'89 FERRARI 328 GTB

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'89 FERRARI 328 GTB」、「'93 LANCIATHEMA 8.32」、「'94 JAGUAR XJS」、「'65 FIAT 500F」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'89 FERRARI 328 GTB】 良いクルマはいつ乗っても古さを感じさせないんだ

'89 FERRARI 328 GTB

大ヒットモデルとなった308GTB/GTSの後を受けて1985年に登場した328GTB/GTS。扱いやすいサイズ、フェラーリらしい走り、そして美しいデザインが与えられ、こちらもセールスで大成功を収める。クロモリ鋼のフレーム、4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションなど基本構造は308から受け継ぎながら、エンジンは3185㏄。欧州仕様で270psを誇った。実用性とクラシカルな雰囲気を持つ絶妙な時代の車であり、現在も非常に人気が高い。89年に348へとバトンタッチを行う。



【'93 LANCIATHEMA 8.32】 本当に裕福なイタリア人が選ぶのがランチアなんだよ

'93 LANCIATHEMA 8.32

1984年にデビューしていたテーマの特別なモデルとして86年に追加された8.32。エンジンはフェラーリ308クアトロ・バルボーレ用。180度クランクという珍しい設計だった308用のV8エンジンを通常の90度に変更し、出力なども僅かにデチューン。車格に合った静粛性や扱いやすさが加えられた。通常モデルとの違いは格子のラジエターグリルやホイール、可動式のリアスポイラーになるが、基本デザインは踏襲され、テーマらしい落ち着いた雰囲気も損なわれていない。製造は1992年まで行われた。



【'94 JAGUAR XJS】 歴史的な人物の作品に乗る喜びを感じてほしいね

'94 JAGUAR XJS

車名をXJ-SからXJSに改め、元から評価の高かった高級GTモデルをさらに進化させたモデル。リアクォーター、リアウインドウ、Cピラーまでも変更し、エクステリアを大幅に改良。また目立たない機能面も大きく向上し、信頼性の高い高級GTモデルして人気を得る。エンジンは当時のXJ6が搭載していたエンジンを4L化し、出力は225psまで高められた。ボディバリエーションとしては他に12気筒だけが用意していたコンバーチブルもあるが、91年のタイミングで直6エンジンにも追加されている



【'65 FIAT 500F】天才に任せれば完璧なモデルになるという良い例だね

'65 FIAT 500F

先に登場していたトッポリーノや600といった小型車さえも贅沢だというインフレ時代に合わせ、1957年にフィアットが発売したチンクエチェントことヌォーバ500。全長3m以下のコンパクトなボディ、空冷2気筒のOHVエンジン、RRのパッケージ、なによりその愛らしいデザインで世界的な大ヒット車に。日本では「ルパン三世」の愛車として様々な作品に登場したいたことでも広く知られている。登場以後は幾度もマイナーチェンジを行い、最終的には75年まで製造されるロングセラーモデルとなった。