メルセデス・ベンツ SL600|伊達セレクション
写真上は04年式メルセデス・ベンツSL600の広報写真。広報用の写真なので内装が美しいのは当たり前だが、10年落ち以上の中古車でも、この写真に近い内装コンディションを保っている少走行物件は希に存在する。また、筆者がそういった物件の特集を雑誌で頻繁にやっていた頃は、写真下のメルセデス・ベンツ500Eの「お宝物件」が多かった。
メルセデス・ベンツ E500LTD|伊達セレクション
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
http://www.sgt-date.com

「低年式/超少走行輸入車」という人気企画の思い出

大昔、筆者がカーセンサーとは何の関係もないとある輸入中古車情報誌の編集チーフをしていた頃、「お宝中古車を探せ!」的な特集記事が読者の人気を集めていた。この場合の「お宝」とは何かというと、「20年落ちなのに実走1.2万km!」というような、低年式なのに超少走行な物件のことであった。

しかし「低年式なのに超少走行な物件」というのにはいくつかの問題点も予想されるため、いつしかその人気企画はやらないようになった。超少走行な低年式物件で想定される「問題」とは、以下のとおりである。

●結局、ゴム部品などは距離を走らずとも年月とともに確実に劣化する
●長距離を走っていないことで、かえって調子を崩している個体もある
●本来は距離を重ねるうちに発生し、そして修理される機械的なトラブルが、これから発生することも考えられる

ほかにもあるかもしれないが、おおむねこの3点が「低年式/少走行」物件のネガな部分であるだろう。それゆえ当時の筆者は編集チーフとして「この企画はあまりやるべきではない」と判断したのだ。

だがやはり今でも、低年式/少走行な輸入中古車の「ある部分」における魅力には抗いがたい。それは「内外装、特に内装の美しさ」だ。

超少走行物件の「美しい内装」はほとんど世界遺産だ?

例外はあるが、そういった物件はたいていの場合、それなりにリッチな方が屋根付きのガレージに置き、セカンドカーあるいはサードカーとして使っていた。そうすると内装にとっての大敵である「紫外線」の影響が最小限となるため、誇張抜きで「新車同然!?」といえる十数年落ち車が出来上がるのだ。あれは今思い出しても本当に素晴らしい内装の数々であった。

そのことを思い出したついでに集めてみたのが下記物件リンクで、検索条件は「2000年式以前なのに走行2万km以下」。特に注目していただきたいのが各物件の内装写真で、すべてではないが、なかには前述のように「新車同然!?」と言いたくなる物件もあるはずだ。

しかし、もちろん先ほど挙げた「3つのネガ」が可能性として存在することは忘れるべきではないだろう。「内装は死ぬほどキレイだが、やはりそこそこの修理は必要でした」となる可能性もなくはない。

が、今にして筆者が思うのは「もしもそうなったらそうなったで、単純に直せばいいんじゃない?」ということだ。内外装が驚くほど美しい、ややクラシカルな1台を手に入れる。それで納車後1年から2年間、特に問題がなければ万々歳。もしもどこか不具合が出れば、直す。ただそれだけのことだ。

大昔、筆者が「お宝中古車を探せ!」的な特集記事をやめようと思ったのは、若かったゆえに「もしもどこか不具合が出れば、直す」というための資金がなかった……というだけのことなのかもしれない。大人な皆さんにとってはほぼ無関係な話である。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
この内装コンディションは世界の宝? 13年落ち以上の走行2万km以下物件!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE