▲車格が少し下がって、現行エスティマほど伸びやかなフォルムは実現できないかもしれない。それでも3列シートとスライドドアが与えられ、国内ユーザーの要求に応えられる車に仕立てられる ▲車格が少し下がって、現行エスティマほど伸びやかなフォルムは実現できないかもしれない。それでも3列シートとスライドドアが与えられ、国内ユーザーの要求に応えられる車に仕立てられる

いまだ影もカタチもないプリウスαの次期モデル

トヨタ社内で、エスティマとアイシス、さらにプリウスαを統合する、仰天のプランが持ち上がっていることを突き止めた。

背景にあるのは、ミニバンマーケットの先細りだ。日本自動車販売協会連合会のRV販売台数によると、3車が属するセミキャブワゴンの2016年の年間販売台数は、約82万4000台だった。前年比では8.5%のプラスに転じたが、10年前の約112万6000台と比べて、3割ほど減っている。

もちろん、3列シートミニバンはそれでも根強い需要があり、エスティマは11年、アイシスに至っては、助手席側のセンターピラーが、ドアに内蔵されている凝った作りで、改良を重ねながら13年も生産されている。

しかし、ニーズの多様化や少子化で、ミニバンマーケットは昔のような拡大が見込めない。このまま車種数を維持すると、トヨタ車同士でも食い合いが激しくなりかねない。よって、トヨタは早めの車種統合を模索しているようだ。

統合の検討対象にプリウスαが含まれているのは、同じ3列シート車だからだろう。発売から6年目に突入しているプリウスαのモデルチェンジ情報がサッパリ聞こえてこないのもその証拠だ。

▲3代目にあたる現行エスティマは、2006年に登場した。2016年6月のビッグマイナーチェンジで歩行者保護対応を兼ねて、フロントノーズが刷新され、セーフティセンスCが標準化されるなど、装備内容もアップデートされた ▲3代目にあたる現行エスティマは、2006年に登場した。2016年6月のビッグマイナーチェンジで歩行者保護対応を兼ねて、フロントノーズが刷新され、セーフティセンスCが標準化されるなど、装備内容もアップデートされた
▲ガイア後継車として、2004年に発売されたアイシス。両側スライドドアが売りに掲げられた。しかも助手席側は、センターピラーがドアに内蔵されているため、全開にすると広い開口部がもたらされる ▲ガイア後継車として、2004年に発売されたアイシス。両側スライドドアが売りに掲げられた。しかも助手席側は、センターピラーがドアに内蔵されているため、全開にすると広い開口部がもたらされる
▲より広いラゲージスペースを有するプリウス派生車として、2011年にデビューしたプリウスα。2列シート版と3列シート版が用意されており、後者にはリチウムイオン電池が搭載されている。樹脂パノラマルーフも設定された ▲より広いラゲージスペースを有するプリウス派生車として、2011年にデビューしたプリウスα。2列シート版と3列シート版が用意されており、後者にはリチウムイオン電池が搭載されている。樹脂パノラマルーフも設定された

エスティマの名を継承。PHVの設定にも期待


新型車のベースに用いられるシャシーは、TNGA-Cプラットフォームの公算が大きい。このため、現行エスティマよりもやや小ぶりに仕上がることが予想される。ボディサイズはアイシスに近そうだが、全幅は1700mmを超えて3ナンバー幅に達するだろう。

まだ検討段階で詳細は不明だが、スクープ班はエスティマのネーミングが継承されるのではないかと予想する。「トヨタの天才タマゴ」と銘打った初代から、30年近く販売されていて、知名度が他の2車より群を抜いているからだ。

エスティマのネーミングにふさわしく、新型車もボディ前半は大胆にスラントして、タマゴ型フォルムを継承するだろう。くしくもプリウスαも同じようなシルエットを描いているから、現行ユーザーも違和感なく買い替えられるかもしれない。

統合プランにGOサインが出れば、開発はスタートする見通しだ。2020年頃のデビューが有力か。アイシスは不明だが、エスティマとプリウスαは、新型車のデビューまで継続販売されるだろう。

この新型車には、当然ハイブリッド仕様も存在する。EV走行距離の延長や、スペース上の制約を加味すると、リチウムイオン電池が採用されるはず。トヨタがこれから本格展開を宣言した、プラグインハイブリッドの設定も楽しみだ。

※2017年4月22日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2020年以降
■全長×全幅×全高:4730×1775×1650(mm)
■搭載エンジン:2L 直4 他

text&photo/マガジンX編集部