▲「ワークスをもう一度」という声に応えて登場したスズキ アルトワークス。この車名の復活は約15年ぶり。専用の5速MTに加え、レカロシートなど走りに特化したグレードとなっています ▲「ワークスをもう一度」という声に応えて登場したスズキ アルトワークス。この車名の復活は約15年ぶり。専用の5速MTに加え、レカロシートなど走りに特化したグレードとなっています

アルトワークスの中古車市場に異変が

昨年12月に発売されたスズキ アルトワークス。2000年に先代のアルトワークスの生産が終了して以来、約15年ぶりの復活となりました。ベースは好評を博している8代目アルト。車重600㎏台という軽さはそのままに、フロントシートにはレカロ、そして要望が多かったという5速MTが選択できるようになったのがトピックとなっています。

そして現在、アルトワークスの中古車市場はどのようになっているのでしょうか。実は発売から半年が経過した今年6月から、ある変化が起きています。流通台数が激増、平均価格の下落が始まったのです。

▲グラフは2WD、MT仕様の中古車の流通台数と平均本体価格を表したもの。流通台数が一挙に増加、それにともない平均本体価格が140万円台後半から前半へ突入しています。アルトワークス全体でもこの傾向は同じで、流通台数増加と平均価格の若干の下落がセットで起こっています ▲グラフは2WD、MT仕様の中古車の流通台数と平均本体価格を表したもの。流通台数が一挙に増加、それにともない平均本体価格が140万円台後半から前半へ突入しています。アルトワークス全体でもこの傾向は同じで、流通台数増加と平均価格の若干の下落がセットで起こっています

走行距離わずかの物件が目白押し

8月1日現在、現行型アルトワークスの中古車流通台数は111台。この1ヵ月ほどで一挙に100台以上へと増えました。そして平均本体価格はというと、140万円台後半から前半へと下落が始まっています。

アルトワークスは5MT仕様とAGS仕様、そしてそれぞれに2WDと4WD……ということで大きく分けて4つの仕様があります。流通台数が最も多いのは5MT、2WD仕様で、約70台と6割以上を占めます。

4WDを合わせたMT全体では約100台、9割弱となるため、アルトワークスの中古車のほとんどがMTとなります。

どれも走行距離は5千km以下。5万kmではなく5千kmです。加えて修復歴もなしと、数値を見る限り使用感は少ない物件がほとんどでしょう。

オススメはその5MT、2WD仕様の最安値帯。具体的には総額150万円以下の物件です。10台程度と少ないものの、ようやくこの価格帯の物件が出てきました。

浮いたお金で1万km以上走れる!

新車時の価格は約150万というアルトワークス。ケースバイケースですので一概に言えませんが、諸費用を考えると160万円~というのが必要な金額ではないでしょうか。ということは、中古車物件の最安値帯の物件との差額はおそらく10万円+αといったところ。

大きな差額かというと難しいところですが、中古車であることをよしとするだけで、その金額が浮くわけです。そして大切なのは、この車がアルトワークスということです。

発売がアナウンスされた際、資料には「『クルマを操る楽しさを追求し、さらに走りを磨き上げた軽ホットハッチ』を目指した」とありました。つまりは走ってナンボ。スコスコと入っていくミッションも、600㎏台の車重からくる軽快さも、走ってこそその楽しさが実感できます。

差額の10万円+α、まあ切りよく10万円と考えても、8月1日時点のガソリン価格で計算すると893L分(レギュラー112円/Lで計算)になります。渋滞などに巻き込まれたり、ついつい高回転まで回してしまったと仮定して、控えめに15km/Lの燃費となったとしても、1万3000km以上走行できる計算です。

アルトワークスを狙うなら、ただ購入するだけでなくその走りを楽しむなら、中古車の最安値帯を狙うという選択肢がオススメです。少しでも安く手に入れて、思う存分その走りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

▲ワークス専用装備となるフロントのレカロシート。身長160cm台~170cm台の編集部員が座ったところ、高いホールド性ながら窮屈感はありませんでした ▲ワークス専用装備となるフロントのレカロシート。身長160cm台~170cm台の編集部員が座ったところ、高いホールド性ながら窮屈感はありませんでした
▲MTやその軽量ボディに注目が集まりますが、ベースのアルト譲りの居住性も健在。後部座席は大人の男性が乗っても足元のスペースに余裕があります ▲MTやその軽量ボディに注目が集まりますが、ベースのアルト譲りの居住性も健在。後部座席は大人の男性が乗っても足元のスペースに余裕があります
▲搭載される5MTはクロスレシオ化された専用品。ショートストロークで、わずかな動作で変速が可能です。エンジンのレッドゾーンは7000回転からです ▲搭載される5MTはクロスレシオ化された専用品。ショートストロークで、わずかな動作で変速が可能です。エンジンのレッドゾーンは7000回転からです
text/編集部
photo/篠原晃一、スズキ、編集部