日産がダイムラーとの距離を縮める! 次期タイタンにもダイムラー製エンジンを搭載か?
2018/03/25
アライアンスとは別に関係を深める
アライアンスで巨大グループと化した、ルノー、日産、三菱。各陣営の役割分担が少しずつ明確化してきたようだ。ここに大きく絡んでいるのが、資本提携を行っているダイムラーだ。
その典型的な例として挙げられるのが、スカイラインへのダイムラー製エンジンの搭載だ。2014年5月に追加された、2L直4ターボは同社初のダウンサイジングターボとして注目を集めたが、このユニットは日産のものではない。
エンジン本体は、北米で生産されており、基本設計はダイムラーが行ったもの。メルセデス・ベンツ Eクラスなどに用いられているものと、基本的には同じだ。
「いいものはアライアンス内で共有して、やり繰りすればいい」というカルロス・ゴーン会長が、唱える思想に即したもっともらしい展開と言えよう。
ヘビー級ピックアップのパワートレインを調達
パワートレインを共有する作戦は今後も進む。新たにスクープ班がつかんだ情報によると、ヘビー級ピックアップの次期タイタンにも、ダイムラー製のエンジンを搭載する方向で検討が進んでいるという。
現行モデルは、2016年に発表されたばかりで、モデルチェンジはまだまだ先になりそうだが、世代交代を視野に入れたプロジェクトはすでに立ち上がっている模様。その一環として、前出のプランが持ち上がっている。
ちなみに、現行タイタンには、カミンズ製のV8ディーゼルターボがラインナップされており、このユニットは外部調達されているもののひとつだ。
併せて、トランスミッションにも、ダイムラー製が用いられるようだ。候補に挙がっているのは9速ATで、Cクラスより上のモデルで広く使われているユニットの製造ライセンス取得に向けて、日産が動いているとの興味深い情報がある。
ダイムラーは、大排気量ユニットを担当する役割が透けて見えてくる。一方で電動系テクノロジーの中核は、三菱が担うことになりそうだ。
日産が食指を動かして、三菱を傘下に入れた理由は、アジア地域での強みと、電動系において日産に負けず劣らずの技術力を有するからだ。
日産の電動系車両にもGSユアサの電池を搭載か
電動化テクノロジーのカギを握る電池に関しても、今後は日産が三菱に頼る可能性もある。リーフ開発に際して、日産はNECと手を組んで2007年に、AESC(オートモーティブエナジーサプライ)を立ち上げたが、設立から10年を経て、事業を売却した。
この件と直接関係があるのかどうかはともかく、年内に加わるリーフ60kWh仕様には、韓国のLG化学が開発したリチウムイオン電池が使われる見込みだ。
対する三菱は、グループ企業の三菱商事を頼りに、GSユアサとの合弁会社、LEJ(リチウムエナジージャパン)を2007年12月に設立。立ち上がり初期に、アウトランダーPHEVのバッテリー品質関連のつまづきはあったものの、その後事業は順調に進んでいる。
日産が擁したAESCと違い、こちらはコスト管理がうまく奏功して、採算ベースに乗っているともウワサされる。AESCを手放した日産が、LEJのバッテリーに興味を示すのは当然のことと言えよう。
将来的には、LEJからリチウムイオン電池を調達することも考えられる。
ルノーは、ディーゼルの分野で強みを発揮
ルノーは言うまでもなく、ディーゼルの分野で実力を発揮して、存在感をみせている。現に、ヨーロッパで販売されている、キャシュカイなどの日産車は、ルノー製のディーゼルエンジンが用いられている。
今回は、パワートレインに関して考察してきたが、最後に車両のOEM供給が進んでいることも紹介しておこう。例えば、メルセデス・ベンツがXクラス、ルノーがアラスカンの名で売り出すピックアップは、日産 ナバラの兄弟車だ。
その一部は、スペインのバルセロナ工場で組み立てられる。また、ルノー カングーには、メルセデスベンツ版が存在しており、2012年からシタンの名で販売されている。
相互の工場で他ブランドの車を生産するケースも珍しくなく、最新の日産 マイクラは、フランスにある、ルノーのフラン工場で組み立てられている。
※2018年3月25日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
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