誰もが憧れたスーパーカーの代名詞 ランボルギーニ ミウラP400
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / VINTAGE EDGE
2015/03/10
※徳大寺有恒氏は2014年11月7日に他界されました。日本の自動車業界へ多大な貢献をされた氏の功績を記録し、その知見を後世に伝えるべく、この記事は、約5年にわたり氏に監修いただいた連載「VINTAGE EDGE」をWEB用に再構成し掲載したものです。

誰もが憧れた スーパーカーの代名詞
徳大寺 1回目は1965年のトリノショーで、世界のエンスージャストを熱狂させた“ランボルギーニ・ミウラ”だな。
松本 まさにヴィンテージスーパーカーの王道ですよね
徳大寺 その時のランボルギーニのオーナー、フェルッチオは「何か特別な、世界をひっくり返すようなGTを作れ」と設計者に指示したんだ。
松本 そこから生まれたのがこのエクスクルーシブなGT“ミウラ”なんですね。
徳大寺 当時新進気鋭のガンディーニが、公道を走るレーシングカーをイメージしたデザイン。エンジンは鋼板を曲げて溶接したバックボーンフレームの中央に、横置き4.0L V型12気筒を搭載したんだ。
松本 パワーは350馬力にも及び、最高速は280km/hを記録したんですよね。しかしミウラのデザインは、見れば見るほどジウジアーロっぽいですね。
徳大寺 実はそれ、当時論争になっていて、ガンディーニは自分だと言いジウジアーロも自分がデザインしたと言っていたんだよ。それにしてもこのミウラは素晴らしい状態だな。オーナーカーなのかな?
松本 巨匠はスーパーカー全盛期に横浜に“シーサイドモータース”というお店があったのをご存じですか?
徳大寺 もちろん。カッコイイステッカーが印象的だった。
鞍 和彦(キャメルオート代表。以下 鞍) 巨匠、初めまして。実は私、当時シーサイドモータースで営業マンとして働いていたんですよ。その後独立して実はこのミウラやディーノといった往年のスーパーカーをレストアして販売してるんです。
徳大寺 そうですか。ではこのミウラは販売車両なんですね。素晴らしいコンディションです。当時箱根でミウラに乗ったことがあるけど、その時の車は雨漏りした思い出があります。
鞍 確かに。私も当時はそれほどクオリティは良くないと思いました。このレストア済みの車両の方がインテリアの作りから塗装まで質が高いですよ(笑)。
徳大寺 当時からイタリア車はカッコで乗る車。とやかく言う人は乗っちゃいけない。ランボルギーニもそういう車でしたね。
鞍 ただミウラはランボルギーニの中でも壊れないですね。不思議と。
徳大寺 伝説的なエンジニア、ダラーラとスタンツァーニが作った一級品だから作りが他とは違うのかもしれないな。
松本 ダラーラは後にF1やインディのシャシーで名を成しましたよね。マセラティMC12もそうです。
徳大寺 今やミウラは車の枠を越え、後世に残す芸術品だと思う。デビュー当時モナコGPの前座を走り、世界のVIPにそのカッコ良さを強烈にアピールした時から、この車はそういう運命だったのかもしれないな。





【SPECIFICATIONS】
■ウェーバーキャブを4連装し、最高出力350psを発揮する4L V12エンジンをミッドシップに横向きで搭載。このエンジンは68年のP400S、71年のP400SVと進化する中で385psまでパワーアップする。そして、このV12ユニットは、カウンタックへと譲られることになる。一方ボディは、レーシングカーのように前後のカウルが上へ開き、エンジンはおろか、サスペンションやミッションなど全体が見ることができる。また、ヘッドランプはポップアップ式で、ランプのまわりの睫毛を思わせる飾りがミウラの象徴となっている
■全長×全幅×全高:4390×1780×1080(mm)
■車両重量:1040kg
■ホイールベース:2500mm
■エンジン:V型12気筒DOHC
■総排気量:3929cc
■最高出力:370ps/7700rpm
■最大トルク:39.0kg-m/5500rpm
【キャステルオートサービス】
■tel:045-663-4660
【関連リンク】
※カーセンサーEDGE 2009年4月号(2009年4月10日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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