも一新され、注目を集めていますね。これから、街で見かける機会も増えてくるでしょう。

▲Vモーショングリルを採用するなど、日産デザインのアイデンティティが組み込まれた新型リーフ ▲Vモーショングリルを採用するなど、日産デザインのアイデンティティが組み込まれた新型リーフ

そして同時に、初代リーフの中古車は流通台数が増えてくることが予測できます。

新車時価格300万円以上した初代リーフ
現在の中古車相場は……?

実はこの初代リーフが今、かなりお得な相場になっているんです。下記、2018年1月30日時点の価格帯をご覧ください。

●航続距離200kmの前期型(2010年12月~2012年10月生産):40万~100万円
●航続距離228kmの後期型(2012年11月~2017年9月生産):70万~170万円
●航続距離280kmの30kWhモデル(2015年11月~2017年9月生産):130万~250万円
※JC08モードでのカタログ値。実際の航続距離は異なる

もちろん、「6年落ちで車両本体価格50万円以下」という状況の中古車は、他車種でも存在しますが、リーフの中古車は総じて走行距離が少ないことが特徴です。例えば、2011年式、走行距離3万km未満で車両本体価格50万円以下という物件も。

▲こちらは、カタログ上の航続距離が280kmまで伸びたときに登場したエアロスタイルの初代リーフ ▲こちらは、カタログ上の航続距離が280kmまで伸びたときに登場したエアロスタイルの初代リーフ

これを見て「リーフの中古車って大丈夫なの……?」と感じる人もいるようですが、リーフの中古車相場が安いのには予想できる理由がいくつかあります。

1:中古車としての歴史が浅い
中古車相場は、その車を欲しいと思う人の数(需要)=人気と、流通量(供給)のバランスで決まります。電気自動車はガソリン車やハイブリッドカーに比べると中古車としての歴史が浅く、車を買い取るお店が需要をつかみにくい状況。そのため、買い取り(下取り)額が抑えめになることが多くなり、その分販売価格も安めになっているのです。

2:新車購入時に高額の補助金が出る
リーフは「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の対象車となっていて、新型の場合、購入時に40万円(2017年12月時点)の補助金が出ます。つまり、諸費用やオプションを一切無視すると、新車価格315.036万円の新型リーフ Sは実質275.036万円で購入できる計算です。そうなると、旧型の高年式の中古車はそれより安い価格にしないとうまみがまったくないことに。実際、2017年式の旧型を見ると走行0.2万~0.3万kmのものがだいたい250万円前後の値になっています。つまり、さらに年式が低いものは高年式車につられる形で相場が安くなっているのです。

3:初代の初期モデルが市場に大量に出てきた
先ほど記述した「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」を受けた場合、一定期間の保有義務が発生します。現在は3年ないし4年となっていますが、旧型リーフが登場したときは6年間の保有義務がありました。2010年12月から販売が始まった旧型リーフは2016年12月から保有義務を終えたものが中古車市場に一気に出てきました。その結果、供給が需要を上回り、中古車相場が安くなっていると考えられます。

▲ちなみに「バッテリーは大丈夫かな?」と心配になる人も多いと思います。実際、初期モデルだと新車時に比べてバッテリー性能が低下している可能性は否めません。そのため、万人がやみくもに検討するというよりは、普段の用途から考え“向いている”と判断できる人がお得に手に入れてほしい車です ▲ちなみに「バッテリーは大丈夫かな?」と心配になる人も多いと思います。実際、初期モデルだと新車時に比べてバッテリー性能が低下している可能性は否めません。そのため、万人がやみくもに検討するというよりは、普段の用途から考え“向いている”と判断できる人がお得に手に入れてほしい車です

以上のような理由と電気自動車の特性を踏まえたうえで、初代のリーフの中古車が「お得な選択」になりそうな人を考えてみました。

■30km圏内の通勤車、セカンドカーを探している人
通勤で毎日決まった道を走るための車を探している人にとって、ガソリン車よりも燃料代(電気代)が安いリーフは都合のいい車です。特に、通勤距離が片道30km以内くらいなら、まず往復の通勤で電欠になることはないはず。また、買い物や保育園への送迎など、比較的短距離を走る使い方にも適しています。長距離ドライブに使える車がすでにあり、奥さま専用車など2台目の車を買おうと思っている人は検討の価値大です!

■充電設備が身近にある人
自宅に充電設備を設置できれば、帰宅後に充電し、翌朝には満充電で出発できます。日産のホームページによると「200V 戸建住宅の例(コンセント屋外設置)」として工事価格は9万5000円(税抜)。もし自宅に充電設備を設置できなくても、日産の「ZESP2」に加入すれば月額2000円で全国にある5500基以上の充電器で充電し放題になります(日産ディーラー以外での購入でも加入可能)。

■ガソリンスタンド過疎地に住んでいる人
最近は、ガソリン販売量の減少からガソリンスタンドの数が少なくなっています。とくに地方ではこの問題が深刻で、ある日、居住地にあったガソリンスタンドがなくなってしまい、給油のために遠くまで時間をかけて出かけなければならなくなった……なんてケースもあるそうです。電気自動車なら、自宅に充電設備さえ整えてしまえば、ガソリン車のようにわざわざガソリンスタンドまでいく必要はありません。

▲購入後、どのように使いたい車でしょうか? 「距離」「頻度」「環境」などの点で考えてみてください ▲購入後、どのように使いたい車でしょうか? 「距離」「頻度」「環境」などの点で考えてみてください

ガソリン車やハイブリッドカーとは違った特性がある電気自動車。特に大きな違いは、航続距離の短さと充電にかかる時間でしょう。しかし、使う人・使い方によってはそれらの違いがプラスになることもあるはずです。

もちろん、電気自動車ならではの利点もあります。

例えば、維持費。リーフは毎年の自動車税が排気量1L以下のガソリン車と同じ2万9500円。電気もガソリンに比べると安いので、トータルの維持費を抑えることが可能です。

また、エンジンを積んでいない電気自動車はとにかく静か。モーターはアクセルを踏んだ瞬間から大きなトルクを発生できるため、加速力もズバ抜けています。これまでガソリン車しか乗ったことがない人は、初めて電気自動車に乗るとその違いに驚くはず!

前述したような「お得な選択」になりそうな人、そして電気自動車に魅力を感じている人は、ぜひこの機会に初代リーフを検討してみてください。

▼検索条件

日産 リーフ(初代) × 修復歴なし
text/高橋 満(BRIDGEMAN)
photo/篠原晃一、日産自動車