'88 PORSCHE 959

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'88 PORSCHE 959」、「'87 FERRARI 412」、「'91 LAND ROVER RANGE ROVER」、「'66 OLDSMOBILE TORONADO COUPE」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'88 PORSCHE 959】 「このエンジンは今考えても凄い作りだよ」

'88 PORSCHE 959

1987年に限定生産されたポルシェのレーシングモデル。当初は200台と発表されたが、オーダーが殺到。最終的には283台が作られたと言われている。フルタイム4WD、水冷ヘッド、6速MT、可変ダンパー、複合素材ボディパネル、ダブルウィッシュボーンサスペンションなど、959で初めて採用された技術は数多く、そのトライアルモデルとしての役割を担っていた。その後、多くの技術が生産車にフィードバックしていることを考えれば、959の存在がポルシェにとっていかに重要だったかが分かるはず。



【'87 FERRARI 412】 大人のGTが89年までフェラーリにはあったんだ

'87 FERRARI 412

1972年、セールス的には成功を収めることができなかった365GTC/4に代わり、2+2モデルとして開発されたのが365GT4 2+2。その後、76年に排気量を4823㏄に拡大し、1気筒当たりの排気量が400ccとなったため名称を400に。80年にはインジェクションが備わった400i、そして85年には排気量を4943ccに拡大した412と進化を遂げる。V12エンジンを搭載した優雅なGTモデルとして高く評価され、基本設計を変えぬまま、18年間も生産された長寿モデルである。



【'91 LAND ROVER RANGE ROVER】 時代に左右されないデザインの基は英国にあり

'91 LAND ROVER RANGE ROVER

ランドローバー社が1970年に発表。それまでのオフロード車の概念から大きく離れ、本格オフロード性能と快適性や豪華さを合わせた1台として世界で高い人気を誇った。デビュー時は4速MTで最高速度は152㎞/h、83年に3ATが追加され、85年に4AT化。そのタイミングでエンジンは電子燃料噴射式となっている。現在も使われている高級グレードの「VOGUE」は84年から設定されていた。今回の撮影車両は1991年式、カラーは黒、走行距離13万km、左ハンドルの4ATモデルである。



【'66 OLDSMOBILE TORONADO COUPE】 当時のアメリカがいかに凄かったか、それが分かる一台だね

'66 OLDSMOBILE TORONADO COUPE

一目でアメリカ車と分かるデザインながら、当時としては画期的なFFを採用するなどGM社の力の入れようが伝わってくるトロネード。5mオーバーながら2ドアクーペとし、後席からもドアが開けられるなど、見た目以上の驚きに詰まった一台である。1930年代に使われた前輪駆動システムをこの年代に復活させて搭載。当時の業界に大きな衝撃を与えた。その技術は翌年には同グループのキャデラック エルドラドにも用いられている。今回撮影した車両は66年式、走行距離40736マイルという個体。