おっさんにも車にも「肉」はある程度あって構わない
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/06/19
「貫禄」とか「豪快」とか、そういった方向のドライビングプレジャー
過日、NHKの朝番組に俳優の渡辺徹さんが出演していた。40代である筆者からするとドラマ「太陽にほえろ!」での颯爽としたイケメン若手刑事の印象が強い渡辺さんだが、その後見事に太ってしまい、過日の番組で見た際もやっぱり太っていた。が、筆者は「なんかいいな」と思った。
男女を問わず若い人というのは「スリムであること」を強く求めるし、渡辺さんや筆者のようなおっさんであっても、そりゃスリムであるに越したことはない。しかし最近になってしばしば思うのが、「太りすぎはもちろんどうかと思うが、かといって“痩せすぎなおっさん”というのもいかがなものか」ということだ。
ある程度年を取ってくると、痩せすぎていると「貧相に見える」という側面も生まれてしまう。そうであるならば、もちろん成人病などには注意する必要があるが(渡辺徹さんも12年に心臓のカテーテル手術を受け、結構大変だったようだ)、ある程度の肉はあった方が福々しいというか何というか、ステキなおっさんに見えるのではないかと思うのだ。
それと似たようなことは車の世界でもいえる。
昨今の新型マツダ ロードスターやホンダ S660の例をあげるまでもなく、車好きというのは車に「ライトウェイト」であることを求めがちだ。もちろん物理の法則からいって、動的性能を追求するなら車は軽い方が絶対に有利なので、車好きが「軽量」を求める気持ちはわかるというか、実際正しい。筆者だって個人的には極力軽い車を好む。
しかしスリムな若手イケメン俳優だけでなく、現在の渡辺徹さんや石塚英彦さん(まいうーの人)にも彼ら独自の魅力があるように、軽くない車、つまり「デカくて重い車」にだって独自の魅力は宿っているのだ。
女性の中には石塚英彦さん(まいうーの人)的な体格の男性を「クマさんみたいで落ち着く! 安心できる!」と好む人も多いが、男だって似たようなものだ。デカくてゴツいクロカンやSUVの方が落ち着くというか安心できるという人も多いのである。当然、そういった車ではマツダ ロードスターのような走りは絶対にできないが、別に誰しもが曲芸的コーナリングをしたいと思っているわけではない。「直線を豪快に、しかし安全に突き進む!」というのも立派なドライビングプレジャーのひとつである。
さて、そういった渡辺徹的、石塚英彦的な魅力を輸入車に求めるのであれば「とりあえずデカいクロカンかSUVを買っとけ」ということになる。あくまで一例だがメルセデス・ベンツのGクラスや英国のレンジローバーなど、そういった車だ。
しかし、その手の車というのはどうしても物理法則からいって「好燃費」にはなりにくい。や、もっと率直に言ってしまえばイマイチな場合が非常に多いのだ。具体的には、現行Gクラスのカタログ燃費はG350ブルーテックでも8.5km/Lであり、現行レンジローバーのオートバイオグラフィは7.4km/L。……お世辞にも好燃費とは言えない水準である。
この手の車(デカくて豪快なクロカン/SUV)を好む人は、おそらくはこのあたりの数字はあまり気にしないのだろう。豪快さんな感じで「よっしゃ、よっしゃ! そんなんワシ気にせんし!」と。それはそれでひとつの人生であり、他人がとやかく言うべき問題ではない。しかし筆者個人の性格および収入からすると「極悪燃費」はどうしても避けたいところであり、またそう考える人はそこそこ多いだろうとも推察する。
では、筆者のような人間(そこそこ燃費が気になる人間)が、豪快系クロカンまたはSUVが欲しいと思った場合、何を選べば良いのだろうか?
答えはいくつかあるだろうが、さしあたって有力候補と思うのが現行BMW X3だ。
2004年に登場した初代X3はコンパクトSUVブームの世界的な先駆けであり、それゆえ豪快さんなボディサイズではなかった。しかし現行X3、つまり2代目のBMW X3はずいぶん立派になり、今やその寸法は初代X5とほぼ同じだ。ちなみに全長と全幅はメルセデス・ベンツ Gクラスよりデカい。まさに「堂々たるコンパクトSUV」という、ちょっと逆説的な存在なのだ。
しかし燃費は(この手の車としては)まずまず良好だ。年次やグレードにより様々だが、2L直噴ターボ搭載グレードで13km/L以上、クリーンディーゼル搭載車なら18km/L以上というのが、現行X3のJC08モード燃費。現行X3よりも小柄なレンジローバー イヴォークの同燃費が9~10.7km/Lであることを考えると、現行BMW X3は「豪快さんなのに好燃費」と評せると思うのだが、どうだろうか。そしてもちろん、SUVといってもBMWのSUVなので、オンロードでは下手なスポーツカー顔負けの動的性能を披露できることは言うまでもない。……素晴らしいじゃないか。
ということで、今回のわたくしの(ある種の人々への)オススメは、ずばり「現行BMW X3」だ。
- Search the selection!
- Car:BMW X3(現行型)
- Conditions:修復歴なし&総額表示あり
この記事で紹介している物件
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】