フィアット 500|伊達セレクション
写真上は現行フィアット 500デビュー時のオフィシャルフォトで、ルパン3世でおなじみの旧型500の皮(?)をかぶって現行500が出てくるというイメージ画像。走りも小気味良いフィアット500だが、もうひとつの美点は写真下のように内装が華やかで(しかし決して華やかすぎないいい塩梅で)、オーナーはとにかく常に楽しい気分でいられることだろう。
フィアット 500内装|伊達セレクション
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大人がコンパクトカーを選ぶときに注意すべきこと

コンパクトカーを欲しいと思う動機は人それぞれであるだろう。「大きな車は趣味じゃない」「デカいのは車庫に入らない」「予算的に今回はコンパクトということで」「時代はコンパクトカーでしょ、逆に」「ま、買い物用のセカンドカーですから」等々、まさに百人百様であるはずだ。

そこについて筆者が何らかの意見を述べるつもりはない。しかし、もしも貴方がコンパクトカーを買うと心に決めたならば、ひとつだけ言いたいことがある。「悪いことは言わないから、なるべく“しゃれてるヤツ”になさい」ということだ。

“しゃれてる”ということの方向性は何でもいい。クラシカル系、最新プレミアムコンパクト系等々、貴方の好みと信念に合致するものでさえあれば何でも構わない。だが、“しゃれてないコンパクトカー”だけはとにかくダメだ。

なぜならば、19歳、20歳の若者は別として、いい年こいた大人がしゃれてないコンパクトカーに乗ると、とたんに貧相に見えてしまうからだ。

「いつかはクラウン」的な右肩上がり志向も今や古いとは思うが、それでもやはり、年を重ねるごとに上級な車が似合うようになり、そして周囲からもそれを期待されるのが人間および人間社会というもの。良し悪しは別として、とにかくそうなのだ。

そのなかであえて大人がコンパクトカーを選ぶというのは、洋服でいうところの“ドレスダウン”のようなもので、ある程度の上級テクと戦略が必要な行為なのだ。考えなしにドレスダウンをしても、ただただダラしなかったり貧乏くさく見えるだけである。

そしてフィアット 500がついに“中古車らしい中古車”に

で、話はもとに戻って、そこを踏まえたうえでならば、貴方がどんなコンパクトカーを選ぶかは本当に何でも構わないと思う。お好きになさればいいだろう。

ただ、中古車のプライスアクションにおいて注目すべき1台については、ぜひ触れておきたい。フィアット500(チンクエチェント)である。

08年に登場したフィアット500は、ご存じのとおり、これまでウルトラ強気な中古車相場をキープ。新車時価格222万円の1.4 16Vポップでさえも「車両本体価格170万円、その他諸費用を合わせ、なんだかんだで総額190万円」的な物件がザラであった。この価格だと「じゃ、いっそ新車で」と思ってしまうのが人情というものである。

しかし、ここへきて前期モデルは一部がお手頃化し、「車両価格約130万円で、なんだかんだで総額150万円ほど」という物件が増えてきたのだ。だからといって走行距離などの条件面が極度に悪化しているわけでもなく、まずまず好ましいスペックを備える中古車がお手頃化している点が、今回のプライスアクションのキモである。

理想を言えば後期ツインエアのMT版が最高だが、そちらはいまだ総額250万円級で、そもそも中古車はまだほとんど流通していない。前期型にはなるが、旬なうちに、国産軽自動車を買う程度の予算でイタリア・コンパクト界の至宝を手に入れる。……なかなか良い選択だと思うのだが、どうだろうか。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
お手頃価格になったチンクの前期型、どうでしょう!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE