日本中を旅したくなる! 超変わり種モデル“スマート クロスブレード”をテリー伊藤が物色
2020/03/28
車として見ている限りは永久に乗れない。そんなモデルです
今回は、「高輪自動車」で出合ったスマート クロスブレードについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
今回は、車に詳しい人が見てもおそらくトップクラスで変わり種に位置づけられるモデルを紹介します。
2002年にわずか25台限定で発売された、スマートクロスブレード。屋根はおろか、ドアもウインドウも存在しないものすごいモデルです。
新車時にもいいなと思いましたが、今から7年ほど前でしょうか。僕はこのクロスブレードが猛烈に欲しくなり、カーセンサーを毎日チェックしていました。
当時は同じ年式の普通のスマートが90万円前後だったのに、クロスブレードは160万円くらい。ずいぶん高いなと思ったのを覚えています。
僕がカーセンサーを見たときは、クロスブレードが4台掲載されていました。どれも走行距離はわずか数10km。つまり25台限定で発売されたクロスブレードは、ほとんどが一般の人ではなく業者が買って保管していたのです。
思い入れのあるクロスブレード。僕は九州のお店に電話して商談を重ねました。でも結局僕は買いませんでした。なぜなら当時はまだ僕が人として未熟だったから。
すごく欲しいのに「でも雨が降ったらどうしよう……」「荷物はどうしよう……」と考えてしまい、最後の一歩を踏み出せなかった。
当時の僕はクロスブレードを“車”として捉えていました。
包容力のある男性なら、たとえ未熟な女性のことでもいい部分を見つけられるもの。僕は「もっと料理が上手だといいのに」と考えてその女性の本当の魅力に気づかない、器の小さな男だったのです。
もしクロスブレードを40代、50代で買おうと思える人がいたらかなりの上級者だし、人としての幅広さを感じます。見事としか言いようがない。
僕は古希を迎え、ようやくクロスブレードを受け止められるようになったと思います。
僕はこれまでハーレーなど何台かバイクにも乗ってきました。クロスブレードは、バイク、あるいはトライクのつもりで選ぶと気が楽になります。
バイクに乗る人は、ドアやフロントウインドウがないことを気にしないですよね。むしろ車にはない、バイクならではの開放感を楽しんでいる。その気持ちさえあれば何も困ることはありません!
テリー伊藤ならこう乗る!
このクロスブレードは走行距離が2万7000km。前のオーナーは相当頑張ったことがうかがえます。
ただ、リアに貼られたブラバスのエンブレムはよくない。だってクロスブレードにはブラバス仕様が存在しないのですから。僕が乗るとしたら真っ先にこれを剥がします。
前の章でもお伝えしたように、バイクに乗るつもりでいれば、何も怖くない。途中で雨が降ったらカッパを着てゴーグルをすればいいじゃないですか。
ただ、ビンテージカーに乗る人が付けるようなタイプのゴーグルは好きじゃない。あれはデザインの関係で視界が狭くなります。僕のオススメはスキー用のゴーグルです。
実は以前、三菱 ジープに乗っていたときに、スキーゴーグルは欠かせないアイテムでした。ジープはフロントウインドウを前に倒せるのですが、その状態で高速道路を走ると前の車から小石や火のついたタバコの吸殻がバンバン飛んできます。そんな危ない状況から僕を守ってくれるのがスキーゴーグルでした。
クロスブレードが納車されたら、僕は旅に出ます。ライダーがキャンプを楽しみながら全国をツーリングするように、クロスブレードにテントを積んで日本中を旅する。考えただけでワクワクします!
旅に出るなら好きな女の子も誘いたいですよね。そのとき、バイクだと女の子は後ろ。でもクロスブレードなら女の子は横に座る。最高じゃないですか!
ただ、これで旅に誘ったら……女の子から怒られるでしょうね。だからこそ入念な準備をしておかないと!
まず誘うときは車ではなく「バイクで旅しよう」と言う。
そしてヘアスタイルが乱れてもいいように、ニットキャップを用意しておきましょう。ゴーグルやグローブ、ネックウォーマーも忘れずに。
雨具はコンビニで売っている安いカッパでいいと思います。あれを女の子が着ている姿はかわいいですよ。 飛び石除けに白いマスクだと味気ないから、バンダナも用意しておきたいですね。
クロスブレードの良さに気づくには僕くらいの年齢にならないとダメかもしれませんが、ぜひ若い人たちにも乗ってもらって、彼女と非日常を存分に楽しんでもらいたいですね。
スマート クロスブレード
2000年から日本への正規輸入がスタートしたスマート。2002年に登場したクロスブレードはスマートカブリオをベースに開発されたフルオープンモデルで、ドアの代わりにサイドセーフティバー、フロントウインドウの代わりに小さなウインドウリフレクターが付く、むき出しのストイックなオープンモデルだ。搭載エンジンは598cc直列3気筒ターボ。これはスマートクーペに搭載されたものと同じエンジンだがチューニングが異なり、最高出力が70psに高められている(15psアップ)。日本ではわずか25台のみの限定販売で、新車時価格は265万円だった。
演出家
テリー伊藤
1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『爆報!THE フライデー』(TBS系/毎週金曜19:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。そんなテリーさんがYou Tubeチャンネル『テリー伊藤のお笑いバックドロップ』を開設したので、要チェック!
【関連リンク】
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 現行型ヴォクシーの平均価格が200万円切り目前|迫力重視の「煌」も、燃費重視のハイブリッドも買い時到来
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】