この車に乗るなら……という視点で人気車が持つ魅力に注目するカーセンサー(雑誌)での連載。今回は日産 エクストレイルをクローズアップ!

▲装備の随所に“タフギア”っぷりが感じられるエクストレイル。釣りをはじめ、アウトドアで大活躍する車だ▲装備の随所に“タフギア”っぷりが感じられるエクストレイル。釣りをはじめ、アウトドアで大活躍する車だ

国産車はパワートレーン豊富、用途と予算に応じて選ぼう

今回テストしたのは2Lガソリンエンジンを搭載する20Xだったが、エクストレイルにはハイブリッドもある。もちろん燃費はハイブリッドの方が勝るが、価格も高いという図式。同クラスのSUVもガソリンとディーゼルやガソリンの自然吸気とターボなど、複数のパワートレーンを用意する例が多い。また駆動方式も4WDとFFから選べるモデルがほとんどなので、用途と予算に応じて選べる。

トヨタ ハリアーは最近までハイブリッドと2Lガソリンの2種類だったが、このほど2Lガソリンターボも追加した。マツダ CX-5は他のマツダ車同様2.2Lディーゼルに注目が集まるが2L、2.5Lガソリンもある。魅力的なのは力強さがありコスパも良いディーゼル。スバル フォレスターは2Lと2Lターボがあり、全車4WD。悪路に一番強いのはこの車か。

輸入車はコストの制約から売れ筋グレードを選んで輸入しているため、国産車ほどパワートレーンと駆動方式の組み合わせの自由度がない。ミニ ミニクロスオーバーは2Lディーゼルとプラグインハイブリッドがあり、ディーゼルはFFも選べる。プジョー 3008はFFのみの都市型SUVで、1.6Lガソリンターボと2Lディーゼルがある。フォルクスワーゲン ティグアンもFFのみの設定で、パワートレーンも1.4Lガソリンターボの1種類。

エクストレイルを魅力的だと思った方へ、オススメの中古車はこちら

人気車のライバルはもちろん新車だけではない。中古車にまで視野を広げれば選択肢は無限大に広がる。とはいえ、膨大な車種の中から選ぶのは困難な作業だ。そこで、塩見さんと編集部員がオススメの中古車をセレクト。お得に手に入るこんなモデルはいかがだろうか(※中古車価格帯、モデル流通量はともに8月9日時点のカーセンサーを参照)

日産 エクストレイル(2代目)

▲先代も“タフギア”はもちろん健在。2代目は実はMTのディーゼルモデルもある ▲先代も“タフギア”はもちろん健在。2代目は実はMTのディーゼルモデルもある

MTディーゼルモデルもあるニッチなラインナップ
海外ではここのところ世間を騒がせているディーゼルだが、少なくとも日本では燃料代が圧倒的に安く、かつ力強いのは事実。重い車でもアクセルを踏めばグイッと前へ進む感覚は、一度それに慣れると、小排気量のガソリンエンジンでは満足できなくなる。先代エクストレイルは世界で最も厳しい部類に入る日本のディーゼル規制であるポスト新長期規制を最初にクリアした車。当初はMTでしか規制をクリアできなかったが、のちにATも追加された。つまりMTのディーゼルモデルというニッチな要望にも応えてくれるということ。(塩見)
【中古車価格帯】50万~250万円
【モデル流通量】約1100台

三菱 パジェロ(現行型)<ディーゼルエンジン>

▲エクストレイルのタフさに惹かれたなら、悪路もガンガン行けるパジェロもオススメ ▲エクストレイルのタフさに惹かれたなら、悪路もガンガン行けるパジェロもオススメ

ガチな耐久性を求めるなら、クロカン由来のSUV
大流行中のSUVは、元々フレームシャシーのクロスカントリー・ビークルからの派生モデルだったが、今ではほとんどのモデルがモノコックシャシーの乗用車がベースになっている。その方が軽く仕上がるため燃費がよく、乗り心地もよくできる。だが堅牢性、耐久性、悪路走破性といったヘビーデューティな項目になると、構造上、クロカン由来のSUVの方が有利。また実際にこういう使い方をしなくても、こういうことが可能な車に乗るというカッコよさもある。代表的存在はパジェロ。燃費の悪さはディーゼルである程度カバーできる。(塩見)
【中古車価格帯】200万~470万円
【モデル流通量】約100台

スズキ ハスラー(現行型)

▲一人アウトドアが多いなら軽だって◎! 見た目も可愛らしくて、家族の評判もいい車かも ▲一人アウトドアが多いなら軽だって◎! 見た目も可愛らしくて、家族の評判もいい車かも

釣り具のアップグレードより購入難易度の低い遊べる軽
家族は釣りに興味なし。興味があるのは帰宅時のクーラーボックスの中身だけ。こんな釣り好きお父さんは少なくないだろう。釣り具とクーラーボックス、家族の期待を背負って早朝から釣り場に行くにはやっぱり車が一番。欲しい要素は、荷物が載ることと、仮眠できる広さがあるか。また、釣り場は未舗装路や大きな段差もあったりするので、適当な最低地上高も必要か。釣り具にコストをかけたければ、車の維持費はできるだけ抑えたい。それを満たす1台が軽のハスラーだ。これなら税金も安く、燃費も◎。見た目も洒落ているので、平日のハンドルと家計を握る奥様の承認を得るのは、新しい釣り具を買うよりたやすいはずだ。(編集部・大脇)
【中古車価格帯】80万~260万円
【モデル流通量】約3100台

三菱 デリカD:5(現行型)

▲アウトドアにも行くし、もうちょっと大人数乗れた方がいい人には、SUV要素もミニバン要素もあるデリカD:5がぴったり ▲アウトドアにも行くし、もうちょっと大人数乗れた方がいい人には、SUV要素もミニバン要素もあるデリカD:5がぴったり

多人数乗車が必須ならSUV×ミニバンもあり
家族で出かけることが多く、おじいちゃんやおばあちゃんを乗せることもある。そんな人にはエクストレイルの3列目シートはちょっと心許ないかもしれない。そこでオススメしたいのが、ミニバンとSUVを掛け合わせた三菱 デリカD:5。見た目はミニバンで、3列目をしっかりと確保しつつ、高い走破性能も誇る希少なモデルだ。「こんな車探してたんだよ!」という人も多いのではないだろうか。もちろん、サードシートを跳ね上げればラゲージスペースもたっぷり。気になる中古車の流通量は豊富で、何より100万円以下という低価格帯からも狙えるのが嬉しい。登場から年数が経っているため、状態をチェックしてから選ぶべし。(編集部・溝上)
【中古車価格帯】50万~470万円
【モデル流通量】約1000台


【解説した人】塩見智
1972年、岡山県生まれ。自動車雑誌編集部を経てフリーランスライターへ。年を重ねるにつれ、派手でパワフルな車よりも実用的で経済的な車に関心を抱くように。

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text/塩見智、編集部
photo/篠原晃一、日産、三菱、スズキ