▲2011年4月に登場した日本におけるプジョーのフラッグシップワゴン。2015年1月にフロントまわりのデザインを一新し、バックカメラやカーナビ、Bluetooth通信などの操作を統合した7インチのタッチスクリーンも採用。2016年7月にはPSAグループの最新ディーゼルターボエンジンを搭載する「GT BlueHDi」が登場。トランスミッションにはアイシンAW製の6速ATが組み合わされた ▲2011年4月に登場した日本におけるプジョーのフラッグシップワゴン。2015年1月にフロントまわりのデザインを一新し、バックカメラやカーナビ、Bluetooth通信などの操作を統合した7インチのタッチスクリーンも採用。2016年7月にはPSAグループの最新ディーゼルターボエンジンを搭載する「GT BlueHDi」が登場。トランスミッションにはアイシンAW製の6速ATが組み合わされた

「デカいラテン車の下落率」に私は萌え、愛を感じるのだ

われわれ中古車好きは、常に激安車を愛する。

われわれの人生は、激安車を探す果てしない旅である。

もちろん、ネット情報が光より速く世界中を駆け巡る現代において(※注:光より速いものはこの世に存在しません)、いわゆる"掘り出し物"にはなかなかお目にかかれない。

しかし"相場そのものが激安なモデル"は存在する。

その代表例が、プジョー 508だ。

デカい車、特にデカいセダンやステーションワゴンはおしなべて価格下落率がデカいが、ラテン車のそれはとりわけデカい。

「俺様はベンツやビーエムみたいな、どこにでもある車には乗らないぜ!」と意気込んで、ラテン系ビッグセダンやワゴンを買ったはいいが、売るときには「ベンツにしときゃよかった~」ということになる。

あ、べンツもデカいのは値落ちデカいが、ラテン車はそれ以上にデカいので。

私もシトロエン C5では泣いた。

買い取る側の立場で見れば、Eクラスワゴンならいつかは売れるだろうけど、プジョー 508SWなんて永遠に売れないかもしれない。

相場が激安になるのは当然か。そこにわれわれは萌える。

愛を感じる。

今回の個体は、プジョー 508SW GT BlueHDi、2017年登録の走行1.0万km。

つまり俗にいう未登録車にすら近い個体だが、それが車両本体276.9万円ときたもんだ。

新車価格は464万円だから、なんと200万円近い下落である。

先日ホンダディーラーにN-BOXを見に行き、試乗車(オプション満載)の車両価格が約250万円で腰が抜けた私にすれば、このおフランス製のビッグでエレガントなワゴンの、極上な状態の個体が、N-BOXに毛の生えた程度の代価で手に入るという事実に、愛を感じないはずはない。
 

▲N-BOXに毛の生えた価格とは思えない、このエレガントなインテリア。かつてフランス車のダッシュボードといえば驚くほどチープなのが当たり前だったが、ドイツ車コンプレックスにより改善された▲N-BOXに毛の生えた価格とは思えない、このエレガントなインテリア。かつてフランス車のダッシュボードといえば驚くほどチープなのが当たり前だったが、ドイツ車コンプレックスにより改善された
▲トランスミッションは先進的な6速AT。今どき6速くらいで先進的と呼ぶなかれと言われるかもしれないが、8速も9速もあっても何がなんだかわからないので、6速以上はすべて先進的ということに衆議一決したい▲トランスミッションは先進的な6速AT。今どき6速くらいで先進的と呼ぶなかれと言われるかもしれないが、8速も9速もあっても何がなんだかわからないので、6速以上はすべて先進的ということに衆議一決したい
▲さすがプジョーのフラッグシップマシン。N-BOXのシートとは比べようもないゴージャス感&快適性である。シートアレンジとかはできないが、なにしろおフランス車のシートですから、トレビアンですぜ▲さすがプジョーのフラッグシップマシン。N-BOXのシートとは比べようもないゴージャス感&快適性である。シートアレンジとかはできないが、なにしろおフランス車のシートですから、トレビアンですぜ
▲後席もこのゴージャスさ。もちろんN-BOXみたいにシートを跳ね上げて背の高い鉢植えとか積み込むのはムリだが、そんなもんそうそう積むか? 積まんだろうめったに。だからゴージャスなリアシートの勝ち▲後席もこのゴージャスさ。もちろんN-BOXみたいにシートを跳ね上げて背の高い鉢植えとか積み込むのはムリだが、そんなもんそうそう積むか? 積まんだろうめったに。だからゴージャスなリアシートの勝ち
▲ボディサイズを考えると、あんまり広大とは言えないラゲージではあるが、N-BOXだってラゲージは広くない! いやとっても狭い! だからリアシートの足元に荷物を置くことになる。508SWの勝ちである▲ボディサイズを考えると、あんまり広大とは言えないラゲージではあるが、N-BOXだってラゲージは広くない! いやとっても狭い! だからリアシートの足元に荷物を置くことになる。508SWの勝ちである
▲エンジンは2Lのディーゼルターボ。燃費の良さは皆さまご存じのとおりで、軽油の単価の安さを考えると、N-BOXとガチで勝負すら可能なレベルである。ロングドライブなら勝てるかもしれぬ。うむう▲エンジンは2Lのディーゼルターボ。燃費の良さは皆さまご存じのとおりで、軽油の単価の安さを考えると、N-BOXとガチで勝負すら可能なレベルである。ロングドライブなら勝てるかもしれぬ。うむう
text/MJブロンディー
photo/阿部昌也