▲ハイエースバンは新車デビューから11年が経過していますが、中古車市場ではいまだに人気が高いんです ▲ハイエースバンは新車デビューから11年が経過していますが、中古車市場ではいまだに人気が高いんです

トヨタのすごみを感じさせるロングセラー商用車、ハイエースバンをオシャレに使いたい

人間は浅はかなもので、きらびやかなものに目を奪われがちです。そりゃ、カッコいいスポーツカーだったり、ン百馬力のハイパワーエンジンを搭載するモンスターマシンだったりすれば、おのずと車メディアや車好きの注目度は高まるものです。

でも、本当に自動車メーカーのすごさを感じさせるのはボリュームセラーだったり、超絶の耐久性を誇る車です。そんななか日本で注目すべきは働く車の代名詞的存在、トヨタハイエースでしょう。ハイエースは運送業や飲食業、建設業、ホテル・旅館業など……、ありとあらゆる業種で活躍しています。

旧型モデルは15年製造が続いたロングセラーで、現行モデルもデビューからすでに11年が経過しています。原稿執筆時点(11月28日)でハイエースの中古車を眺めてみると、ようやく100万円台前半から狙えるようになっています。絶対金額では身近になりつつありますが、新車時価格が227万円~だったことを鑑みれば、値落ち率は低い車と言わざるを得ません。

この中古車相場の背景には日本での需要の多さのみならず、近隣諸国からの引き合いが強いことも影響しています。これは購入時の金額が多少高くとも、下取り価格への期待ができることも意味しています。

▲“働く車”ゆえにきらびやかさは皆無ですが、必要な快適装備は一通り揃っています ▲“働く車”ゆえにきらびやかさは皆無ですが、必要な快適装備は一通り揃っています"

しかもハイエースは働く車としてだけではなく、趣味の車としても根強い需要があるんです。日本の道路事情に適したほどほどのボディサイズながら、“箱”のような広い荷室を活用して趣味のグッズを満載することができます。それこそ競技用バイクやサーフボード、アウトドアグッズなどオーナーの想像力次第とさえ言えるでしょう。

ハイエースの魅力は、商用車ならではのギミックを排除した“潔さ”にあります。最近、「ブランドストーン」というオーストラリアのブーツが世界中で流行っていますが、元は肉体労働者のいわば“商用”靴でした。ギミックを排除した潔さは、ファッショナブルなモノとしてもてはやされる傾向があるのかもしれません。

▲ホイールベースの長さ、全高の高さ、床面の高さもバリエーション豊富にグレード設定されています ▲ホイールベースの長さ、全高の高さ、床面の高さもバリエーション豊富にグレード設定されています

そういう意味では、ハイエースも“ファッショナブル”だという捉え方ができます。全長、全幅、全高には様々なバリエーションが用意されており、パワーユニットも豊富です。基本、軽い車ですから思いのほか速い、というギャップも面白いです。そして、ハイエースの最もすごい点は、その抜群の耐久性がポイントです。

もちろん、機械ですから消耗品や、トラブルと無縁なわけではありません。しかし、トラブルの類は“たかが知れて”いますし、容易に修理ができるものばかり。だからこそ、自動車整備工場がさほど充実していない地域でも日本からの中古車として活用されているんです。

ようやく新車時の半分ほどで狙えるようになったハイエース、中古車物件をご覧になってみてはいかがでしょうか?

text/古賀貴司(自動車王国)
photo/トヨタ自動車