【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、アルファ ブレラを今こそ推す
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/10/03
http://www.sgt-date.com
お味いまひとつの蕎麦も、値付けによっては「絶品」に変わる
とかく物事の評価というのは相対的になる場合が多く、特に「値段」によって、対象物の評価というのは随時大きく変わる。
卑近な話で恐縮だが、筆者の自宅近所にKという蕎麦屋があり、まぁ率直に言って大して美味い蕎麦を出す店ではない。しかし筆者はその店を高く評価している。なぜならば、土地代が高い都内某区にありながら“もり”1枚のプライスが450円。激安である。
だが、激安でありながら決して激マズではない。ていうか、値段を考えれば「かなり頑張っている」と評せる味だ。この味で900円なら「……責任者を出せ」とすごむところだが、450円で、しかもサービスも悪くないとなれば「ごちそうさまでした!」と笑顔で店を出るほかない。
これに類する話は輸入中古車の世界においても頻出する。例えばアルファロメオのアルファ ブレラだ。
ご承知のとおりアルファ ブレラとは、アルファ159の車台を流用して作られた2ドアクーペ。基本デザインを担当したのがジョルジェット・ジウジアーロだけあり、そのデザインは「流麗!」としか言いようのない素晴らしいものだ。特にリアセクションの色香については、00年代に製造された車のなかでは世界的に見てベストか、それに近い水準にあると多くの者が認めるだろう。
しかしいかんせん、エンジンと車両重量の重さがネックだった。
相場下落によりブレラの美点だけが浮かび上がってきた
ブレラのエンジンはヘッド部分こそアルファ独自のものだが、シリンダーブロックはGM製エンジンと共通。結果、アルファ本来のエンジンフィールを知る者としては「……悪いわけじゃないんだけど、500万円出してコレかぁ……」と思うほかなかった。
また様々な事情により重量がかさみ、直4エンジンを積むベースグレードでも車両重量は1.6t近くに。これにより“軽快感”というアルファロメオ車ならではの美点がいささか毀損されてしまった。言ってみれば「たしかにマズくはないし、盛り付けの美しさは最高だけど、これで1枚900円はないんじゃないの?」という蕎麦のようなものだ。
しかし今、ブレラの中古車相場は大きく下がっている。具体的には「06年式で走行4万km前後の2.2JTSスカイウインドウが200万円ちょい」というのがその大まかな相場イメージで、なかには100万円台の物件もチラホラ。あの、イタリアが誇る“ワールドクラスのお尻”が200万円ちょい……激安ではないか!
人間そうなれば現金なもので、エンジンフィールのことも重量のこともさほど気にならなくなる。もちろん「まったく気にならない」と言えば嘘になるかもしれないが、冒頭の蕎麦屋Kと同様、「この値段でこの“味”なら大いにアリでしょう!」となるものだ。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
200万円ちょいならアルファブレラ、絶好の“買い銘柄”じゃないですか!
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】