インディをはじめ、数々のレースで活躍するプロレーシングドライバー・ロジャー安川氏が、北米でしか販売されていない魅力的な車を日本のみなさんに紹介します。

よりパワフルに変身し、SUVというよりトラックというイメージの外観

トヨタ セコイア フロントスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ セコイア リアスタイル|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑フロントから見るとアメ車っぽいごっつさがあります。兄弟分でもあるピックアップトラックのタンドラと顔はそっくり
米国TOYOTA車のラインナップの中で、最も大きいフルサイズSUVとなるセコイア。大型ピックアップトラックのタンドラとプラットフォームを共用しています。ランドクルーザー200と比較しても全長で260mm、全幅で59mm、全高で30mm大きなサイズです。共に北米だけでの販売ですが、最近はガソリン価格の高騰で販売台数は伸び悩んでいます。とは言うものの、荷物を載せるカーゴスペースや、乗員人数、レジャー用にボートやキャンピングカーを牽引できる実用性の高さに関して、フルサイズSUVはアメリカンファミリィには必需品なような気もします。
今回試乗した08年モデルのセコイアは、中級モデルにあたるLimited。2代目セコイアの外見は、よりパワフルに変身していてSUVというよりトラックというイメージ。初代モデルよりも、モデルチェンジをしたセコイアは、兄弟とも言えるタンドラと正面から見ると瓜二つです。Limitedは18インチのホイールが標準装備されていますが、08年モデルから新しく用意されたPlatinumモデルは20インチホイールとDVDナビが標準装備されています。

トヨタ セコイア インパネ|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ セコイア 後席ドリンクホルダー|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑後部座席の空間も広くて、アメニティも充実。2列目のシートはスライド式で、3列目への乗り降りが楽
インテリアはシンプルにまとまっていて、メーター回りは意外とレーシーに見えます。何よりも驚くのは2列目と3列目シートの足回りの広さです。2列目シートは前後にスライドができます。また3列目に座ってもロングドライブが楽々こなせます。
ランクルほど精巧な4WDが装備されているわけではないですが、内装のクォリティやアメニティに関しては、決して負けてはいません。一家に一台というより、一人に一台がアメリカでの常識。とはいえセコイアとプリウスが、一家に一台ずつあるほうが理想に思えます。

トヨタ セコイア エンジン|ロジャー安川の米国自動車浪漫 トヨタ セコイア 走り|ロジャー安川の米国自動車浪漫
↑5.7LのV8エンジンは、なんと381馬力!! トルクバンドをうまく使って走れば燃費も向上して一石二鳥です。ただシルバーのダッシュを見ると、本気で走りたくなってしまいますが…
エントリーモデルのSR5は4.7Lエンジンをオプションで選ぶことができますが、LimitedとPlatinumには381馬力の5.7Lエンジンが搭載されています。このエンジンは、ベースモデルの4.7Lエンジンよりも100馬力以上あり、トルクも図太いので、ちょっとアクセルを踏むだけでスムーズに加速してくれます。燃費も4.7Lエンジンとほとんど変わらないので、5.7Lエンジンのほうが、ごっついイメージのトラックにはピッタリのパワー。
フルサイズSUVは車体重量が重たく、ロールセンターが高いためどうしてもコーナリング時はフワフワ感が出てしまいますが、デコボコの道でも振動は少なく乗り心地はとてもスムーズ。ただ、欲を言えばもうちょっと路面からハンドルへのフィードバックが欲しい気がします。

並行輸入で日本に入ってくることもありますから、この車種の物件が気になった方は、下の検索窓に「トヨタ セコイア」と入れて探してみてください。
 


主要諸元のグレード:Limited 駆動方式:4WD トランスミッション:6AT 全長×全幅×全高:5210mmX2029mmX1910mm ホイールベース:2742mm 車両重量:2742kg 乗車定員:8 エンジン種類:DOHC V型8気筒 総排気量:5.7L 最高出力:381ps/5600rpm
最大トルク:55.4kg-m/3600rpm 10・15モード燃費(km/L):- ガソリン種類/容量:無鉛プレミアム/100L 車両本体価格:$45,225(約500万円)

(Tester/ロジャー安川 Photo/竹内英士)