▲機械も数字も大のニガテ。超がつくほど文系な私が新型リーフを開発したスゴイ人たちの話を聞いてきました。写真は私と新型リーフくん初デートの日のお食事風景 ▲機械も数字も大のニガテ。超がつくほど文系な私が、新型リーフを開発したスゴイ人たちの話を聞いてきました。(写真は私と新型リーフくん初デートの日のお食事風景)

最先端技術のカタマリ、日産 リーフ

日本生まれ! 日本育ち! 日本語を愛し、国語の成績はだいたい5! 数学・理科は常に3! 文学部日本文学科卒! ザ・文系人間の編集部 井上です。

幼い頃から算数やら理科やらが大のニガテ。

このお仕事のおかげで車の仕組みは最低限理解できていますが、ぶっちゃけ機械に関するもろもろにはちんぷんかんぷんなワタクシが、なんと日産さんの「技術説明会」へ参加することになりました。

要は、超ニガテな分野の超ハイレベルな話を聞きに行ってきたわけです。なんと怖いもの知らずな!

ということでこの記事では、私のような文系人間ですら「スゲェ!」と実感できた新型リーフのあれこれについて紹介したいと思います。

▲会場で配られた資料。馴染みのない横文字と数字が並ぶ資料を前に「インスタ映えっぽくしてテンションあげよ」と撮った1枚がこちらです ▲会場で配られた資料。馴染みのない横文字と数字が並ぶ資料を前に「インスタ映えっぽくしてテンションあげよ」と撮った1枚がこちらです

リーフのここがスゴイらしい①
カメラ&超音波がフュージョンして自動駐車

自動運転、自動運転、と騒がれる昨今、もはや「自動駐車」というワードですらパンチ力に欠けてきた気がします。すごい世の中です。実際すでに、スマートフォン操作で駐車できちゃう、なんて輸入車も販売されています。

じゃあリーフは何がスゴイの? となるわけですが、文系の私がザックリ説明すると「とりあえず高性能」の一言でございます。

……すみません、ザックリすぎました。簡単に言えば、カメラとセンサーの量と質がアップしています。

で、カメラがハイスペックになった分「駐車させたい位置の認識」の精度が上がり、超音波センサーを12個もつけた分、「最適な経路で正確に駐車」できるようになったそうです。そして、この2つをフュージョンさせて使っているのは、今のところこのリーフだけなんですって。

ちなみに、私も借りた際に何度かやってみたのですが、ボタンひとつで正確に安全な駐車ができます。普通に私より上手。人や物を機械が検知してくれているので、実は人間の目視より安全、というのも魅力ですね。

▲こういう絵は見飽きたしよく分からん! という方は下の動画を45秒あたりからご覧ください(※PCの方はフルスクリーン推奨です)。プロパイロットパーキングの一部始終が見れます。ショッピングモールなどの混雑した駐車場でやると大渋滞が起こりそうなスピードなのはご愛嬌 ▲こういう絵は見飽きたしよく分からん! という方は下の動画を45秒あたりからご覧ください(※PCの方はフルスクリーン推奨です)。プロパイロットパーキングの一部始終が見れます。ショッピングモールなどの混雑した駐車場でやると大渋滞が起こりそうなスピードなのはご愛嬌
日産公式動画「New Nissan LEAF Dynamic B-Roll」

リーフのここがスゴイらしい②
e-POWERモデルよりさらに優秀なワンペダル

絶賛バカ売れ中のノート e-POWERで、たくさんの支持を獲得している「ワンペダル」操作。

リーフの場合、これをわざわざ「e-Pedal」と呼称しています。つまり、e-POWERモデルで採用しているワンペダルとはある種「別物」ということ。

▲こちらはノート e-POWERの「ワンぺダル」のテレビCM。パラシュートがバババッと開く感じ、まさにこの感覚がワンペダルです。アクセルペダルから足を離しただけで、車が上手に減速してくれます

シャシー制御開発グループの方が、まさにその違いについて熱心に説明してくださったのですが、細かい部分はちんぷんかんぷんだったので……「ココが大きく違うのだな!」と私でも理解できた部分をお伝えします。

まずひとつは減速度が大きいこと。ノート e-POWERが「0.15G」なのに対し、リーフは「0.2G」だそうです。つまりアクセルを離したときの減速感がリーフの方が強いということですね。

もうひとつは、摩耗ブレーキ(ガソリン車で採用されている普通のブレーキ)も上手く使い分けてくれること。これによって、完全停止からの停止保持も可能だそうです。アクセルひとつでできることがさらに増えているのですね。便利~。

しかも、スリップなどを感知した際は、後輪まで制御力を発動させてくれるらしいです。自動で最適配分にしてくれるそうなので、雪道や凍結路では超頼もしいはず。FFなのに、滑る路面に強いってスゴイです。

リーフのここがスゴイらしい③
横から受ける風のことまで考えて設計

個人的には、ここが一番印象に残ったお話しです。(開発担当の方が超イケメンだったからかもしれません)

電気自動車って、何だかんだ航続距離が命ですよね。どれだけカッコよくてもエコでも長く走れなければ現実的に使われません。

リーフもその点は考慮していて、フルモデルチェンジの目玉は航続距離の延長でした。やっぱり、「航続距離が400km(JC08モード)まで伸びたから」という理由で購入する人が、かなり多いといいます。実走行でカタログ値を出すことは難しいかもしれませんが、“先代より伸びた航続距離”に魅力を感じた人がいることは事実。大成功ということですね。

この航続距離を叩きだすためには様々な開発部門が汗を流したらしいのですが、今回は空力性能部門の努力が大きく貢献したそうです。

そもそもリーフは、初代から「空力重視」のスタイルでした。有名なのは車の底面、“おなか”部分の話ですね。

リーフのおなかって、ほぼ真っ平なんですよ。正面から受ける風を上手く床下で流すための工夫だそうで、これは初代からかなり手が込んでいた部分なのですが、今回はさらに改良してバランスを整えたそうです。

▲“おなか”とはこの部分のことです ▲“おなか”とはこの部分のことです

そしてさらにこだわったのが「横風」への対策。

車のテレビCMとかで目にする「空力実験」って“台上で風を正面から受ける車”の画がほとんどだと思うのですが、このリーフでは、正面だけではなく横から受ける風についてもいろいろと実験をしているそうです。

超ニッチな分野ではあると思うので、もうスゴさを資料のディティールで伝えたいと思います。「スゴイこと検証して設計されているっぽい」という雰囲気、伝わるでしょうか……。

▲「横風空気抵抗へのこだわり」という資料。細かいことはさっぱり分かりませんが、何かスゴイことが考慮されてスポイラーなどが調整されているということは伝わってきました ▲「横風空気抵抗へのこだわり」という資料。細かいことはさっぱり分かりませんが、何かスゴイことが考慮されてスポイラーなどが調整されているということは伝わってきました

ちなみに、リーフは「実用航続距離」という独自の指標にこだわって改善を重ねているそうです。

これは、直線だけでなく街中など実用的なシーンに近しい環境で計測している数字。カタログに書けるのは「JC08モード燃費」の値なので、いくら改善できても表にアピールすることはできない数字ということになります。

でも、そこにこだわって改善しているって……ちょっと好感度高くないですか?(笑)

利用者の気持ちに寄り添った開発方針。数字うんぬんより、そういう“作り手のこだわり”といった、情緒的なことに弱い文系の私には特にぶっ刺さったお話でした。(開発担当の方が超イケメンだったということも関係しているかもしれません)

▲こちらが実際のリアサイド。今回かなりカッコ良いデザインになったので、見た目最優先に設計されたのかな? と思っていましたが、まさか空力への絶大なこだわりが隠れていたなんて! ▲こちらが実際のリアサイド。今回かなりカッコ良いデザインになったので、見た目最優先に設計されたのかな? と思っていましたが、まさか空力への絶大なこだわりが隠れていたなんて!

以上が、ザ・文系な私でも何となくスゴさを理解できたポイントでした。もちろんここに書けなかったお話しの方が多く、最新鋭の素晴らしい技術は“てんこ盛り”状態! すべて説明できずに本当申し訳ないのですが、まずは実感値が持てる技術から、多くの方に興味を持っていただけたらなと思います。

さらに言えば、私のように「小難しい話はよく分からん!」という人も、乗ったら一瞬で鳥肌が立つ車です。もう早い話、乗ってほしい。お近くに試乗できるお店があれば今すぐに行って乗ってみてほしい。乗れば、良さが分かります。一番シンプルに表現するとそんな車です。

中古でも少しずつ出回り始めましたので、興味がある方はぜひチェックしてくださいね。

text/編集部 井上恵利
photo/篠原晃一、日産自動車