みなと屋 港さん▲みなと屋代表の佐野港さん(右)と、空気感が奥さまにしか見えないのだけれど、肩書きは彼女で店主のるらんさん(左)。ホクホクの焼き芋みたいに温かいお2人の人柄も、みなと屋をリピーターが賑わせる大きな理由のひとつだろう

営業を始めてまだ1年強だが、車やバイク好きの中ではSNS上で話題の焼き芋店「みなと屋」。

神奈川県内の3~5ヵ所を日によりローテーションでまわり、今どきらしく週5日程度でホワイトに営業している移動販売店。

営業場所の告知はTwitterやインスタなどのSNSがメインとあって、なんとリピーター率は約6割とのこと。

多い日は数時間の営業で3桁本数の芋を販売する人気店だ。

そのみなと屋の代表、港さんに焼き芋屋の秘密をあれこれ聞こうと尋ねたのだが、そこで衝撃発言が……。

最終ゴールは世界中を旅したい、そのために今は焼き芋を焼いてる、ですと???

みなと屋 港さん ▲最高のスマイルで焼き芋を手渡す代表の港さん。焼き芋だけでなく、港さん自身のファンも多い(?)
西村泰宏(にしむらやすひろ)

インタビュアー

カーセンサー編集長 西村泰宏

カーセンサー編集長 兼 リクルート自動車総研所長。車メディアを自動車好きだけでなく、車を買うすべての人の読み物に変革すべく日々の仕事に従事。愛車はKJチェロキーと986ボクスターの2台で、クロカンとオープンカーのハイブリッド生活を満喫中。2児の父で、チャイルドシート、ジュニアシートはRECAROを装備。好きなものはスニーカー。

西村
西村

お久しぶりです。最初にみなと屋の焼き芋を食べたのが昨年の7月、めちゃくちゃ暑い日に生まれて初めて冷やし芋なるものを食べて、美味すぎて感激したんですよ!

港さん
港さん

あの日は暑かったですよね、今は冬なのでアツアツの石焼きと壺焼きの2種類を販売してますよ。

西村
西村

そもそもですがいつから焼き芋屋を?

港さん
港さん

2018年の11月ですね。今でちょうど1年3ヵ月くらいたちました。

西村
西村

意外と最近だ! 何度も聞かれてると思いますが、きっかけはなんですか?

港さん
港さん

必ず聞かれます(笑)。元々、土木関係の仕事してた時に同僚と焼き芋屋は儲かるって聞いたという話になって……。ものは試し、まずは副業で、とほとんどお金もかけずに始めてみました。

西村
西村

今はこっちが本業になってます?

港さん
港さん

はい、2019年4月くらいから焼き芋屋がかなり盛り上がって本業と逆転し始めて。結局、焼き芋屋1本になりました。

西村
西村

どうして突然盛り上がったんですか?

港さん
港さん

ある時、たまたま営業した湘南の方でバイカーのみなさんが食べにきてくれて、美味い美味いってSNSに上げてくれたんです。バイカーってみんなとSNSでつながってるんですよね、その後からお仲間のみなさんがどんどん来てくれるようになり始めました。

西村
西村

たまたま?

港さん
港さん

完全にたまたまです。以来、バイカーだけでなく車好きのみなさんもSNSでフォローしてくれてよく来てくれるようになって、この頃から売り上げも安定してきました。常連が増えてきたので。

西村
西村

それで本業にしたんですね?

港さん
港さん

はい、常連さんたちからもっと営業しろ! って怒られちゃってたんで、副業が本業に昇格し、本業は廃業になっちゃいました(笑)。

みなと屋 港さん ▲取材当日もお店は常連さんで賑やかに。車にはみなと屋のステッカー!
みなと屋 港さん ▲こちらのバイカーはヘルメットにみなと屋ステッカーが

常連は車好きやバイク好きだけど車やバイクには興味なし!?

西村
西村

常連のみなさんとは車やバイクの話で盛り上がるんですか?

港さん
港さん

いや……、実は車やバイクは詳しくなくって……。

西村
西村

え???

港さん
港さん

どちらかというと興味もない方だと思います……。

西村
西村

でも、車好きやバイク好きのみなさんがいつも集まってくるんですよね?

港さん
港さん

ウチのお店がみなさんの集まる場所みたいな役割になってますね。あの店に行けば誰か仲間が来てそうって。

西村
西村

なるほど! 運転してるからお酒は飲まないし、お互いの車とかバイク見ながら話すなら、お店の中に入っちゃうと離れちゃいますもんね、わかるな!

港さん
港さん

そうなんですよ、僕もここいじったから見て、みたいによく言われるんですけど……。

西村
西村

興味はない(笑)?

港さん
港さん

……、それより芋買ってよ、とは思っちゃいます……。

西村
西村

(笑) この記事読んでくれたみなさん、集合したら最低1本は焼き芋を買ってください!!!

港さん
港さん

でも、さすがにいろいろ見せてもらっているうちに興味は出てきてるんです、車やバイクにも。

西村
西村

ほう。

港さん
港さん

あ、この音は彼が来たな、とか。あれ、ここ替えました? みたいに、最近は言われなくてもわかるようになってきました。

西村
西村

スバラシイ! 接客業の鏡ですね。

みなと屋 港さん ▲みなと屋のステッカーを常連が貼るだけじゃなく、いろいろな人がみなと屋にステッカーを貼っている。愛されるお店です
みなと屋 港さん ▲去年貼ったカーセンサーのステッカーも健在!

美味いのは焼き方じゃなくって芋へのこだわり

西村
西村

では、肝心の焼き芋についてのこだわりなども教えてください。焼き芋って1年ちょっとでこんなに美味く焼けるものなんですか?

港さん
港さん

商品として出すまでにかかったのは2日くらいですね。

西村
西村

2日??? 元々料理とかで商売されてたことあるんでしたっけ?

港さん
港さん

全然(笑)。なので最初は正直マズかったです……。お客さんに微妙な顔をされて逃げるように帰ったことも……。その分価格は安かったんですけど。

西村
西村

去年食べた時は美味しかったですけど、何が変わったんですか?

港さん
港さん

ちょうど軌道に乗り出した4月くらいから自分でも納得いく味になりました。焼き方も、もちろん研究していましたが、イチバンは芋選びですね。

西村
西村

芋というのは品種とか?

港さん
港さん

そうです、うちは芋の品種はもちろん、どの農家から仕入れるかを重視してます。どんな人がどんな思いで芋を育てているかってすごく大事なので。

西村
西村

芋にこだわれば美味しくなるんですか?

港さん
港さん

はい、正直芋の力がすごいので、誰が焼いてもある程度は美味しいと思います(笑)。

西村
西村

ご謙遜されていますが、その芋を仕入れること、がポイントだし、ちゃんと美味さを引き出すのはスゴイことですね。

港さん
港さん

ウチが仕入れているのは水分が多い芋なので、ねっとり感が損われないようにしてます。お土産にして冷めても美味しいですよ。

西村
西村

聞いてるだけで美味そう、早くインタビュー終わらせて食べたいです(笑)!

みなと屋 港さん ▲水分が多い品種を焼くのがみなと屋スタイル。写真で見ても水々しさが伝わるはず
みなと屋 港さん ▲こちらは壺焼き。遠赤外線が全体的にうまく行き届くとかなんとか

芋を焼くのは世界進出のため! みなと屋フランチャイズ構想!?

西村
西村

今後についてはどんなことを考えていますか?

港さん
港さん

実は……世界進出したいんですよ。

西村
西村

このみなと屋のトラックで、あいのりみたいに世界中をまわるってことですか? それとも世界中に何店舗も持つ感じ?

港さん
港さん

後者ですね。フランチャイズみたいな感じで、僕以外がみなと屋をいくつも営業しているイメージです。

西村
西村

港さんが神奈川で、他の国にも店舗つくるんですね!

港さん
港さん

いや、違います。僕が世界中をまわりたいんで、みなと屋はみんなに任せます。

西村
西村

芋は焼かずに???

港さん
港さん

焼いても焼かなくても(笑)。世界をまわれる資金と理由がつくれればいいんです。

西村
西村

例えば焼き芋より儲かるビジネスがあったら?

港さん
港さん

やめちゃうかもな(笑)。

西村
西村

おっと、これはここだけの話にしときましょ、また常連さん怒っちゃう(笑)!

港さん
港さん

ですね、ここだけの話にしておきましょう。もっと言うと、有名になりたいんです。だからまずは焼き芋でもっと有名になりますよ!

西村
西村

わかりました、まずはこの記事を少しでも多くの人に届けます! だから、もっともっと有名になったら焼き芋おごってください。

港さん
港さん

わかりました!

みなと屋 港さん ▲世界について話しだした途端、難しい顔をする港さん

まさかの世界進出、いや、有名になることがゴールだったみなと屋の代表。

夢は叶えてほしいですが、美味い焼き芋が食べられなくなるのは困るので、ぜひ焼き芋で世界に出て有名になってください!

みなと屋の営業日や場所についてはTwitterやインスタで確認を。
 

みなと屋 るらんさん ▲世界進出なんて聞いてない、と言いながらもニコニコ笑う優しい店主るらんさん。ご自身も元々はアパレルだったが、みなと屋本格化に合わせてズルズルと焼き芋屋の一員に……(笑)。るらんさんあってのみなと屋だということがとてもよくわかります!!!
みなと屋 港さん ▲みなと屋に営業場所を提供しているオリジナルタイムの奥谷さん。農家だけでなく思いを共有するたくさんの協力者によって焼き芋は届けられている
文/西村泰宏(編集部)、写真/稲葉 真